★【戦術 走塁】盗塁を仕掛ける・成功率を高める
(このnoteでは、”強い高校野球チームを作る”方法を仮想の高校を見立て様々な角度から具体的にシミュレーションしております。野球に関わる全ての方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。)
「工藤note高校 野球部」甲子園・日本一までのチーム育成プロセス を考える|工藤康博

「盗塁」とは、投手が打者にボールを投げている間に、走者(ランナー)が次の塁に進むプレーを言います。
野球は点を取り合うスポーツで、点を取るには本塁へより多く走者を到達させることが必要になります。走者をより先の塁に進めるためには、盗塁が有効なプレーになります。
試合では、盗塁を積極的にするチームと盗塁しないチームでは相手守備に与えるプレッシャーは全く変わってきます。

盗塁は、成功すればアウトを増やさず塁を進めることができるため効率よく得点できる作戦です。ただし、盗塁死してしまうとアウトが増えて走者がいなくなるリスクも抱えています。
試合の結果・流れを大きく左右する可能性が高い作戦なので、盗塁の成功率を高めるための練習は非常に重要になります。
盗塁が出来る選手は”試合の流れをつかむことができる選手”ということになり、出場機会も増えることになります。
盗塁には、スタートの種類が大きく3つあります。
● 投手の足が上がった瞬間にスタート ⇒ 一般的な盗塁
● 投手が投げてからスタート ⇒ ディレードスチール
● 投手が投げる前にスタート ⇒ ギャンブルスタート
ここでは、投手の足が上がった瞬間にスタートする「一般的な盗塁」の話になります。

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★【戦術 走塁】盗塁を仕掛ける・成功率を高める|工藤康博🥎高校野球チーム育成 研究note
★【戦術 走塁】2塁盗塁は情報量と判断力がカギ|工藤康博🥎高校野球チーム育成 研究note
★【戦術 走塁】3塁盗塁は走力以上に準備が重要|工藤康博🥎高校野球チーム育成 研究note
★【戦術 走塁】本塁盗塁(ホームスチール)は相手のスキを突く|工藤康博🥎高校野球チーム育成 研究note
★【戦術 走塁】重盗(ダブルスチール)で一気にチャンス拡大|工藤康博🥎高校野球チーム育成 研究note
★【戦術 走塁】ディレードスチールは相手の”スキ”を狙う|工藤康博🥎高校野球チーム育成 研究note

盗塁は足が速くない選手でも十分成功可能なので、足の速さに関係なく全選手が盗塁の練習を行ないます。
その際に、盗塁成功のポイントを事前に把握するよう共有し頭に置いたうえで実践の練習を行なうようにします。
また、練習試合では積極的に盗塁のチャレンジを行ない成功するための感覚をつかむよう経験を積みます(失敗OK)。
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★【戦術 ここからスタート】戦術は勝利への地図、実行はその道筋|工藤康博
🥎 盗塁を仕掛けるケース(いつ仕掛けるか?)

盗塁は単純に”走者の足が速いから”ではなく、状況判断(確率×価値)がカギになります。足が速くなくても盗塁はできます。
盗塁を仕掛けるケース・仕掛けないケースは以下のようになります。
◉ 仕掛けると良いケース
● 0アウトまたは1アウトの状況で、得点チャンスを広げたいとき

盗塁し2塁に進塁すると、得点圏に走者がいる状況になる
● 走者が1・3塁のときの1塁走者
● (状況により)犠打が難しいが、何とか進塁したいとき
● 相手投手のけん制の動きが遅い・すぐにわかる
● 相手投手の投球テンポが遅い
● 相手投手のクイックモーションが遅い・大きい
● 相手投手のコントロールが悪い(ボール球が多い・ウエストしにくい)

相手投手を観察することが、盗塁成功の大きなポイントになる
● 相手捕手の送球が弱い・コントロールが悪い

捕手の送球は、イニング間の投球練習時に確認する
● 相手投手・捕手に疲労やミスが見えるとき
● 次の投球が変化球になる確率が高いとき
⇒ 変化球は直球よりもボールが遅くなり時間がかかる
◉ 仕掛けるのはやめたほうが良いケース
● (状況により)リスクを避けたいとき(例 大差で勝っている)
● 2アウトで、打者の打撃に期待できるとき(失敗リスクが大きい)
● 走者のリード・走力があまりない
● 相手投手のけん制の動きが速い・うまい
● 相手投手の投球テンポが速い
● 相手投手のクイックモーションが速い・小さい
● 相手投手のコントロールが良い(ストライク多い・捕手送球しやすい)
● 相手捕手のスローイングが強い・コントロールが良い
🥎 試合状況に応じた盗塁の判断
盗塁は「チームのため」であることが基本であり、試合の流れや状況を正確に判断し最も効果的なタイミングで仕掛けることがポイントになります。
基本は走れる走者のときは積極的に仕掛けますが、
サインでの盗塁ではサインを出す監督が
単独盗塁の場合は走者が
的確な状況判断をし盗塁を仕掛けることが重要です。
◉ 相手投手

1塁走者の場合、走者を正面に見る左投手より背中越しにしか見えない右投手の方が盗塁を仕掛けやすいです。クイックモーションが出来ていない・緩い変化球が多い投手 の場合は特に有効です。
また左投手の場合、クセを見抜けているかどうかが重要です。クセを把握していない状態で一か八かスタート(ギャンブルスタート)で盗塁する場合は、2アウトに行なうと良いです。
2塁走者の場合、走者を見やすい右投手より背中越しにしか見えない左投手の方が盗塁を仕掛けやすいです。
◉ 相手捕手

相手捕手の肩は、盗塁の成否に大きな影響をおよぼします。
イニング毎の投球練習後の2塁送球で、送球の強さだけでなくコントロール・構え方・送球に入る際の足の運び・送球体勢の速さ・配球の傾向なども見て盗塁が可能かどうか?判断しておきます。
◉ 打者

捕手から見たときに、左打者だと1塁走者の動きが見えにくく送球しにくいため2塁盗塁を仕掛けやすくなります。
同じく捕手から見たときに、右打者だと3塁への送球がしにくいため3塁盗塁を仕掛けやすくなります。
打者の特性としては、
● 長距離打者
長打が期待できるため、盗塁の必要性は低い(進塁しなくても本塁に生還できる)。
ただし、相手バッテリーが打者に集中しけん制を怠る傾向もあり盗塁のスキが出る可能性も高い。
● 中・短距離打者
盗塁し得点圏に進むことができれば、単打で本塁に生還できる可能性が高くなる。
という考え方になります。
◉ イニング・点差別

≪僅差の接戦≫
接戦のときは(特に終盤では)より1点が重くなります。
リスクは避けたほうが良い状況なので、より成功の確率が高い場面で仕掛けます(失敗は命取りになる可能性がある)。
≪点差が開いている≫
1点が試合展開に大きく影響しないため、あまりリスクはない状況です。積極的に盗塁を仕掛けて問題ありません。
ただし、大量リードの場面ではマナーとして盗塁しないということも頭に入れておくべき事項です。
◉ アウトカウント別

≪0アウト≫
0アウトで出塁した走者が盗塁失敗でいなくなると、絶好のチャンスを逃しチームにとって大きな痛手となります。またこの状況では(1塁走者・2塁走者の場合のいずれも)送りバントを選択する可能性も高いです。
より確実に成功できる場面(走者の足の速い・投手のクセを盗んでいる・捕手の肩が弱い…)で盗塁を仕掛けます。
≪1アウト≫
1塁走者の場合は送りバントという方法もありますが、盗塁成功で得点圏に進むことで単打で得点につながる可能性が高くなります。積極的に盗塁を狙います。
2塁走者の場合は、もともと得点圏にいるため確実に成功できる場面でない場合は無理して狙う必要はありません。
盗塁だけでなくヒットエンドラン・ランエンドヒットと打撃に絡めた戦術を仕掛ける方法もあります。ランエンドヒットでボール球であれば、そのまま盗塁の形にする方法もあります。
≪2アウト≫
1塁走者の場合、長打でないと得点に結びつかないためリスク承知で盗塁するのは良い方法です(成功すれば単打で生還出来る可能性が高くなる)。
また盗塁に失敗すると3アウトでイニング終了となるため、打者のタイプ・状況よって変わってきます。打者に期待するか?走者に期待するか?の判断が重要です。
長打が狙える打者 ⇒ 盗塁せず、長打での生還を狙う
長打が難しい打者 ⇒ 盗塁し得点圏に行くことで単打で生還を狙う
打者が1番打者 ⇒ 盗塁しアウトになっても次の回は1番から
打者が9番打者 ⇒
盗塁せず打席を完結、アウトになっても次の回は1番から
(打者のカウントが)
追い込まれているカウント
⇒ 盗塁アウトでも次イニングで0-0のカウントから始められる
有利なカウント ⇒ 打者が好球を狙いやすいので、盗塁は狙わない
◉ カウント別

基本の盗塁を成功させやすいタイミングは「投手が打者に集中しやすくなる」タイミングになります。
≪初球・2球目≫
走者に盗塁の自信がある場合は、初球・2球目に仕掛けることで早めにチャンスが拡大 打者の打撃・チームの戦術に以降選択肢を増やすことができます。打者も盗塁待ちで見逃してもまだ1ストライクであれば、そこまでプレッシャーとなりません。
盗塁は、基本早めのカウントで仕掛けるほうが良いです。
≪ボール先行 1-0 2-0≫
投手がストライクを取りに来る確率が高いため、盗塁警戒でウエストする等はほぼないことが想定されます。盗塁を狙えるカウントです。
≪ストライク入らない 3-0≫
ほぼ確実に四球になるため、盗塁の必要性が低いカウントです。無理に仕掛ける必要はありません。
≪ストライク先行 0-2≫
打者が三振し盗塁を仕掛けた走者もアウトになると併殺になるリスクがあり、盗塁は慎重になるカウントです。
ただし、このカウントは当然投手が三振を取りたいカウントです。三振を取る決め球が変化球の投手の場合は球速が遅い・ワンバウンドになりやすい ことがあるため盗塁はしやすくなります。
≪フルカウント 3-2≫
投手が四球を出さないようストライクを取りに来るため、盗塁を狙えるカウントです。
ただし、打者三振・走者アウトだと併殺になるリスクもあります。
※ 2塁走者の3塁盗塁はいつでも良い
2塁走者の場合、捕手が投手に出すサインはよく見える角度になります。

サインを盗んで味方の選手に伝達することはしてはいけないですが、自分の情報として活用することはルール上問題ありません。
サインを見て変化球だと把握できたときは盗塁の成功率を高めるチャンスなので、カウントにかかわらずスタートを切ることを考えます。
※ オートスタートになる盗塁
走者が詰まっている状況で ”2アウト 3ボール2ストライク” の場合は、走者は必ず盗塁のスタートをしなければいけません(オートスタート)。


上記のケースがオートスタート対象です。盗塁と同様の形で必ずスタートをきります。
🥎 盗塁を成功させる要素 足の速さだけではない

盗塁の成功は、速く走るだけでなく以下の能力が要素としてありこれらを総合したもので決まってきます。
● メンタル:盗塁は勇気がいる戦術のため、
失敗の恐怖より成功のイメージを持つ意識
● 準備:試合の中で盗塁成功に必要な情報を収集し準備する
● リード:けん制されてもベースに戻れるギリギリのリード幅
リラックスした状態でスタートを切れる構え
● スタート:投手が投げると同時に走り出すスタートの良さ
● スピード:基本的な走力(足の速さ)
● スライディング:スピードを殺さずにベースに駆け込む技術
投手の投球速度・捕手の送球速度も影響しますが、走者として自分のベストで走ることが重要です。
🥎 盗塁を仕掛けるまでの前準備

盗塁の成功は、事前の準備が大きなカギを握っています。主に相手投手・バッテリーからより良いスタートをきるための情報を取ることも重要です。
◉ 試合前・試合中にできる準備
試合前のプルペン投球や試合前の練習の中でおおまかなタイプを掴んで試合に挑むと、序盤からより精度の高い走塁判断ができるようになります。
● 相手投手のタイプはどうか?
(速球主体・変化球主体・配球パターン)
⇒ 以上、ベンチで傾向を見つけるアクションを進める
● 相手投手の投球テンポ・モーションはどうか?
(挙動・クセ・予備動作)
● 相手投手のけん制の動きはどうか?
(速さ・わかりやすさ・クセ・予備動作)
● 相手捕手のスローイング・コントロールはどうか?
⇒ 以上、ベンチでタイムを計測し傾向をつかむ
● 内野手の動きはどうか?
(2塁盗塁→二塁手・遊撃手 3塁盗塁→三塁手)

二塁手・遊撃手のどちらがベースに入るか?動きは素早いかどうか?
※ 特に予備動作からクセ・セットの持ち時間を見つけることができると大きい
投手のクセ・セットの持ち時間は、主に予備動作(投げ出す初動の動き)から見つけることができます。見つけることができると、以降の盗塁の成功に大きく影響を及ぼすことができます。

≪初動から見えるクセの例≫
● 投球動作に入るとき、重心がやや軸足の内側に数cm動く
● 開き気味にセットを取る ⇒ 初動が肩になる傾向がある
● けん制のとき、体ごと一塁へ倒れてから牽制する。
● 首が動く回数が決まっている。
⇒ 特に2塁走者からははっきりと見える。
● セットしてから動き出すまでの持ち時間が決まっている
このように、重心移動・肩の動き・グラブの動き 等からクセ・セットの持ち時間を見抜くことができれば、投球する前にホームに投球か?けん制か?いつ投げだすのか?把握できるようになり盗塁のときのスタートをより早く切ることができます。
当然、投手もクセ・セットの持ち時間を意図的に変えて工夫してくることが考えられますが、緊張感が高まる場面や連打されピンチを作った場面では余裕がなくなり、投手は本能的に打者に意識が集中しがちになります(早く緊張から解放されたい・アウトを取りたい)。そういうときは無意識のクセが出やすくなるため有効な情報になります。
高校野球の場合事前データがあまりないことが多いので、試合の中で観察し徐々に見抜いていく形です。普段の練習試合から意識して注視することで、クセを見つける目が養なうことができます。
◉ 走る直前の準備
● (走者が送る合図を決めている場合は)合図を出しているか?
● リードは適切な幅になっているか?
(盗塁時とそうでないときはあまり変えない 投手に合わせて調整)
● けん制に素早く戻れるような姿勢になっているか?
※ 打者がわざと空振りする等 捕手が送球しにくくする
(送球を遅くする・送球を逸らす)盗塁サポートをするべきか?は
あらかじめ打者が判断するかベンチからサインをだしておきます。
🥎 投手のモーション・動きから盗塁の可否・スタートタイミングを見極める
盗塁の成否は、投手のわずかな動きの変化をどれだけ早く察知できるかにかかる比重が大きいです。捕手の動きも含めしっかり見て冷静に観察をします。
◉ 「投球」と「けん制球」の違いをつかむ
投手がセットポジションに入ってから、「本塁に投球する」と「けん制球を投げる」では体の動きに必ず違いがあります。これを見抜くのが盗塁成功の大きなポイントになります。
以下、違いが出る動き例になります。ここをチェックポイントとして相手投手の動きを見ていきます。
走者になってから見るのではなく、試合中はベンチメンバー含め全員で目を凝らして観察し、違いが見えてきたらその情報を全員で共有します。
● 視線の動き
投球の際は、捕手のサインに集中し本塁方向を見る
けん制の際は、走者をチラ見することが多い
● グラブの位置
投球の際、グラブが僅かに上を向く・沈み込む
● 軸足の膝の向き
投球の際は、軸足の膝が打者方向を向く
けん制の際は、そのままになる
(例 右投手で走者1塁の時、三塁側に向いたままになる)
● 呼吸の間合い
投球の際は、直前は一瞬呼吸を止める間合いがある
けん制の際は、較的スムーズに動作に入る
●「首」の動き
投球の際は、首をほんのわずかに動かす
◉ 投球動作開始のタイミングをつかむ
セットポジション後投球動作が始まるタイミングの場所(最も早く体が動く瞬間)を見極めことで、より速いスタートをきることが可能になります。
最も早く体が動く瞬間は、
投手が重心を移動させ始める・腕を振り始める 等、
その場所を見つけることで、走者がそこを見ておけばスムーズにスタートをきることができるようになります。
≪動作開始の瞬間を捉える反応速度≫
投手が投球動作開始でわずかに動いた瞬間にスタートを切る練習は、繰り返し行ない身につけておくことが重要です。
反応速度は、視覚情報だけでなく聴覚情報(例 捕手がミットを構えるときに叩く音)も活用することで、さらに高めることができます。
◉ (左投手の1塁けん制の場合)ボールをリリースする瞬間の投手の手首・視線を見る
左投手の1塁けん制の場合は、動き出しだけで判断することが難しいのでボールがリリースされる瞬間までの投手の動きを見て判断することが必要になります。
リリース直後の手首の角度・視線(捕手に向かうか?1塁に向かうか?)がスタートの判断材料となることもあります。
🥎 捕手の肩の強さ・配球パターンから盗塁の可否を見極める
盗塁は投手だけでなく、捕手との心理戦でもあります。捕手の特徴を把握し、逆手にとることで成功率を高められます。
◉ 捕手の肩の強さを事前リサーチ
一般的に送球タイムが2.0秒を切る捕手は強肩とされていますが、肩が強くてもコントロールが悪い・送球動作が大きい 等がある捕手もいるため、総合的に盗塁可能か?を判断することが重要です。
過去の試合データは残って入れば事前に確認します。ただし、データがない場合は試合前練習での送球をチェックして相手捕手の肩の強さや送球タイムを把握しておきます。
◉ 配球パターンを把握し、変化球のときに狙う
盗塁を仕掛ける際、打者への配球パターンも重要な判断材料です。
● 直球(ストレート)
捕手が捕球しやすく、送球動作にスムーズに入れます。
● 変化球
特にカーブ・フォークなど、緩い変化球・ワンバウンドする可能性のある球種は、捕手が捕球に時間を要する・体勢を崩す可能性が高いです。
● ボール球
明らかなボール球の場合、捕手はワンバウンドに備えるなど送球体勢に入りにくくなる可能性が高くなります。
◉ 捕手の構えや足の位置から送球のタイミングを読む
捕手の構え方や足の位置でも、盗塁の可能性を探ることができます。
● 構え
盗塁に備えて構えに通常とは変わる場合があります(わずかに重心を前にする・後ろにする 等)しているかなど。
また、球種によって構えが変わる場合もあります。
● 足の位置
盗塁を仕掛けられたときの二塁送球に備えている場合があります(足が開き気味・狭くしている 体重移動をしやすい体勢になっている 等)。

🥎 盗塁の成功率を高めるための普段の準備
◉ 自分の塁間タイムを把握する

自分が何.何秒で塁間を走ることができるか?を練習の段階で把握しておきます。
その数字がわかっていると相手バッテリーの投球→捕球→送球のタイムを測定することで、盗塁をした場合にセーフになるか?アウトになるか?が想定でき、仕掛けた盗塁の成功率を高めることができます。
◉ 盗塁成功の目安タイム(2塁盗塁の場合)を知る
守備側が盗塁をアウトにするためには、3つの工程の時間をより短くする必要があります。この合計タイムよりも早く2塁に到達すれば、盗塁の成功確率を高めることができます。
≪① 投手がモーションに入り投球し、捕手がボールを捕るまで≫
投手がクイックモーションで投球を行なった場合は、1.1〜1.3秒ほどで捕手が捕球します。クイックモーションでなければ、もう少し時間がかかります。

≪② 捕手がボールを2塁に送球し、2塁にいる野手がボールを捕るまで≫
速い捕手だと1.8〜2.0秒ほどで2塁にいる野手が捕球します。

≪③ 野手がボールを捕ってから走者にタッチをするまで≫
捕手からの送球がタッチしやすい場所に来るか?来ないか?で大きく変わりますが、0.1〜0.5秒くらいかかります。
この3つの工程で一番短い時間を足した場合 1.1+1.8+0.1=3.0秒 となりますが、これはすべてが完璧にできたときのタイムになります。高校野球の場合すべての工程(クイックモーション・2塁送球)が完璧に行くことはなかなか少なく、また変化球の場合はさらに時間がかかることが想定されます。
また、3つの工程で一番長い時間を足した場合 1.3+2.0+0.5=3.8秒 となりますがこれよりもさらに時間がかかるケースも十分考えられます。
走者はこれらのタイムよりも早く2塁へ到達をしていれば良いので、このタイムを目標に盗塁の練習をしていくと良いです。高校野球であれば、3.4秒くらいの2塁ベース到達タイムでも、十分ではないか?と考えます。
試合では、計測した2塁到達タイムが3.4秒よりも短い選手であれば積極的に盗塁を仕掛けることを考えます。
◉ スタートを速くする
盗塁を成功させるためには、良いスタートをきることが重要なポイントで、そのために十分な準備が必要です。
【投手のモーションをよく見る】

投手のフォーム・投球モーションの入り方・けん制のタイミングは人それぞれで、人間なのである程度パターンが決まっています(例 3球続けてけん制しない…)。完璧にモーションを盗むことができなくても、けん制のパターンをある程度把握できるとスタートが切りやすくなります。
そのパターンを知るためには、(試合の中で)けん制を多くしてもらう必要があります。リードを大きく取って意識は戻ることに重きを置きます。そうすれば、けん制をアウトにならずにもらうことができます。けん制が多くなると、モーション・パターンが把握できてきて盗塁のスタートが切りやすくなります。
【スタートしやすい姿勢をとる】
盗塁が「スタートしやすい姿勢」は選手によって違うものなので、練習・練習試合の中で自分が一番スタートしやすい姿勢はどういう姿勢なのか?把握しておく必要があります。
例えば、盗塁する時の意識として
● リードを大きく取り、戻ることに意識を大きくおきながら盗塁
● リードを小さく取り、スタートをきることに意識を大きく傾け盗塁
という感じで、人それぞれ違ってきます。
スタートの構えも意識によって変わってくるのですが、基本的には「地面からの反発を一番もらいやすい姿勢」を取ることになります。けん制で戻る・盗塁のスタートをきる のいずれも、地面を強く踏ん張りその反発をもらうことが必要です。そのために自分が一番良い姿勢を練習・練習試合でハックしておくようにします。
【最初の3歩でトップスピードに乗る】

スタート後すぐにトップスピードにのる必要があります。目安としては、最初の3歩までにトップスピードにのるイメージで走り出しを行ないます。
【最短距離を走る】
より早くベースに到達するためには、最短距離を走ることが基本になります。例えば2塁盗塁であれば、1塁ベースと2塁ベースを結ぶ一直線上を走ります。
【スライディングは緩めない・すぐ起きる】

スライディングの際はスピードを緩めず(スピードを落とさず)スライディングし、ベースについた足を軸に素早く起き上がります。送球が逸れる等次の塁を狙うチャンスがあるときにすぐ対応できるようにするためです。出来ます。
🥎 盗塁を絡めた戦術
単純な盗塁だけでなく 複数走者・打者と走者 による戦術もあり、その場合は、より複雑なチームプレーになります。事前にチームとしてサインを決め、それぞれの動きに関し共通認識を持っておくことが重要です。
◉ 重盗(ダブルスチール)
走者が 1・2塁や1・3塁の場合に、二人同時に盗塁を仕掛ける戦術になります。相手の送球を分散させる・送球ミスを誘う 等の効果があります。
◉ ヒットエンドラン
打者が必ず打ちに行くことを前提に、走者がスタートを切る戦術です。
打者が安打を打てば走者が2つ進塁できる可能性が高くなり、凡打でも1つ進塁できる可能性が高いです。打者が空振りした場合は、通常の盗塁と同様の動きになります。
🥎 盗塁のトレーニング方法
盗塁を練習する際は、リード・スタート・スライディングの動きをそれぞれ個々で繰り返し練習し、その後一連の動きとして行なう形で実践形式の盗塁練習(投手・捕手を入れて、投球に合わせスタートし盗塁)を行なうと効果的です。
◉ 初動トレーニング
● 反応ステップ練習(コーチの合図で1歩ダッシュ)
● 腕振りと膝の引き上げを同時に行うアクセルトレーニング
● 3歩加速の反復練習
● ランダムな合図に合わせ、10m全力ダッシュ&反応練習
◉ リード・戻りトレーニング
● けん制を想定し、戻るスピードを上げる
● 1歩目の方向性(ベースへ最短で戻る角度)を体に覚えさせる
◉ 投手のモーションを読むトレーニング
● 右投手・左投手の初動を識別
● 投手役が様々なテンポでセット、
けん制・クイックのレパートリーを混ぜ判断・スタートの反応
◉ 実戦形式
● 実際に投手・捕手がいる中で盗塁を仕掛ける。
捕手の送球を繰り返し経験し、視覚的な判断力を上げる。
● 遊撃・二塁もタッチ動作を加え、試合と同等のプレッシャーを再現
🥎 盗塁は”チーム力”で決まる
以上のように、盗塁は走者の技術だけではありません。チーム全員が盗塁成功のための仕組みを理解すると成功率は大きく上がります。
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