Tarkov の9x19mm弾を現実から見る 第7回:曳光弾は何のためにあるのか
第1回はこちら:
前回は、RIP、QuakeMaker、Luger CCIのような、貫通力よりも肉ダメージに寄せた9x19mm弾を見てきました。
Tarkovでは、貫通力が低い弾は弱く見えがちです。
しかし現実世界の視点から見ると、貫通しないことにも意味があります。
対象を貫通しすぎない。
対象内でエネルギーを使う。
弾頭を変形・破砕させる。
非装甲部位に対して効果を出す。
護身用・警察用・民間用の文脈で使われる。
こうした弾は、AP系のように装甲を抜くための弾ではありません。
弾の性格が違うから、狙う場所も変わります。
Tarkovでは、この考え方が「足撃ち」や「非装甲部位を狙う」という形で表れます。
今回は、さらに少し違う方向の弾を見ていきます。
Green Tracerです。
Green Tracerは、名前の通り、緑色の曳光弾です。
曳光弾とは、弾が飛んでいく軌跡を目で確認できる弾です。
Tarkovの9x19mm弾の中では、AP系や肉ダメージ系に比べると、やや地味に見えるかもしれません。
しかし曳光弾は、弾薬の中でもかなり面白い存在です。
なぜなら、曳光弾は「相手に当てるための弾」であると同時に、
「自分の射撃を相手にも見せてしまう弾」
だからです。
Tracerという名前
まず、Tracerという名前を見てみます。
Tracerは、英語で「跡をたどるもの」「軌跡を示すもの」といった意味を持ちます。
弾薬としてのTracerは、弾道が見えるように作られた弾です。
弾の後方に燃焼する成分が入っており、発射後に光を出すことで、弾がどこへ飛んでいるのかを確認できるようになっています。
Green Tracerの場合は、その光が緑色に見える弾ということになります。
Tarkovでも、Green Tracerは撃った弾道が見える弾として扱われます。
名前自体はかなり分かりやすいです。
Green = 緑。
Tracer = 弾道を見せる弾。
つまりGreen Tracerは、
「緑色の軌跡を残す弾」
として覚えるとよいと思います。
ここまで見てきたPst gzhやPBP gzhのような弾に比べると、名前の意味はかなり直感的です。
なぜ弾道を見たいのか
では、なぜわざわざ弾道を見えるようにするのでしょうか。
一番分かりやすい理由は、射撃の修正です。
弾がどこへ飛んでいるのかが見えれば、狙いを修正しやすくなります。
思ったより上に飛んでいる。
右にずれている。
相手の手前に落ちている。
連射中に銃口が跳ね上がっている。
遠くの目標に対して弾が届いていない。
こうしたことが、弾道を見ることで分かりやすくなります。
特に機関銃やSMGのように連射する武器では、弾がどの方向へ流れているかを確認できることに意味があります。
一発一発を精密に狙うというより、弾の流れを見て修正する。
これが曳光弾の基本的な役割です。
Tarkovでも、連射中に弾道が見えると、弾がどこへ飛んでいるのかを視覚的に確認できます。
これは初心者にとっても分かりやすい利点です。
普段は、撃った弾がどこへ飛んだのかが分かりにくいことがあります。
しかし曳光弾なら、弾道そのものが見えるため、射撃の感覚をつかみやすくなります。
味方に射撃方向を示す役割
曳光弾には、もう一つ重要な役割があります。
それは、味方に射撃方向を示すことです。
戦場では、「あそこを撃っている」「あの方向に敵がいる」という情報を、言葉だけで伝えるのは難しい場面があります。
特に夜間や混乱した状況では、方向感覚も失いやすくなります。
そういう時、曳光弾は視覚的な指示にもなります。
弾道を見れば、どの方向に撃っているのかが分かる。
どこに敵がいると考えているのかが分かる。
どの方向へ火力を集中しているのかが分かる。
つまり曳光弾は、自分のためだけの弾ではありません。
味方に射撃方向を示す弾でもあります。
Tarkovのソロプレイでは、この役割はあまり意識しないかもしれません。
しかしDuoやSquadでプレイする場合、弾道が見えることは、味方に状況を伝える手段にもなります。
「あの方向を撃っている」
「あそこに敵がいるかもしれない」
「今この射線を押さえている」
そうした情報を、弾道そのものが伝えてくれることがあります。
もちろん、Tarkovでは実際に曳光弾をそう使う場面は限られるかもしれません。
しかし、曳光弾の現実世界での役割を考えると、単に「光る弾」ではなく、情報を伝える弾でもあることが分かります。
夜間や暗所での曳光弾
曳光弾が特に分かりやすいのは、夜間や暗所です。
暗い場所では、通常弾の弾道はほとんど見えません。
しかし曳光弾なら、光の筋として弾道が見えます。
これは非常に便利です。
どこへ撃っているのか分かる。
連射時の弾道を確認できる。
遠くの目標に対して、弾の落ち方を見やすい。
味方にも射撃方向を伝えやすい。
一方で、暗所で光るということは、自分の場所も非常に分かりやすくなるということです。
ここが曳光弾の最大のトレードオフです。
弾道が見えるということは、相手にも見えるということです。
自分がどこから撃っているか。
どの方向へ撃っているか。
どの位置にいるか。
どのタイミングで射撃しているか。
それが相手にも伝わります。
暗い場所では、これはかなり大きなリスクになります。
Tarkovでも、暗い場所で目立つ弾道は、撃っている側の位置をかなり強く示してしまいます。
つまり曳光弾は、便利な弾であると同時に、自分を晒す弾でもあります。
見えることは利点であり、リスクでもある
曳光弾の面白さは、まさにここにあります。
見えるから当てやすい。
見えるから修正しやすい。
見えるから味方に伝わる。
しかし同時に、
見えるから場所がバレる。
見えるから射線が読まれる。
見えるから敵にも情報を与える。
これは非常にTarkovらしい考え方です。
Tarkovでは、便利なものにはだいたい代償があります。
良い防具は重い。
大きなバッグは目立つ。
強い弾は高い。
強い薬は副作用がある。
治療すれば時間と音が出る。
走れば音が出る。
そして曳光弾は、
「弾道が見える代わりに、自分の射撃も見える」
という代償を持っています。
このトレードオフがあるから、曳光弾は面白いのだと思います。
TarkovでGreen Tracerをどう見るか
Tarkovの9x19mm Green Tracerは、弾薬表の中では特別に強い弾というより、少し特殊な弾として見るのが自然だと思います。
高貫通弾ではありません。
極端な肉ダメージ弾でもありません。
弾道が見えるという性質を持った弾です。
そのため、Green Tracerは「ダメージや貫通力だけで選ぶ弾」ではありません。
射撃の感覚をつかみたい。
弾道を見たい。
連射時のばらつきを視覚的に確認したい。
夜間や暗所で弾の流れを見たい。
味方に射撃方向を示したい。
そうした目的で意味を持つ弾です。
もちろん、Tarkovで実戦的に考えるなら、目立つことは無視できません。
特にソロでは、自分の位置が分かりやすくなることは大きなリスクです。
撃った瞬間に、相手からも弾道が見える。
射線が読まれる。
位置を特定される。
移動する必要が出る。
このように考えると、Green Tracerはただの「光る弾」ではありません。
情報を得るための弾であり、情報を与えてしまう弾でもあります。
弾薬は情報も運ぶ
ここまでの9x19mmシリーズでは、弾薬をいくつかの方向から見てきました。
標準弾は、安定性や運用の土台。
AP系は、貫通力に振った弾。
RIPやQuakeMakerは、貫通ではなく対象内での効果に振った弾。
そしてGreen Tracerは、情報に関わる弾です。
弾薬というと、どうしてもダメージや貫通力に目が行きます。
しかし曳光弾を見ると、弾薬には「情報を運ぶ」という側面もあることが分かります。
弾がどこへ飛んだのか。
射撃がどこへ向いているのか。
どの方向に敵がいるのか。
どこから撃っているのか。
曳光弾は、こうした情報を見える形にします。
これは便利です。
しかし、情報は自分だけのものではありません。
見える弾道は、味方にも見えます。
そして敵にも見えます。
この「情報を共有してしまう」という性格が、曳光弾の面白さであり、怖さでもあります。
Green Tracerは初心者にとって意味があるか
では、Tarkov初心者にとってGreen Tracerは意味があるのでしょうか。
個人的には、学習用としては意味があると思います。
Tarkovでは、射撃感覚をつかむのが難しいです。
反動が大きい。
弾がどこへ飛んでいるか分かりにくい。
距離感が分かりにくい。
SMGで連射すると、弾がどのように散っているのか分かりにくい。
Green Tracerを使うと、弾道が見えるため、少なくとも「自分の弾がどこへ飛んでいるのか」を確認しやすくなります。
これは、初心者にとってかなり大きな学習材料になります。
ただし、実戦で常用するかどうかは別です。
弾道が見えるということは、相手にも位置が伝わるということです。
したがって、Green Tracerは、
「学習用としては分かりやすい」
「実戦では目立つリスクがある」
というように見るとよさそうです。
このあたりも、Tarkovらしい判断です。
便利だから使う。
しかし便利な分、リスクもある。
そのリスクを理解した上で使うなら、Green Tracerはかなり面白い弾だと思います。
曳光弾を混ぜるという発想
現実世界では、曳光弾だけを撃つのではなく、通常弾の中に曳光弾を混ぜる運用もあります。
すべての弾を光らせる必要はありません。
何発かに一発だけ曳光弾を入れることで、弾道の目安を得る。
マガジンの残弾が少なくなったことを知らせる。
射撃方向を確認する。
そういう使い方もあります。
Tarkovでそこまで細かく運用するかは、プレイヤーの好みによります。
しかし発想としては面白いです。
たとえば、マガジンの最後の数発に曳光弾を入れておく。
そうすると、撃っている途中で「そろそろ弾が切れる」と視覚的に分かる場合があります。
もちろん、これも自分の位置を知らせるリスクがあります。
しかし、Tarkovらしい工夫ではあります。
弾薬は、単に強い順に詰めるものではありません。
何を知りたいか。
何を隠したいか。
どのタイミングで情報が欲しいか。
そういう考え方でマガジンを作ることもできます。
Green Tracerは、そのような「情報のための弾」として見ると、かなり面白くなります。
第7回のまとめ
Green Tracerは、9x19mmの中でも少し特殊な弾です。
AP 6.3やPBP gzhのように貫通力に振った弾ではありません。
RIPやQuakeMakerのように肉ダメージに振った弾でもありません。
Green Tracerは、弾道を見せる弾です。
Greenは緑。
Tracerは軌跡を示す弾。
つまりGreen Tracerは、緑色の曳光弾として覚えると分かりやすいです。
曳光弾には、弾道を確認しやすくする利点があります。
射撃の修正に使える。
連射時の弾の流れを見られる。
味方に射撃方向を示せる。
夜間や暗所で弾道を把握しやすい。
しかし、その利点はそのままリスクにもなります。
弾道が見えるということは、相手にも見えるということです。
自分の位置がバレる。
射線が読まれる。
撃っている方向が分かる。
夜間では特に目立つ。
つまりGreen Tracerは、便利な弾であると同時に、自分の情報を相手に渡してしまう弾でもあります。
Tarkovらしく言えば、
「見えること」は強みであり、同時に弱点でもある。
ということです。
ここまでで、9x19mm弾の主な方向性をいくつか見てきました。
標準弾。
貫通弾。
肉ダメージ弾。
曳光弾。
次回は、これらの弾を使う側、つまり9x19mm SMGについて考えていきたいと思います。
MP5、MPX、PP-19のような9x19mm SMGは、Tarkovではどのような役割を持つ武器なのか。
そして現実世界のSMGは、なぜライフルの劣化版ではなく、近距離で意味を持つ武器として発展したのか。
次回は、9x19mm弾を使う武器の側から、Tarkovを見ていきます。
第8回はこちら:公開前の場合があります。
※ この連作で書いている内容の背景や、実際のプレイ中に何を考えているかについては、Twitch でほぼ毎日行っている配信 でも触れています。
文章だけでは伝わりにくい部分も、配信を見ると少し雰囲気がつかみやすいかもしれません。
なお、過去の配信アーカイブは YouTube チャンネルにも残しています ので、興味があればそちらも覗いてみてください。
▶ 配信はこちら: B.K. Gaming チャンネル
▶ Twitch はこちら: kaz_the_minotaur チャンネル
いいなと思ったら応援しよう!
読んでくださってありがとうございます。
サポートは、今後の制作を続けるための大きな力になります。
無理のない範囲で、応援していただけたら嬉しいです。