雨の代わりに六月が降り注ぐ
カメラとオーディオ、あなたを作る要素
食パンが焼ける匂い、ジャムを塗る音
陽だまり色の小さなキッチン
口数の少ないあなたが笑うのは
カメラを構えている瞬間でした。
僕が生まれてから数年前まで
山ほど〈アルバム〉に残っていても
あなたが映った写真は殆どなくて
あなたが僕に遺した〈アルバム〉は
僕の生まれ年に買い揃えたもので
あなたが与えてくれた音楽を
これからの僕は抱き締めて息を吸って、吐く。
この目と耳と鼻はあなたとも繋がっていて
今日も明日もいつか僕に終止線が引かれるまで
あなたは僕というフィルターを通して生き続けます。

サーキュレーターがリズムに乗った風を吐き出す
設定を変えたつもりさ夏の始まり
「へえ。ライブが趣味なんだー、どんなの聴くの?」
あのどのこのアーティストも大体分からない
少ない知恵絞りに絞って出した答えが通じない
永遠に広がらない話で何となく気まずい
そういう時は決まって曖昧に笑って誤魔化す
ちなみにひとりで行くんだよ
誰とも分かち合えなくていいもんな
それも全部伝わらなくていいもんな
パンク・ロックだけで友達ができてゆく
パンク・ロックだけが友達になってゆく
ところが、
今年はプログレッシブ・ロックばかり聴いている
裏切りではない浮気でもない
ただ、ただ出会ってしまったから
余計にややこしくなるんだ
