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★【投手】投げるスタミナ

(このnoteでは、”強い高校野球チームを作る”方法を仮想の高校を見立て様々な角度から具体的にシミュレーションしております。野球に関わる全ての方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。)
「工藤note高校 野球部」甲子園・日本一までのチーム育成プロセス を考える|工藤康博

高校野球の投手にとってのスタミナとは、単なる”長距離走の体力”ではなく、
 ● 1試合投げ切る・長いイニングを投げることができるスタミナ
 ● 連投をこなせるスタミナ
 ● 大会期間中ケガなく投げ切るスタミナ
というところになり、このスタミナを高めるトレーニングが必要になります。

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スタミナとは”粘り強く・正確に・何度でも繰り返せる能力”であり、これは才能でなく積み重ねで誰でも手に入る…という考え方を浸透するよう、必要に応じミーティング等で話を入れていきます。
その上で、必要なスタミナは投手の役割・特性によって変わってきます。

闇雲になんでもトレーニング…ではなく、必要なポイントを理解した上でそこを中心のトレーニングを日々の練習の中で取り入れるようにします。

↓  投手に関する項目は、こちらから!
★【投手 ここからスタート】”試合を支配する”投手を増やす|工藤康博

”スタミナ・持久力”の種類

投手に求められる投げるスタミナは、以下A・B・Cのように分類できます。持久力とは、身体活動を疲労することなく長時間に渡って維持し得る能力 のことをいいます。

A ⇒ 全身持久力(持久的スタミナ)

長時間体を動かし続けられる基本的な力で、筋肉や心肺が疲労で機能しなくならないような基礎的な持久力が必要です。
鍛える方法はいわゆる有酸素運動になります。筋力の強化でなく、脂肪燃焼・筋肉の分解・呼吸循環器系によるスタミナ強化が主な効果です。
循環器系に過度の負荷をかけずに、少なくとも1回30分以上の持続が可能なレベルの運動です。

B ⇒ 筋持久力(局所的スタミナ)

同じ動作を何度も繰り返すとき筋肉が疲れにくくする力です。筋持久力は2種類あります。
● 動的筋持久力 ⇒ 一定の動作を一定のリズムで繰り返す・一定の負荷を一定のリズムで持ち上げる持久力。
● 静的筋持久力 ⇒ 重りを持ち上げたままその状態を維持できる持久力。
投手は同じ投球フォームを反復するため、特に肩・肘・体幹・股関節まわりの筋持久力が重要です。

C ⇒ 集中力・神経系のスタミナ(精神的スタミナ)

試合中、集中力を維持し緊張状態の中で冷静な判断・精度の高い投球を保つ力です。メンタル面の粘り強さ・呼吸の安定・自己コントロール能力もスタミナの一部と考えます。


このそれぞれA・B・Cの分類のスタミナがあることで、試合での下半身の疲労蓄積をおさえ投球フォームが崩れずに投げることができます。
投手に必要なのは”正しいフォームで力強く何度も投げられる”ことであり、投手に必要なスタミナ作り・フォーム強化のためのスタミナ作りのため このA・B・Cをバランスよく鍛え質の高い投球を維持する力が重要になります。

必要なスタミナ要素 ⇒ 持久力+筋力・リカバリー力

投手に必要なスタミナ要素は、持久力の他に筋力・リカバリー力になります。

1試合9イニングを完投すると投球数の目安はおよそ120~130球くらいになります。そうなると、1イニングの投球数はおよそ13〜14球です(比較的順調に投球できた試合のイメージです)。
高校野球は1試合およそ2時間(120分)・単純に割ると1イニングが12〜15分くらいになるので、半分(表・裏)の
   6〜7分の中で13〜14球投球・6〜7分は休める   構造になります。

試合中に行なう投球動作は高強度の負荷を反復して行なう動作なので、回を追うごとにエネルギー供給は枯渇し疲労していきます。これは筋力を上げることで負荷を軽減することができます。試合終盤になると足がつる(筋痙攣)ことも多くなりこれはふくらはぎ・ハムストリングスの部位がつることが多いため、局所的な筋力も重要です。
自チームの攻撃中は投球しないため、ベンチにいる時間で回復させ運動エネルギーを確保するためリカバリー力が必要になります。
大会期間中トーナメントを勝ち進み試合が続くと、連投が必要なケースも出てくるためここでもリカバリー力が必要になります。

スタミナ強化トレーニング例 A ⇒ 全身持久力を高める

◉ LSD(ロング・スロー・ディスタンス)走

 目的:心肺機能向上・全身持久力のベース作り
 方法:時速6~8km程度のペースで40~60分間走

◉ インターバル走

 目的:試合中のペース変化に対応する能力・回復力の強化
 方法:200mダッシュ → 100m歩き

◉ 坂道走

 目的:下半身強化+心肺への負荷強化
 方法:10~20mの急坂をダッシュ

※ 走り込みは効果・方法を考えて行なう

(今回「走り込み」の定義は「走りのトレーニング全般」を指します。
投手は投球の他にフィールディングやベースカバーに入るなどの運動があることも踏まえておく必要があります)

スタミナ強化と言えば”走り込み”とよく言われます。近年は、
    「長距離をスローペースで走る必要はない。
              むしろ筋の分解を起こしてマイナス」
という意見もありますが、
 ● 全身持久力を高める有酸素運動系の走り込み
 ● 筋持久力を高めるインターバル系の走り込み
 ● 筋力強化に繋がるダッシュ系の走り込み
いずれの走り込みも投手にとって必要なトレーニングになります。

走り込みの種類分け

[長距離の走り込み]
全身持久力・リカバリー力の強化に有効。有酸素系のエネルギー供給力強化・全身バランス改善・思考力アップなどの効果もある。
ただし、筋肉の分解・精神を鍛えるほどの量は必要ない。
[中距離(3kmまで)の走りこみ]
全身持久力・筋持久力の強化に有効。
[インターバル系の走り込み]
筋持久力・リカバリー力強化に有効。最も実践に近い走り込みトレーニングで、投球のスタミナ強化に直結する。
[ダッシュ系の走り込み]
筋力強化・筋持久力強化に有効。球速アップなどスタミナ面とは異なる効果が出る可能性もある。

このように走り込みの種類により効果が変わるため、選手ごとに最適な程度・方法が変わってきます。

投手のスタミナ強化走り込みトレーニング例

[長距離の走り込み]
ジョギング程度のペース。30分〜1時間程度を心拍数が高くても120〜150程度で抑えて走る。
[中距離(3kmまで)の走り込み]
● 2〜3kmのタイムトライアル。
● 300m程度の強度が強いラン を休憩を挟み繰り返す。
[インターバル系の走り込み]
塁間〜70m程度の距離を50〜70%程度の強度で走る。
[ダッシュ系の走り込み]
10〜30m程度の距離を全速力で走る。休憩を挟み繰り返す。
[坂道ダッシュとジョギング・ウォーキング]
傾斜15度の坂を13分/km程度の速度で歩く
 → 10分/kmペースで5分ジョギングする  これを休憩を挟み繰り返す。


この他に
 ● 高負荷のトレーニング後、有酸素運動を行なう
 ● 練習中の移動は走る → 練習中の移動はトレーニング
という方法も有効になると思います。

スタミナ強化トレーニング例 B ⇒ 筋持久力を高める

◉ 自重トレーニング(多回数設定)

 目的:肩・股関節・体幹まわりの耐久力アップ
 種目例:プッシュアップ・スクワット・プランク

◉ サーキットトレーニング

 目的:心肺持久力と筋持久力を同時に鍛える
 方法:ジャンピングスクワット → プッシュアップ →
                  バーピー → クランチ → 休憩

◉ チューブトレーニング(肩・肩甲骨まわり)

 目的:肩周辺の細かな筋肉群の耐久力アップ
 方法:外旋・内旋・水平外転など

スタミナ強化トレーニング例 C ⇒ 神経系・集中力強化

◉ イメージトレーニング

 目的:試合後半でも頭をクリアに保つため
 方法:試合展開やピンチの場面を想定、
            投球・配球・心の整え方を繰り返し頭で描く

◉ メンタル有酸素

 目的:精神的ストレス下での集中力維持
    例:疲れている中でもフォームを崩さずに投げ続ける練習
                   (シャドーピッチング20球など)

◉ 呼吸法・マインドフルネス

  目的:イニング間の回復・緊張緩和
  方法:腹式呼吸(吸う4秒 → 止める2秒 → 吐く6秒)

スタミナ強化トレーニング設計のポイント

◉ シーズンごとの目的に応じて比率・強度を変化させる

1年中同じようにトレーニングを行なうのではなく、時期に合わせ比率・強度を変えていくのがポイントです。
 ● オフシーズン:持久走・筋力・ベース作り中心
                ⇒ 時間をかけて、土台から強化
 ● プレシーズン:インターバル走・ピッチング量増加
                ⇒ 実践に近い強化方法
 ● シーズン中:疲労管理しながら調整(軽めのトレーニング)
                ⇒ 最良のコンディション作り
ただし、高校生の場合シーズン中も公式戦の試合が多いわけではないので調整だけでなくトレーニング強度を強くする時期があっても構わないです。

◉ 食事・睡眠もスタミナ維持のカギ

運動の効果を最大限にするには、トレーニングだけでなく回復の質がスタミナ向上に直結します。食事・睡眠も大事にすることを意識します。
 ● エネルギー補給(炭水化物・たんぱく質)
 ● 水分・電解質の補給
 ● 睡眠時間の確保(7~8時間)


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