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【空蝉うつせみ】耳に届く夏の便り

【夏を感じる音】

五感から感じる季節というのはたくさんある。

見てわかるものはもちろん

香り

体感覚

様々なものから【季節】を感じとることができる。



長い梅雨。

そのさなかに聞こえてくるのは

蝉の声。


大合唱とまではいかないけれど

ちょっぴりせっかちな蝉たちが少しずつ

永い眠りから覚め

短いけれど濃厚な「生」を味わっている。

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数年間もの長い間 地中でじっと時を過ごし

世界に羽ばたけるのが

”たったの7日間”


人間から見るとなんだか

寂しくてはかないような

蝉の一生。


のように思えるけれど、

きっと蝉からしてみたら

「自分の【生】を生きていない人間が
だらだらとただ時を重ねている」

ことのほうが【滑稽な存在】に見えているのかもしれない。


蝉の声を聞くと
無意識ではあっても
季節の移り変わりを感じることができる。


夏が来る。

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ある日

車に乗ろうとしたら

ドアの近くに何か茶色いものが落ちている。


(なんだモズか。)

セミの抜け殻だ。

(※ちなみに新潟では蝉の幼虫もモズと呼びます)

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いや、そうではない。

中身が入っている。


しかし
そのモズはさかさまにひっくり返っていた。


(せっかく出てきたのに死んじゃったのかな?)


しばらく眺めてみるけれど
ピクリとも動かない。


心配になってそぅ~っと触ってみる。


微かに、本当に微かにだけど足が動いた。


(生きてる!!)


ほっと一安心。


(動かしてあげたほうがいいのかな?)


でも
自然の仕組みに人間が手を入れてはいけまい

とりあえずそのまま出かけることにした。


「モズさん頑張って」

娘と一緒にエールを送りながら。


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帰ってくると

モズが起き上がっていた。


(わぁ!やっぱり生きていたんだね)


娘と一緒に大喜び。


きっとこれなら
立派な蝉になって羽ばたけるはず。

起き上がる力があるのだから。



結局は触って
余計なことをするのは悪い気がしたので

踏まないようにだけ気を付けて
その場を去る。


羽ばたいていくその姿を夢見て。


翌朝蝉はいなくなっていた。



ふと気づくと蝉の声が

ちらほら聞こえるようになった。


きっとあの蝉が鳴いているんだ。


毎年聞こえる蝉の声。


だけど
なんだか今年は

蝉の声がいつもと違う気がする。


朋友の【生】いっぱいな

蝉の声を聞いている。


蝉の声。

この音を聞くと夏を感じる。

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★おまけ★

【蝉退(せんたい)】

中国で使われる生薬のひとつ。
蝉の抜け殻。

なんとセミの抜け殻も生薬になるんだとか。

解熱・鎮痒・消炎効果があるそうです。

※日本中でよく見かける「アブラゼミ」ではないようですので
自己責任でお願いします。


綺麗道(きれいどう)


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