決めたのは私だけど、ひとりでは決められなかった
裁量が増えた。
裁量が増えた分、求められるものが変わった。目標、指標、問題解決の筋道。賢い人たちの考えは端的で、説得力があった。同じことをやろうとすると、私のはチープになった。
自己流の限界を悟った当時、夜になると、こっそり本を漁った。以前の上司が、中国で働く数少ない日本人のために寄贈していってくれた本だ。「論点思考」。その一文に、手が止まった。
「問題を解くためには、問題を見つけなければならない。」
当たり前とも思えるこの言葉に私はこれだ、と思った。
しばらくして、BBTの問題解決力トレーニングを見つけた。サンプル動画の関西弁のおじさんが、同じことを言っていた。大事なのは、問題を見つけること。やっぱりそうか、と思った。しかも、その見つけ方まで教えてくれるという。これはノウハウじゃない、スキルだ。日本では習ってこなかったものだ。(あとで、すごい人だと知りました。)
その動画を、何度も巻き戻して見た。
生まれて初めて、自分のお金を払って学びたいと思った。
調べてみると、オンラインで動画を見て学び、提出物もある。価格は30万円を超えていた。近いものを無料で探したけれど、見つからなかった。当時、私は中国で暮らしていた。物価が違う。30万円は、相当な覚悟がないと出せない。学んだあとにどうなるのか、はっきりしたものもない。
それでも、どうしても受けたかった。
妻に話した。質素に暮らすのが好きな妻に、こんな大金を使いたいと言ったら、何と言われるだろう。反対されたら、これからの仕事をどう工夫して乗り越えようか。そんなことまで、先に考えていた。
でも妻は、ただ、こう言った。
「やってみて。頑張って。」
私にとって、人生を決めた決断が、これまでに二つありました。
一つは、妻と結婚したこと。
二つ目は、あのトレーニングを受けたこと。
そして三つ目は、これからわかるはずです。
話せる人がいたから、決められました。
あなたは、どうでしょうか。
