小さく始めて、長く続けるコツ。さくらや式「頑張らない仕組み」
こんにちは。衣服制服の環境活動家さくらやカナコです。
私は2010年、香川県高松市で「学生服リユース店 さくらや」を始めました。
今年で16年。学生服のリユースを通して、家計・地域・環境の課題に向き合ってきました。
この記事は、
起業したい
社会のためになることを仕事にしたい
でも、私に続けられるのかな…と不安になる
そんなあなたに向けて書いています。
私は特別な経営者でも、立派な活動家でもありません。ズボラだし、SNSの更新も苦手です(笑)
それでも16年やってこられたのは「センス」よりも「続けるための工夫」を大事にしてきたから。
今日はその話をさせていただきます。
SDGsブームの前から、「変わった店ですね」と言われ続けた
私が「さくらや」を始めたころは、SDGsなんて言葉はありませんでした。
「リユースをビジネスに?」
「しかも学生服を?」
「社会貢献と売上って両立できるの?」
当時はこんな反応ばかり。
2016年ごろから東京で、2019年ごろから地方でもSDGsが知られはじめ、
それに合わせるように
「さくらやって、SDGsですね!」と言ってもらえるようになりました。
でも正直、その頃の私は「え、これってSDGsなの…?」
とピンときていませんでした。
私がやっていたのは、
目の前の困りごとに向き合うこと
地域の人とつながりながら、できることを続けること
それだけだったからです。
日本には風潮にのる文化が少しあるな、と感じています。
企業がうちもSDGs!と掲げる一方で、現場の社員さんたちは
「で、私は何をすればいいの?」
と戸惑っていることも多い。これは、講演や協働プロジェクトの打ち合わせで、実際にたくさん聞いてきた声です。
起業や社会貢献も同じで、「何をやるか」より前に
「自分は、どう続けていくのか?」
という軸を持たないと、ブームに振り回されてしまいます。
起業のハードルは下がった。でも「継続のハードル」は上がっている
2010年の創業当時と比べると、今の起業環境は大きく変わりました。
SNSで自分の活動を発信できる
クラウドファンディングで資金も集めやすい
SDGsやソーシャルビジネスへの関心も高まっている
本当に素晴らしい時代だと思います。
「そんな考え方があったのか!」
「いつもの生活に、ちょっと工夫するだけでビジネスになるんだ!」
そう感じる、すてきなスタートアップもたくさん生まれています。
一方で、こうも感じます。
「始めること」は、昔よりずっと簡単になった。
だからこそ「続ける力」が、前よりも必要になっている。
SNSで他人の活躍が見えすぎてしまう時代だからこそ、
焦りやすい
比べて落ち込みやすい
「向いてないかも」と諦めやすい
そんな側面も、前より強くなっているように思います。
高松の小さな店から始まった「ゆるい起業支援」
さくらや高松店の創業当時、私はとにかくお客様とたくさん話をしていました。
理由はシンプルで「各学校のことを知りたかったから」です(笑)
そんな中で、子育て中のお母さんたちから、こんな相談を受けるようになります。
「私も何か始めてみたい」
「でも、本当にできるのか不安で…」
出てくるアイデアは、
裁縫教室
英語教室
工作やワークショップ
心のケア など
どれも「やさしさ」や「暮らし」がベースにある、温かいものばかりでした。

私はその想いを応援したくて、店内のハンガーポール15台を片側に寄せて、小さな「チャレンジスペース」をつくりました。

ここで意識したのは、
できるだけ、お金も労力もかけないこと
「準備が大変すぎて、2回目がこわくなる」状況をつくらないこと
です。
イベントでいちばん大変なのは「集客」です。
でも、私には毎日来てくれる親子がいる。
そこで来店された方に声をかけるだけにしました。
だから、
チラシもほとんど作らない
広告も出さない
「来てくれる人だけで開催する」
そんな、ゆるいスタイルにしたんです。
さらにルールをひとつだけ決めました。
「参加者が一人でも開催する」
これが、継続のハードルをぐっと下げてくれました。なぜなら、
人数が少なくても「失敗」ではない
「やめどき」が分からなくて苦しくなる前に、「続けやすいペース」を体で覚えられる
からです。
このときの経験が、いま高松信用金庫さんと一緒に運営している起業支援塾「キャリスタ」に繋がっています。
そして現在は、総務省の「地域力創造アドバイザー」として、地域支援にも関わるようになりました。
すべて、高松の小さな店から始まった挑戦です。
「続けるコツ」は、がんばりすぎない仕組みをつくること
起業する人がつまずきやすいのは、アイデアの良し悪しよりも
「がんばりすぎて、息切れしてしまう」
というところです。
私は起業支援や、さくらやのパートナー研修で、いつもこう伝えています。
大きな花火を上げようとしない
無理をしない
自分のペースを大切にする
この「大きな花火」というのは、
いきなり完璧なサービスを作ろうとする
いきなり大人数のイベントを目指す
といったイメージです。
徳島のさくらやパートナーとは、地域の支援について話し合う中で「ほっこりサンデー」という活動が生まれました。
規模は小さい
無理をしない
できる人が、できる範囲で
そんなスタイルだからこそ、もう6年近く続いています。
「やってみる」だけなら、誰だってできます。
でも、「続ける」には仕組みが必要です。
「続く人」と「続かない人」の違いは、ここに出る
全国の「さくらやパートナー」たちは、みんなそれぞれの地域で起業した人たちです。
「学生服リユースをやりたい」と、強い想いを持って連絡をくれます。
でも、数年たつと
続けられている人
続けられなかった人
が、どうしても出てきます。
ここからは、少し厳しめに感じるかもしれませんが、これまで見てきた「違い」をそのまま書きます。
続く人
相談が多い → 「自分で抱え込まない」のが上手
本を読む・学び続ける → 自分のやり方に固執しない
情報にアンテナを張る → 地域や社会の変化をキャッチしている
在庫管理がきちんとできる → 地味なことをコツコツできる
成長が楽しいと感じている → 「完璧」より「変化」を大事にしている
続かない人
相談がない →自分のやり方に疑問をもたない
学ぶ姿勢がない → 社会が必要とすることを理解できていない
学びにお金をかけない → 「自己投資はもったいない」と感じてしまう
アンテナが低い → 変化に気づけず、気づいたら苦しくなっている
在庫管理がぐちゃぐちゃ → 「見たくない問題」を見ないでおきがち
起業の世界では、転職のように
「やってみたけど合わなかったから、次へ行く」
という選択も、もちろんありだと思っています。
合わないフィールドで自分を責め続ける必要はありません。
ただ、
「仕事も、習いごとも、SNSも、何をやっても続かない…」
と感じているなら、それは「あなたに向いていないから」ではなく、
続け方の考え方を見直すタイミングかもしれません。
継続の土台は、「ベースづくり」と「循環思考」
私は、事業でも地域支援でも、共通して大切だと感じていることがあります。
土台が弱いと続かない。
循環がないと伸びていかない。
ここでいう「土台」とは、
自分がなぜそれをやりたいのか
どこまでなら無理せず続けられるのか
誰と組めば、一人で抱え込まずに済むのか
といった「自分のベース」のことです。
そして「循環」とは、
地域の情報
協力してくれる人
お金の流れ
感謝や応援の気持ち
学びと実践のサイクル
こういったものが、お互いに回り続ける状態のこと。
一人で突っ走るのではなく、
地域とつながる
行政や金融機関と連携する
同じ想いを持つ仲間と学び合う
そんな循環モデルを、さくらやは16年かけてつくってきました。

あなたがこれから何かを始めるなら、いきなり事業計画書を完璧にするよりも先に、
自分のベースはどこか?
どんな循環を生み出したいのか?
を考えてみてほしいと思います。
成功かどうかは分からない。でも「成長し続けること」は、自分で選べる
私自身、今でも毎日のように
アイデアを出しては
現場で確かめて
反応を見て
失敗して
修正して
を繰り返しています。
何が「成功」かなんて、正直、今の私にも分かりません。
売上? 店舗数? メディアの露出?
どれも大事だけれど、それだけでは測れないものもたくさんあります。
でも、ひとつだけはっきり言えるのは、
「成長し続けること」こそが、最大の成果
だということです。
昨日の自分より、少しだけ視野が広がっている
去年より、地域とのつながりが深くなっている
5年前より、「無理のない続け方」が分かってきている
そうやって、自分の変化を感じられると、
起業も、社会活動も、「結果」だけではない喜びが生まれます。
「始められない」のではなく「続け方がまだ分からない」だけかもしれない
もし今、
起業したいけれど、踏み出すのがこわい
社会にいいことをしたいけど、三日坊主になるのがこわい
昔も続かなかったから、どうせ私も…と思ってしまう
そんなふうに感じているなら、それは「あなたに才能がないから」ではありません。
「続けられる設計」を、まだ誰からも教わっていないだけ
かもしれません。
大きな一歩よりも「小さな半歩」を積み重ねること
一人でがんばるより「相談できる相手」をつくること
結果を急ぐより「成長している自分」を見つけること
その考え方さえ変えられたら、あなたの続かなかった過去も、きっと別の意味を持ち始めます。
最後に:現場から、地域から、一緒に「続けて」いきませんか
起業したい人へ。すでに今、何かに取り組んでいるすべての人へ。
私はこれからも、
現場から学び
地域から学び
失敗もしながら、成長し続ける
そんな姿を発信していきたいと思っています。

あなたの続かないかもしれない不安が、続けてみたい小さな一歩に変わりますように。
そしていつか、どこかで、あなたの挑戦の話を聞ける日が来たら、
それ以上にうれしいことはありません。
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講演のご依頼・ご相談は、
さくらや公式HPのお問い合わせフォームから
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などをお書きいただけると、やりとりがスムーズです。
地域の中で、
「これ、どうにかならないかな?」と思うことがある人に、
私は講演を通して、そっと背中を押したい。
あなたのまちで、あなたの仕事の現場で、
一緒に地域共感コミュニティビジネスの芽を育てていけたら嬉しいです。
