女一人旅 × 京都Ace Hotel #3「胃袋と足が、京都を覚えている。」―コーヒーと、散歩と、パンと。―
女一人旅 #パンの構図が見えてくる。編
もう街はすっかり桜だけど、この話は梅の頃。
季節感、ちょっと遅れてます。
いろいろ、渋滞気味です…。
朝、目が覚めて、1階へ降りる。
ACE HOTELの中にある、
Stumptown Coffee。

⬆️他の都市も訪れたくなるホームページ
ポートランドの空気が、京都にそのまま置かれているみたいで、すごく好きな場所。
歴史ある建物の中に、遠い街のコーヒー文化がそっと根を張っている感じがして、なんだか不思議と落ち着く。

ブラックコーヒーを頼む。
一口で、目が覚める。
雑味のない苦さが、昨夜の余韻を静かにほどいていく。
レコードと、畳と、ワインの記憶が、すっと引いていく。

Ace Hotelとの深い絆
StumptownとAce Hotelは、共にポートランドで生まれ、20年以上にわたって「旅と日常をシームレスにつなぐ」カルチャーを共に作ってきた最強のビジネスパートナーです。
Ace Hotelがアジア初進出の拠点として京都(新風館)を選んだ際、ロビーに不可欠なピースとしてStumptownがセットで招聘されました。
なぜ東京やソウルではなく京都だったのか。
京都は日本独自の「喫茶文化」が根付く一方で、新しいアートやデザインへの感度も非常に高い街です。
これはStumptownが大切にしている「サステナビリティ」や「農家との直接取引」といった哲学を、深く理解してくれる土壌があると考えられたためです。
日本(特に京都)は一度ファンになるとブランドへのロイヤリティが非常に高く、長期的なビジネス基盤を築きやすい市場です。
京都は世界中から感度の高いクリエイターが集まる「世界のデスティネーション」です。
ここで「アジア唯一の店舗」という希少性を持たせて、アジアのハブになることで、結果的にアジア全域へのブランディング効果を狙っています。
コーヒーを飲んだら、外へ出る。
向かったのは、京都御所。
朝の御所は、静かだった。
観光ではなく、生活の時間が流れている。



ジョギングする人。犬を連れた人。
御所内の木々を整える人。
砂利を踏む音だけが響く道を、並んで歩く。



空が広い。
木が大きい。
歩く余白も、広い。
自分の外側が、少しだけひらくようだ。
梅が咲いていた。
水面に映る枝に、少しだけ立ち止まる。

愛犬も、じっと見ていた。
たぶん、鳥を見ていただけだと思うけど。
御所を出て、烏丸通を戻る。
ピンクの自転車レーンが、まっすぐ続いている。
これに沿って、次の目的地へ。

たっぷり歩いて、お腹がすいた。
本当は、ホテルで朝ごはんを食べたかった。
でも朝食のレストランは、犬連れは難しかった。
少し残念に思いながら、ふと頭に浮かぶ。
——烏丸って、パンのカリスマ的なお店があったような?
自分の食べログを開くと、すぐ近く。
普段なら、わざわざ朝に来ることはない。
でも今日は違う。
これは、チャンスだと思った。
向かったのは、
amam dacotan 京都。

一度お店に行くと、すでに行列。
そして、予約制だということを並んでいた人に教えてもらう。
少し驚きながらも、順番を取る。
※ちなみに、当日分の整理券はお店のInstagramから朝7:30〜取得できます。
待ち時間ができたので、来る途中で見つけた
ASTARTE COFFEE & PASTRYへ。
こういう“予定外の寄り道”は、だいたい当たりだ。



トーストとラテ。
バターが染みた一口と一緒に、街を眺める。
カフェの外では、観光客や仕事中の人が行き交い、
この街は、ちゃんと動いている。
一人旅の朝ごはんは、なぜかいつも、少しだけ特別だ。

あっという間に、店内はいっぱいに。
外国人に人気。
携帯に通知が届き、店へ戻る。
店内に入ると、圧巻のパンたちに心が躍った。
パンが並んでいるというより、
空間ごと作り込まれていた。
ひとつひとつが、少し過剰なくらいに美しい。



ここでは、食べるというより、“選ぶ時間”そのものに価値がある気がした。
結局、店内では食べずに持ち帰ることにした。
ホテルで食べる分と、帰りの車の中で食べる分。
この店は、パンを選ぶ時間ごと、ひとつの演出の中にあるようだった。
だからこそ、その場で消費するよりも、少し時間をずらして楽しみたかったのかもしれない。
ふと韓国で人気の、並ぶベーカリーにも、少し似ている
と思った。
たとえば、ロンドンベーグルのような店もそうだけど、
今の韓国には、あえて時間をかけてでも体験したくなるパン屋が
いくつもある。



並ぶことも、予約することも、もう前提。
それでも人が集まるのは、「美味しい」だけでは説明がつかない。
空間、導線、見せ方。
その場にいる時間すべてが設計されていて、
パンを買うというより、一つの世界観に入っていく感覚に近い。
amam dacotanにも、同じ空気があった。
ただのパン屋ではなく、
“並んででも入りたくなる理由”まで含めて完成している場所。
店を出たとき、最初に来たときの行列の見え方が、少しだけ変わっていた。
⬆️福岡からなぜ京都だったのか、の理由や、お店の全体像はこちらからご覧下さい。
amam dacotanが京都に来た理由をあとから知って、少し納得した。
古いものと新しいものを混ぜていくという考え方。
京町家という空間へのこだわり。
そして、ここをひとつの集大成にするという意思。
それはどこか、ACE HOTELが京都にある理由とも重なって見えた。
ただ出店するのではなく、
「その場所でやる意味」まで設計されている感じ。
だからなのか、どちらも
ただ滞在したり、食べたりするだけで終わらない。
空間ごと、記憶に残る。
私は普段、基本的にパンを食べない。
その代わり、旅に出たときだけ、パンを食べることを自分に許して楽しむ。
だからなのか、ひと口の解像度が、少しだけ高くなる。
味だけじゃなくて、その時間ごと、ちゃんと残る。
ホテルに戻ると、愛犬は畳の上で丸くなっていた。
その横で、買ってきたパンとStumptown Coffeeのコーヒーをひと口。
歩いた朝の余韻が、ふわりと体に残っている気がした。
バターがじわっと染みたパンを噛むたび、思わず小さく笑ってしまった。
コーヒーを飲んで、歩いて、パンを選ぶ。
ちゃんと残っている。
胃袋と、足に。
こういう時間で、できているんだと思う。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
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