見出し画像

想いをつなぐ、くるくるフラワーが生まれるまで。〜一枚の制服から始まった、私の挑戦物語〜

「このままじゃ、うちの子に制服を買ってあげられない…」

今から15年前。3人の子どもを育てるシングルマザーだった私を襲った、切実な悩みでした。子どもの成長は嬉しいけれど、あっという間に着られなくなる学生服。その数万円の出費が、当時の私の家計にはあまりにも重くのしかかっていたのです。

「きっと、同じように困っているお母さんは、この街にたくさんいるはずだ」

自分の困りゴトは、地域の困りゴト。そう信じて、誰もやっていなかった学生服専門のリユースショップ「さくらや」を香川県高松市に立ち上げました。これが、私のすべての始まりでした。


「さくらや」は、地域の駆け込み寺

お店に来てくれるお母さんたちと話していると、話題は学生服のことだけにとどまりません。 「うちの子、最近元気なくて…」「物価高で、子どもの服を新しく買うのも大変で…」 そんな声を聞けば、じっとしていられないのが私の性分。

お店の片隅でささやかな「おやつ会」を開いたり、ランドセルが買えないご家庭のために「無料譲渡会」を企画したり。
気づけば「さくらや」は、ただ服を売買する場所ではなく、お母さんたちの不安や悩みに寄り添う、地域の駆け込み寺のような存在になっていました。

この活動は、私一人では決してできません。
集まった制服の洗濯は、障がい者就労支援施設の皆さんが丁寧に。名前の刺繍取りは、地域のおじいちゃん、おばあちゃんが生き生きと。誰かの役に立ちたいという想いを持つ地域のみんなが主役になれる。そんな「幸せのサイクル」が、さくらやの周りで自然と回り始めたのです。

嬉しい悲鳴と、「もったいない」の壁

企業や学校、自治体の皆さんもこの活動に共感してくださり、学生服の回収ボックスは全国1000ヶ所以上に広がりました。おかげで、たくさんの想いが詰まった学生服が毎日届きます。

でも、ここで新たな壁にぶつかりました。 寄せられた学生服のうち、次にバトンタッチできるのは、良くて4割ほど。残りの6割は、破れや汚れでリユースできず、廃棄するしかなかったのです。

「もったいない…」

想いを込めて託してくれた学生服を、ゴミにはしたくない。その一心で、私は次の挑戦を始めました。 繊維に戻してエコバッグなどを作る「リサイクル」も試みましたが、どうしても価格が高くなり、100円ショップの商品にはかないません。「環境に良い」と「暮らしに優しい」の両立は、本当に難しい…。

失敗は、最高のアイデアの素!

「それなら、新しい価値を生み出すアップサイクルだ!」 私は、リユースできない制服のハギレを使ったワークショップを考えました。

まず作ったのは「ハタキ」。でも、掃除で使うとハギレの糸くずがポロポロ…。お掃除どころか、ゴミを増やしてしまいました(笑)。

次に挑戦したのは、クリスマスシーズンに合わせた「リース作り」。見た目は可愛くできたのですが、準備が大変な上に、小さなお子さんには少し難しくて途中で飽きてしまうことも。

失敗の連続。
でも、子どもたちの「これ、僕が作ったんだよ!」と輝く笑顔を見るたびに、大きなヒントをもらいました。

「もっと簡単で、誰でもできて、笑顔になれるものはないかな?」 「準備も片付けも楽で、お母さんたちの負担にならないものがいい!」

ハタキ作りも、リース作りも、たくさんの試行錯誤も、何一つ無駄なことはありませんでした。すべてが、次の一歩に繋がる大切なカケラだったのです。

この想いと経験をぜんぶ、くるくるっと巻き込んで、新しい花を咲かせたい。

現在、東京を住まいとして、故郷香川のさくらや高松店とを行き来する二拠点生活をしながら、ただのリユース屋さんから「みんなでつくる循環社会のクリエイター」へ。 さくらやカナコとして、私の新しい挑戦がここから始まります。 一枚の学生服が、次はどんな笑顔を咲かせるのか。
今後の発信をどうぞ、楽しみにしていてくださいね。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集