アメリカで挑んだ自分との勝負:サッカーと学業、そして未来への一歩 ~中島駿乃介(桐蔭学園)
アスリートブランド生レポートシリーズ!
今回は、アメリカ・マサチューセッツ州にある University of Massachusetts Lowell に在学し、サッカーと学業の両立に挑戦している中島駿乃介選手にインタビュー。留学を決めた背景から、現地でのリアルな生活、壁にぶつかった経験や成長、そしてこれからアメリカ留学を目指す後輩たちへのメッセージまで、等身大の言葉で語ってもらいました。

Q. 留学をしようと思ったきっかけと渡米まで
A. 僕が高校3年生のとき、ちょうどコロナの時期と重なってしまい、もともと考えていた日本の大学進学にも不安を感じるようになりました。試合も数えるほどしかできず、「このままでいいのか」と悩む中で、一つの選択肢として留学という道があることを知りました。
それから自分で情報を調べ始め、見つけたのが「アスリートブランド」でした。何ヶ月も連絡を取り続けた末、最終的に高校三年生の10月から11月ごろに、アスリートブランドを通してアメリカ留学を決めました。
新しい環境の中でサッカーを続けながら、本場の英語に触れて学業にも力を入れたいという思いが強くなっていったのが決め手でした。
留学を決心した当初、サッカー面については正直あまり不安はありませんでした。一方で、語学面には大きな不安がありました。授業についていけるか、本当に話せるようになるのか、そういった心配が常にありました。
そこで、渡米前の約半年間は、アスリートブランドと提携している塾「デルクイ」に通い、英語の勉強に力を入れました。この期間は、自分をしっかりと準備する大切な時間だったと思います。
Q. 短大での生活とサッカー経験は?
アメリカに来てから、短大では1年生のころから公式戦に出場することができました。正直、サッカーのレベル自体は日本と比べると高くなく、日本の選手権に出場している高校のほうがレベルが高いと感じることもありました。
ただ、アメリカの選手たちはフィジカルがとにかく強く、体の強さでは勝てないと感じる場面が多かったです。そのぶん、日本人ならではの足元の技術やサッカーの理解力を活かしてプレーすることを意識していました。
アメリカ人選手の「自己主張力」には最初とても驚かされました。プレー中だけでなく、日常生活でもみんなが堂々と自分の意見を主張し、遠慮なく思っていることを言葉にする。その姿勢は、日本で育ってきた自分にとって衝撃的で、同時に「自分ももっと自己表現をしていかなければ」と感じさせられました。
チームの雰囲気はとても良くて、日本人やブラジル人など海外出身の選手も多く、国際色豊かな環境でした。最初は英語でうまくコミュニケーションが取れるか不安でしたが、周りのサポートもあり、少しずつ英語にも慣れていきました。
授業の面では、田舎の短大ということもあって、先生たちは留学生にとても親身になってくれました。わかりやすい資料を用意してくれたり、個別に対応してくれたりと、サポートは手厚かったと思います。1日3〜5時間ほど勉強し、最初は日本語に翻訳しながら理解するというスタイルでしたが、徐々に英語のまま理解できるようになってきました。
この短大生活の中で一番印象に残っているのは、サッカーの全米大会でスクールレコードを更新できたことです。あの瞬間は、努力が報われたと心から感じることができ、自分にとって大きな自信にもなりました。

Q. アメリカでの私生活はどんな感じでしたか?
アメリカに行く前は、「アメリカは危険な国」という固定概念を持っていたんですが、実際に生活してみると、それは場所によると思いました。僕がいた地域は田舎で、とても穏やかで安全な場所でした。印象的だったのは、地域の人たちの温かさです。アメリカの大学は地域とのつながりが強くて、地元のスーパーで買い物をしていると、見知らぬ人が気さくに話しかけてくれることもありました。みんな本当にフレンドリーで、外国人の自分にも分け隔てなく接してくれたのが嬉しかったです。
サッカーをする中で大変だったことといえば、監督の要求と自分のしたいことをうまく合わせることです。どんなプレーを求められているのかがはっきり分からず、プレー中に迷うことも多くて、信頼を得るのに時間がかかりました。また、授業面でも先生によって教え方や課題の出し方がかなり違っていたので、それぞれの授業にどう対応していくかを考えるのが大変でした。自分に合った勉強方法を見つけるまでには、少し時間がかかりました。
それでも、そういった経験を通して少しずつ「どうすれば自分らしく生活できるか」「どうやって乗り越えるか」を考えられるようになり、精神的にも成長できたと感じています。
Q. 4年制大学でのサッカーと生活と短大の違いとは?
短大から4年制大学に編入してまず感じたのは、サッカーのレベルが短大と比べると高いということです。中にはプロレベルの選手もいるほどで、スピード、テクニック、戦術理解など、すべての面でレベルが違いました。僕自身はNCAAのDivision 1のチームに編入することができて、その環境の中でプレーできることは本当に刺激的でした。
今いる大学はボストンという大きな街に近く、大学の規模も短大と比べると規模が大きく、施設の質も高いです。施設もとても充実していて、ロッカールームやジムはもちろん、練習後にはプロテインやフルーツなど、栄養補給のサポートも整っています。まるでプロチームのような環境で、常に高い意識を保って練習に取り組めています。
練習内容に関しては、短大ではパスサッカーをベースに、技術と連携を重視した練習が多かったですが、今の大学の練習メニューの本質自体は2週間でローテーションのような仕組みになっています。以前はより縦に速いスタイルだったのですが、今年から少しずつ繋ぐスタイルに変わってきていて、チームとしても去年より良い結果が出始めています。
サッカー以外では、学業面でもチャレンジは大きかったです。僕は定量経済学を専攻していました。授業のレベルは高く、特に英語で経済や統計を学ぶのは最初とても苦労しました。しかし、自分が興味のあった分野だったこともあり、集中して取り組むことができました。MBA進学を視野に入れていることもあって、知識を深められるのは大きなモチベーションになりました。この環境で日々努力できていることが、将来の自分につながっていくと信じています。

Q. 留学での成長と今後は?
A. 僕は今年の5月に4年制大学を無事卒業し、これからは大学院生として新たな挑戦が始まります。この4年間で最も大きかったのは「人としての成長」です。親元を離れて、自分の生活をすべて自分で管理しなければならない環境の中で、今まで親がしてくれていたお金の管理や書類の手続き、スケジュールから身の回りのことまで、ほとんどのことを自分で行うようになりました。社会人になる前の準備として、非常に貴重な経験だったと思います。
また、アメリカでの生活を通して、考え方の「質」が高まったと感じています。アメリカには本当に多様な人たちがいて、それぞれが自分の個性を大切にして生きています。日本では「一歩引く」「謙遜する」といった考え方が美徳とされていますが、アメリカでは「自分をどうアピールするか」「自信を持って主張できるか」といった社会性がより求められる文化です。またこうしたことが今後社会に出た時に大きな需要があると感じました。このような違いに触れることで、自分の価値観にも大きな変化がありました。
また、今後は人との繋がりを大切にしていきたいと思っています。アメリカでは、一度築いた関係性を大事にし続けることで、様々なチャンスにつながっていくことを学びました。この考え方は、日本に帰ってからも、ビジネスでも友人関係でも生かしていきたいです。
大学院ではMBAを専攻し、「自分がこの分野でどこまで通用するのか」「何を理解していく必要があるのか」をしっかりと学ぶつもりです。サッカーについては、今のチームではまだ納得のいく成果を出せていません。プレーオフ出場、そしてナショナル大会への出場を目標に、今後も努力を続けていきます。
将来的には、もしサッカーを続けられる環境があるなら、競技を続けていきたいです。そして、仕事ではアメリカや日本にとどまらず、「世界を渡りながら働けるような人間」になりたいと思っています。これまで学んできた英語力や国際経験を活かし、グローバルな舞台で挑戦していくのが僕の目標です。

Q. これからアメリカサッカー留学を目指す人へのメッセージ
アメリカに留学しようと考えている時点で、それだけで十分すごいことだと思います。実際にその一歩を踏み出すのは簡単じゃないし、いろんな不安もあると思います。でも、だからこそ得られる気づきや成長は本当に大きいと思います。僕自身も、育った場所を離れて、全く違う文化や環境で生活する中で、人として大きく成長できていると感じています。
留学中に意識していたのは、「妥協しないこと」と「支えてくれている人たちの存在を忘れないこと」です。うまくいかないことがあっても、自分がやると決めたことだからこそ、しっかり向き合いたいと思っています。家族や友人が応援してくれているという気持ちが、すごく心の支えになっていたのも大きかったです。
また、学業面に関してアメリカの大学では学部の変更や、他の学部の授業を取れる利点があるので、まだ自分が何をしたいかわからない方には日本の大学よりも良い点なのかもしれません。実際自分も3年生の時に学部を変更し、卒業することができました。
もし、今「行こうか迷っている」という人がいたら、僕は「行ってみた方がいい」と伝えたいです。たくさんの不安や、失敗、新しい出会いや経験が将来の自分への投資になり成長を促進させる糧になります。少しの勇気が、これからの人生を変えるチャンスになると思うので、自分を信じて一歩踏み出してみてください!

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