Escape from Tarkov ― 5.45x39弾②
シリーズ初回はこちら: Escape from Tarkov ― 弾丸の歴史
■ 完成されたはずの弾
前回、5.45×39弾は
「当てること」を重視した設計として生まれたことを見てきた。
軽く、反動が少なく、扱いやすい。
そして、命中後には内部で姿勢を崩し、ダメージを与える。
この時点で、歩兵用弾薬としては一つの完成形に見える。
しかし、この弾もまた“完成”ではなかった。
■ 新たな敵 ― 防弾装備
戦場はさらに変化する。
兵士が身につける装備が進化し、
ヘルメットやボディアーマーが一般化していく。
ここで問題が生まれる。
「当てても止まらない」
初期の5.45弾(7N6 / TarkovでのPS)は、
非装甲の相手には有効であっても、
防護装備に対しては限界があった。
■ 最初の改良 ― 貫通力の強化
初期弾は、あくまで
👉 「体内での挙動(ヨーイング)」によるダメージ
を前提としていた。
しかし装甲の前では、それだけでは足りない。
■ 7N10(PP弾)
コアの強化
貫通性能の向上
👉 Tarkovでの「PP」
この段階で、5.45弾は
👉 「暴れる弾」から
👉 「貫通もできる弾」へ
と役割を広げ始める。
■ 装甲との本格的な戦い
改良はさらに進む。
■ 7N22(BP弾)
強化鋼コア
防弾装備への対抗
👉 Tarkovでの「BP」
そしてここから、
弾薬の性格は明確に変わっていく。
■ 7N24 / 7N39(BS / Igolnik)
高硬度コア(タングステン等)
高い貫通能力
👉 Tarkovでの「BS」「Igolnik」
ここでの目的は明確になる。
👉 「内部で壊す」よりも「まず抜く」
■ ここで生まれる疑問
■ 暴れなくなったのか?
この点はかなり重要だ。
結論から言うと:
👉 完全に暴れなくなったわけではない
👉 ただし 優先順位が変わっている
■ 初期(7N6 / PS)
軽量
空洞構造
重心が後ろ
👉 早期にヨーイングが起きやすい
■ 後期(BP / BS / Igolnik)
硬いコア
構造がより安定
貫通優先
👉 貫通後に挙動が出ることはあるが、初期ほど顕著ではない
■ つまり
👉 初期
「中で壊す」
👉 後期
「まず抜いて、その後に影響する」
■ 弾薬と防具の「競争」
ここで構造が見えてくる。
■ 流れ
軽量・制御重視(PS)
貫通を追加(PP / BP)
装甲対策に特化(BS / Igolnik)
👉 要求が後から積み重なっていく
これは単なる改良ではない。
👉 弾薬 vs 防具の終わらない競争
■ 初期思想とのズレ
ここが重要になる。
5.45はもともと、
👉 「当てやすさ」
👉 「制御性」
を重視した弾だった。
しかし進化の過程で、
👉 「貫通」
👉 「対装甲」
が強く求められるようになる。
つまり、
👉 思想に“現実の要求”が上書きされていく
■ Tarkovでの再現
この構造はゲーム内でも非常に分かりやすい。
PS → 安価・基本弾
PP / BP → 中間・バランス
BS / Igolnik → 高貫通
プレイヤーは常に:
👉 「何を撃つのか」ではなく
👉 「何を抜く必要があるのか」
を考えることになる。
■ 一言でまとめると
5.45弾は、
最初から完成していた弾ではなく、
戦場の変化によって“役割を増やしていった弾”である。
■ 次回予告
次回は、
👉 なぜ5.45のような弾が特別な存在ではないのか
👉 なぜ世界は“小口径高速弾”へと収束していったのか
このあたりを、5.56弾との比較も交えながら見ていく。
次作はこちら: Escape from Tarkov ― 5.45x39弾③
※ この連作で扱っている内容の背景や実際のプレイ感については、
毎週金曜日に配信している配信内でも触れています。
文章とは少し違った形での理解の助けになると思いますので、
興味があればこちらも覗いてみてください。
▶ 配信はこちら: B.K. Gaming チャンネル
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