That's the answer. 〜気高き罪人〜(前編) 創作
愛とは信念の行為であり、わずかな信念しか持っていない人は、わずかしか愛することができない。
【エーリッヒ・フロム】
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16:07 大介
言いたい事と言葉にできる事は違う。物心がついた頃から、ひねた生き方をしてきた僕は言いたいことの半分も言葉にしない癖がついてしまった。
その悪い癖のせいで連絡が途絶え、はや数ヶ月。あの時は強がってみたけど、やっぱり僕には理沙が必要なんだ。理沙と一緒に過ごした時間が忘れられない。でも、既に理沙の中では終わっているのかもしれない。
僕らはこのまま終わってしまうのだろうか…。
それを今夜、確かめる。
理沙は一週間前に交した約束は覚えているだろうか?「約束覚えてる?今日、君が好きなパスタ作って待ってるから。」心配でラインメッセージを送信した。
きっと今夜がラストチャンス…。
理沙は僕のもとに帰って来てくれるのだろうか…。心配と不安を紛らわすように料理に取り掛かった。
同時刻:16:07 理沙
眠りながらみる夢より、覚めて見る夢のほうが何百倍も罪深いのは知っている。でも、私の浮気癖は病気みたいなものかな…。
自己嫌悪に苛(さいな)まれながら部屋のドアを開けた。部屋のドアを閉めると、まだ靴も脱いでいないのに祐司が激しく私を抱きしめた。
さっきまでのモヤモヤした自己嫌悪は一瞬で無くなり、お互いの唇を唇で甘噛みしながら重ね続けた。
彼の髪の匂い、吐息、頬…。
それらをひとつひとつ味わっているうちに、彼の形をした白い繭に呑み込まれていくようだった。
息苦しい反面、そのまま息が止まっても構わないと思うほどの心地よさ。キスをするだけで背骨がとろけそうになる。
祐司の右手が服の上から私の胸に触れ、いつもより荒々しく揉みしだく。左手は服のすそから滑り込ませブラジャーのホックを外すと意地悪に微笑みながら祐司の手は下に滑り落ちた。
16:27 大介
理沙の為に料理を作るのは久しぶりだ。
怯え、恐怖、不安…。自分でも何なのか分からないけど腹の底がソワソワする。ソワソワから逃げるようにパスタを茹でる間にデザートで出すメロンを切る。
メロンの種を指でかき回すように掻き出す。
数時間後にはこの指を理沙の中で…。
淫らな連想をしてしまった自分を恥ながら種を掻き出した。
同時刻:16:27 理沙
祐司の指は私の暗がりの奥深くで何かを探すように柔らかく緩やかに動く。かと思うと、突然、激しく早く動く。
「やぁ…ん…ダメ…」
静かな部屋に理沙の淫らな音と声が響く。祐司は意地悪に微笑み指を抜いた。
理沙はちょっと寂しいような、ホッとしたような気分で彼の肩に頭を預け大きく息をした。
16:48 大介
パスタの茹で具合を確認しながらソースを作る。ソースの味を確認すると予想以上の出来に自然と頬がゆるんだ。
きっと理沙も喜んでくれる♪
腹の底にあるソワソワが少しだけワクワクになった。そのときパスタを茹でていた鍋が噴き溢れ「うわぁ!」と声を出し驚いてしまった。
同時刻:16:48 理沙
祐司に覆い被さり、舌を這わせながら意地悪に微笑み、上目遣いで祐司を見ながら陰部を柔らかく、深く、深く、口にふくむ。
「…ぅあっ!?」祐司は思わず声を零(こぼ)し、私の頭を強く掴んだ。
「あっ…ヤバい…出っ…」
祐司は身体をお越しながら私を見た。その顔は驚いているようにも、照れているようにも見えた。
「相変わらず理沙は凄いなぁ」
祐司に一泡吹かせ嬉しくなり、彼に抱きついた。
祐司は私の髪を撫でながら額にキスをする。そのまま瞼(まぶた)、鼻筋、頬、唇、顎、首筋へと滑るように下へ下へと降りていき、意地悪な微笑みを浮かべ、さっきの仕返しをするかのようにゆっくり私の暗がりに顔を埋め、わざと、ちゅ…ちゅ…と音をたてた。
「ダメ…恥ずかしぃ…そんなトコ…汚いよぉっ…」
「ここかい?」祐司が荒い息づかいで囁(ささや)く。
私は祐司の髪を撫でながらキスをした。それが答えになる。
祐司がゆっくり私の中に入ってくる。身体の力が徐々に抜け、頭の中に霧がかかったように真っ白になっていく。
何も考えられない…ただ…彼を感じていたい…。
目を伏せず見つめ合い、お互いの温もりを確めるようにゆっくり、まったり愛し合った。
部屋を出た後、スマホを開くと大介からのラインメッセージが来ていた。メッセージを確認して腕時計を見ると理沙は慌てて走り出した。
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