桃園地景藝術節 / 制作日誌③ うつろの息
小雨のなか
石をはこぶ

道の奥にも
写真の見切れた手前にも
ずーっと
繋がってる
石すぎて笑える
今日はしっかり雨なので
石はおやすみ
雨が降ると石は水を吸って
ものすごく重くなる
美味しそうに きゅーっ って鳴いたりする
石ってほんと生きものみたい

こんなところで1日ずっと、石を運んでは積み上げをひたすら手作業でしていると、何千何万の石のなかから、海の運んだ宝物にふと出逢えたりもする。

穴のあいた天然の小石は、みつけた瞬間「これは」とおもい、息を吹き入れてみると素直に音が鳴り感動。満月の日に岩笛に出逢えるとは、なんだか夢のなかにいるみたい。
縄文の遺物からも、笛として使われていたと考えられる石が出土している。
穴があったら吹いてみたいというのは、太古から変わらない人の性みたいなものなのかもしれない。

穿孔貝のあけた穴、
貝の暮らした跡が音になるなんて
なんかいいな
わたしもそんなふうに暮らしたい
拾ってから毎日吹いてる
海にあいさつしてるみたい

中村綾花
帽子作家/美術家
原始感覚美術祭コーディネーター
1982年生 沖縄出身長野在住。元農家。
生活と手仕事の結びあう農民美術の息づく家に育ち制作をはじめる。木崎湖のほとりに拠点をおき、旅をして出逢う土地の文化から学び、帽子、面、土器、テキスタイル、獅子舞など、自然と共にある生活と結びあう表現をおこなう。

