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★【戦術】走者1塁での戦術選択(攻撃時)

(このnoteでは、”強い高校野球チームを作る”方法を仮想の高校を見立て様々な角度から具体的にシミュレーションしております。野球に関わる全ての方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。)
「工藤note高校 野球部」甲子園・日本一までのチーム育成プロセス を考える|工藤康博

🥎 ケースに応じた戦術選択

攻撃は相手投手との兼ね合いもあり、常に打って点が取れるとは限りません。しかし、得点を取らなければ勝つことはできません。特に1回負けたら終わりとなるトーナメントでは、相手投手が素晴らしい投球をしていても少ないチャンスで効率良く得点を取ることを考える必要があります。

野球は”間”が多いスポーツのため、その都度次のプレーについて考える時間があります。この時間を有効活用し、現在のケースではどの戦術が有効か?考えて選択することで、得点が取れる・取れない は大きく変わってきます。

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出塁・進塁のケースは全部で8通り(アウトカウントでさらに分類すると24通り)あり、それぞれ考え方が変わってきます。
選手がいざという時に迷わないよう、シーンごとの考え方をまとめミーティング等の場を使いながら認識を深めていくと戦術の精度を高めることができます。(約束ごと 共有事項)

↓  戦術に関する項目は、こちらから!
★【戦術 ここからスタート】戦術は勝利への地図、実行はその道筋|工藤康博

🥎 走者1塁 のケース

特に0・1アウトの場合、戦術の選択肢が非常に多くなるため打者・走者・相手投手・状況(流れ)等を加味し適切な選択をすることが、勝利に近づくためのカギになります。

◉ 送りバント

送りバントは自分はアウトになっても走者を前の塁に進めることで、チームを勝利に結びつけるために行なう戦術です。
相手守備陣も走者をアウトにとるべくバントシフトを敷いてくることが多いので、そのプレッシャーの中で決める必要があります。”絶対にできる!”という技術の裏打ちがここぞの場面でモノをいうので、十分な練習量を積むことが重要になります。

また、特に高校野球では0アウト(1アウト)のときに送りバントをするケースが非常に多いので、バントの技術にプラスして考え方も頭に入れておきたいところです。

≪まず相手の守備位置を確認≫
打席に入りバントの構えをする前に、相手の守備位置を確認します。

≪基本は1塁側へバントする≫
バント対応でどのような守備位置を取るか?確認するのは一塁手・三塁手になりますが、
● 三塁手は3塁ベースにこだわる必要がなく、思いっきり前進できる。
● 一塁手は1塁走者がいるためベースについており、
               前進が三塁手よりも遅れ気味になる。
ことから、基本は1塁側に転がすほうがバントの成功率が上がります。

≪初球決めることに集中する≫
送りバントは初球で決めると味方の攻撃にリズムを与えます。またバントに対する走者の動きはなかなか難しいため、何球もかけずに早めに決着をつけたほうが良いです。
送りバントはストライクバントになりますが、基本は初球に1球で決めることを意識します。

≪極端なバントシフトのときは1球見送る≫
相手守備陣が極端に前進するバントシフトを取ってきたときは、バントの構えで初球を敢えて見送る(エバース)ことも有効です。1球見送られたことで、守備側は「次はバントでないかもしれない…」と考え極端なバントシフトが取りにくくなります。
見送るときのポイントは、見送った際一塁手と三塁手がどのくらい前進してきたか?を確認することです。また、戻った後の守備位置が初球よりも下がるようならバント以外の作戦を警戒している…となるので、次の球でバントしやすくなります。

◉ バスター

相手守備が極端に前進するバントシフトを取ってきたときは、バスターが有効になります。

サインで行なうときもありますが、打者の判断でバントからバスターに切り替えることも有効です。

≪打つ方向の狙いを定めて打ちに行く≫
バスターは一塁手・三塁手が前進してきたところを打ちに行くため、正面に打つと余計にアウトになる確率が高くなります(場合によって併殺の可能性)。どの方向に打つか?事前に考えを決めバットを振ります。

走者1塁のときのバスターは、三遊間を狙うと安打になりやすいです。
下図のとおりバントシフトで三塁手は前へダッシュ、遊撃手は2塁ベースカバーに動くため三遊間のヒットゾーンが広がります。

三遊間は完全に空く

2塁ベース右側(二塁手側)も広く空きますが、この方向は遊撃手が捕球し併殺になる可能性があります。

また、一塁手・三塁手が極端に前進してきた場合はその足元を狙って打つのも有効です。

◉ プッシュバント

相手守備が極端に前進するバントシフトを取ってきたときは、プッシュバントが有効になります。
試合が接戦のとき・試合終盤で走者を2塁に進めたくないとき 等は、2塁封殺を狙いバントシフトを取ることがあるので、プッシュバントが成功すれば0アウト1・2塁とチャンスを広げることができます。

≪狙いを定めてバントする≫
プッシュバントは、前進してきた守備陣の前に転がすと余計に2塁封殺の確率を上げるリスクが伴った戦術です。そのため、コースをしっかり狙って行なう必要があります。

バントシフトは一塁手・三塁手(・投手)が前進してきます。特に投手・一塁手は三塁手に比べスタートが遅れるためその分勢い良くダッシュしてするので横の動きに対応しにくくなり、その間となる二塁手の方向を狙ってプッシュバントをすると成功の確率が高くなります。

しっかり狙いを定める

仮に二塁手が取りやすいバントになったとしても、二塁手がボールを捕りに行くと1塁ベースカバーがいなくなり打者走者をアウトにすることができません。
そのことを踏まえ、投手と一塁手の間に転がし二塁手に捕らせるイメージで転がすと良いです。

◉ バントエンドラン

送りバントの際、投球と同時に走者がスタートするヒットエンドランのバント版になります。

≪仕掛けやすいケース≫
相手守備が
   2塁盗塁のとき、ベースカバーを右打者のときは二塁手、
           左打者のときは遊撃手として固定 
としている
場合に、打者が右打者であれば仕掛けやすいです。

ベースカバーを上記のように固定している場合、打者が右打者で1塁走者がスタートを切ると2塁ベースには二塁手が入ります。そこで一塁手に捕らせるようなバントをすると、二塁手が1塁ベースカバーに入ることができないためベースが空きます。

1塁走者・打者走者とも生きる(オールセーフ)の形になる可能性が高く、0アウト1・2塁とチャンスを拡大できます。

ここで相手守備が
     2塁盗塁のとき、ベースカバーを遊撃手として固定
している場合バントをした打者走者はアウトになる確率が高いですが、1塁走者は安全に2塁に進塁できます。
また、相手が守備に自信を持っており”バントをさせてアウトに取る”ような投球(ストライクを取りに行く)をしてくるようであれば、安全に1塁走者を進めるためにもバントエンドランは有効です。

≪打者は必ずバントをする≫
バントエンドランはヒットエンドランと同じ考え方になるので、投球のストライク・ボールに関わらず必ずバントをします(見送ると単独盗塁の形になり、アウトになる可能性が高い)。
もし投球がフェアにしにくいボールの場合は、ファールにして逃れます。

≪3塁まで狙うことも可能≫
相手守備の状況により、1塁走者が一気に3塁まで狙うよう仕掛けることができます。
バントを3塁側に転がすと、バント処理は投手・三塁手が行ないます。このとき捕球しなかった方が3塁ベースカバーに入りますが、その対応ができないと3塁ベースが空き1塁走者が一気に3塁進塁することができます。もし打者走者が1塁でアウトになってもチャンスが広がります。

≪フィルダースチョイスを狙うバント≫
フィールディングに自信のある投手はバント処理でタイミングがギリギリであっても2塁送球することが多いため、あえて投手の正面に転がし2塁送球させフィルダースチョイスを狙う 方法もあります。
試合の中で相手投手の動きを事前に確認しておくことがポイントです。

≪警戒している場合は戦術を切り替える≫
相手守備が盗塁・バントエンドランを警戒して場合はきた場合、二塁手が2塁ベース寄りに守り一二塁間が空くため、そこを狙ったヒットエンドランに切り替える方法も有効です。

◉ 盗塁

”いつでも盗塁してくるチーム”というイメージがあると、相手バッテリーは常に走者に気を配る必要があり打者に集中できなくなります。
アウト・セーフが試合の流れを変える影響もありますが、試合のイニシアチブを握るために有効な戦術です。

≪カウント・配球を見て仕掛ける≫
盗塁を仕掛けるタイミングは、カウント・配球から判断することが多いです。
 カウント ⇒ ストライクを取りに来るカウントを狙う
ボールが先行したカウントでは投手はストライクを欲しいため、盗塁を警戒していてもウエストが出来なくなり仕掛けやすくなります。
逆にストライクが先行しているとボールを投げる余裕があるため、仕掛けにくくなります。
 配球 ⇒ 緩い変化球・捕手が送球しにくい球種のときを狙う
投球が捕手に届くまで時間がかかればかかるほど盗塁は成功しやすくなるため、緩いボール(変化球)のときは仕掛けやすくなります。
また、落ちるボールは低め・ワンバウンドになることが多く捕手が捕球後スローイングの体制を作るのに時間がかかり、仕掛けやすくなります。

≪投手のクセを見抜いて仕掛ける≫
投手のクセは、特に初見の投手と当たることが多い高校野球では見抜くのが難しいですが見抜くことができれば大きな武器となります。
投手のセットポジションをベンチ入りメンバー全員で観察し、何か特徴はないか?探っておくことが重要です。

◉ ディレードスチール

通常の戦術よりも、意表を突く奇襲の色合いが強い戦術になります。

≪捕手・二塁手・遊撃手の動きを見て仕掛ける≫
成功確率を高めるために、試合の中で捕手・二塁手・遊撃手の動きをチェックしとっさの動きが出来なさそうなときが仕掛けるタイミングです。
また、捕手の2塁送球がバラついているようであれば乱れる可能性が高いので有効になります。

≪失敗したときはすぐ1塁に戻る≫
もし早い段階で捕手に気づかれてしまったときは、そのまま2塁に進み2塁送球をさせます。送球と同時に1塁に戻ればほぼセーフになるので、失敗のときはこの方法で仕切り直しをします。
ただしこのとき捕手が送球の”ふり”をすることがあり、1塁に戻っても送球されアウトになるので注意が必要です。

◉ ヒットエンドラン

決まれば効果が高い戦術ですがその分リスクも高く(例 ライナーのときは併殺になる)、チャンスをつぶす可能性もあります。
試合が膠着状態でゲームを動かしたいとき・流れが悪くその流れを変えたいとき に仕掛けることがが多い戦術です。

≪バットに当たやすいボールが来るカウントで仕掛ける≫
ヒットエンドランは必ずバットにボールを当てる必要があるため、当てやすいボールが来る可能性が高いカウントで仕掛けると良いです。
 ● ストライクが欲しいカウント
   ⇒ ボール先行のカウントは、ストライクが欲しいでチャンスです。
 ● 直球を投げるカウント
   ⇒ 上記同様ストライクが欲しいときは直球が増えチェンスです。

≪(事前に)打球を転がすコースを決めておく≫
ヒットエンドランは打球のコースが成否に大きく影響するため、打席で構える前に”どこを狙って打ちに行くのか?”事前に決めてから構えるようにします。
ヒットエンドランでは1塁走者がスタート切るため、二塁手・遊撃手は盗塁の対応で2塁ベースカバーに走ります。そのため二遊間は狭くなり一二塁間・三遊間は広がります。この広がったゾーンを狙って打つと良いです。
(逆に狭まったところに打つと併殺になる可能性がある)打球はゴロを転がすようにします。

またこのときに、盗塁を仕掛けた場合二塁手・遊撃手のどちらが2塁ベースに入るか?事前にわかっていると、2塁ベースに入る方のコースに狙って打てばヒットの確率がより高くなります。

◉ ランエンドヒット

ヒットエンドランと違い、打者が必ず打つ必要はありません。1塁走者のスタートを視野に入れ、
     スタートが良ければ打たない・悪ければ打ちに行く
また、
  ボール球なら打たない・ストライクでも狙い球でなければ打たない 
と選択することができます。
そのため、通常は1塁走者の動きが見えやすい右打者のときに仕掛けます。
          (左打者は1塁走者の動きが見えないため難しい)

≪(事前に)打球を転がすコースを決めておく≫
ヒットエンドランと同様に、打席で構える前に”どこを狙って打ちに行くのか?”事前に決めてから構えるようにします。転がすコースはヒットエンドランと同様です。

≪1塁走者は盗塁と同様のスタート≫
打者は打たない可能性があるため、1塁走者は盗塁と同様の意識でスタートします(打者が見送れば単独盗塁となる)。
ただし打球がフライ・ライナーのときは戻らなくてはいけないため、打者のインパクトの瞬間・打った打球を見るようにします。

≪確実にゴロを打つ≫
ランエンドヒットは打てるボールのみ打てば良いため、確実にゴロを転がすようにします。逆にフライやライナーを打たないよう注意が必要です。


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