That's the answer. 〜気高き罪人〜(中編)
18:30 大介
理沙との約束の時間が近づきソワソワが増す。
一服しようと窓を開けると、部屋が深呼吸するようにカーテンが揺れる。煙草に火を点け、煙草の火種をぼんやり眺めながら煙と一緒にソワソワも吐き出す。
蛍のように光る火種が僕の息遣いとは無関係に呼吸する生き物ようだ。柄にもなく自分の世界に浸る自分が可笑しくなり、誰も居ないのに照れ笑いを浮かべた。
ソワソワが少し和らいだ。
その時、約束の時間より早く玄関のチャイムがなった。
同時刻:18:30 理沙
玄関のチャイムを鳴らすが反応がない。ホッと胸を撫で下ろした。まだ夫は帰って来ていない。慌てて夕御飯の支度をする。
夜の営み以外は夫に不満はない。どちらかと言えば幸せ。今の生活を壊したくない。だから、夫の前では良妻賢母な妻でいなければいけない。
18:31 大介
理沙かと思いドアを開けた。しかし、そこに立っていたのは回覧板を持った隣人だった。回覧板を受け取り、他愛のない雑談をしてドアを閉めた。
その後、どれだけ待っても理沙は来なかった…。
落胆はなかった。
予想はしていたからだ。
しかし、孤独感には勝てず、今夜会えそうな友人知人にラインメッセージを送ると一通だけ返ってきた。
その友人と今夜会う約束を交わすと、冷えた二人分のパスタを無理やり腹に流し込み、煙草に火を点けてパソコンの前に座る。薄暗い部屋にパソコン画面の鈍い光が大介の顔を浮かび上がらせた。

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