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随想好日『もう一つの北野病院がくれた豊かさ』

命をもらったと同時に何か違うものも貰って来たようだが、今のところまだそれは分らぬ。ただとても薄っすらとした消え入りそうな何かなのだが】
 退院後に書いた原稿の一本に「もう一つの北野病院」 という原稿がある。有難いことに、ここnoteでのご支持も手厚く頂戴した。

書き出しの、命を貰ったと同時に……云々という行は、その原稿を締め括る一行なのだが~
昨日、ようやく辿り着くことができた。

北野病院の一階から病棟すべてに掛けられた美しい画たちは、わたしがリハビリに取り組むうえで大きなモチベーションとなった。

 そんな十日ほどの日々、思い出したくても思い出せない気持ちの悪さ。どうにも釈然とせぬ思いを抱えたままに退院の日を迎えたのだが________。

北野病院の美しい絵画

「俺はこの雰囲気の画を知っている。いつだっただろう。誰だっただろう。どこだっただろう…… 何故、俺はこの雰囲気の画たちが好きなのだろう」
 入院中のリハビリを兼ねた院内散策の際、ずっと考えていたことだった。
それが昨夜、唐突に我が眼前に姿を顕した。


ウイリアム・ターナー(GBR)『解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号、1838年』ロンドンナショナルギャラリー収蔵】

【ウイリアム・ターナー(GBR)『解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号、1838年』ロンドンナショナルギャラリー収蔵】

わたしはこの画をはじめ数点のウイリアム・ターナー作品を鑑ている。30代の半ばだ。今から30年弱前になるだろう。
 
 ここからは笑い話なのだが、わたしはウイリアム・ターナーのこの画をダニエル・クレイグ主演 『007 スカイフォール』で見つけたのである。
 劇中、007と開発係のQが初めて顔を合わせる場面があるのだが、舞台はイギリスロンドンは、ナショナルギャラリーのこの画の前だった。

「アッ ! ! これだ ! ! ウイリアム・ターナーだ ! ! 何派だっけ ? 1700年代 ? 1800年代 ?」
まぁ、こんなものである。プロではない。
 たしか…… おそらく…… だったはず…… ウイリアム・ターナーという画家の名前を憶えているだけ「まだ大丈夫」と思えた。ただ、ウイリアム・ターナーの代表的な作品は記憶している。歳のせいか、名前をド忘れすることはあっても、多分、代表作を見れば「ハイ、ハイ、ハイ」となれるレベルでは記憶しているだろう。

北野病院に掛けられたIKEHATA画伯の手による美しい画たちの正体は、ロマン派の影響を色濃く感じさせるものだったようだ。
わたしの調べ方が悪いのだろう。IKEHATA画伯を調べても中々辿り着けなく詳細を書くことができないのが残念である。

生きていると、こうして所々にフフン♬と思える豊かさが顔を覗かせる。それはその人だけが感じられれば良いことであるからして、みんなが同じものである必要は無い_______ということは書くまでも無いか。

命をもらったと同時に何か違うものも貰って来たようだが、今のところまだそれは分らぬ。ただとても薄っすらとした消え入りそうな何かなのだが。】 

こういう気付きやシンクロが日常生活の中、ポロリポロリと顔を見せてくれる瞬間こそ、愛するに値する日々なのですがね。
 こういうモノを授けてくれたDNAに感謝したい。


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