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【海外競馬】🇬🇧セントレジャー観戦記【競馬場訪問レポ】

英国現地9月13日(土)、シンエンペラー号の🇮🇪チャンピオンS挑戦の裏で、英国クラシック最終戦にして、GIとしては最古の競走でもあるセントレジャーが開催されました。近代競馬発祥の地英国牡馬三冠路線に皆勤するため、レパーズタウンではなく、ドンカスターを訪れましたので、その所感を簡単に書き残します。
前日に開催されるドンカスターC(GII)もまた、最古のグループ/グレード競走(いわゆる重賞)として知られ、ドンカスター競馬場の歴史の長さを感じさせます。ちなみに、近代的な競馬場で毎年施行される競走として現存最古のものは、カーライル競馬場で施行されるカーライルベル(1599-)とされています。以前紹介したチェスター競馬場は、競馬場としての運用開始は早かったものの、今に続くトロフィー戦としては、19世紀以降に開始されたものしか残せなかったようです。


競馬場の雰囲気

1776年に創設され、1939年の中止を挟み、今年で249回目の施行となったセントレジャーだけでも日本競馬以上の歴史をたたえており、ドンカスター競馬場自体の創設はなんと16世紀末。かといってあらゆるものが非常に古いままな訳でもなく、Clock Tower Standなど長い歴史を感じさせる建物と、非常に整備されたゴール前の設備とが上手く融合していました。「アンティーク感はあるけど便利」という点では、もっとも"英国的"とさえ評価できるかもしれません

アンティーク代表。19世紀に建てられたとのこと。地震が起きにくい国というのはうらやましいものです
決勝線前とパレードリングとが隣接しているため、ほとんど移動の必要がありません。何なら、決勝線通過後、すべての馬がゴール前にある馬道を通るため、馬を見たいだけならパレードリングに移動する必要もないです。これだけ好条件の場所なのに、置き引きリスクからか場所取りのために荷物を置く輩がいないのもありがたいところ
プレパレードリングには、パドック指南もあります
シャンペンS5着入線後、馬道を通るCape Ashizuri。いつか日本に来てほしい素敵な名前です

セントレジャー

メインは、🇬🇧🇮🇪ダービー馬、Lambournと、グッドウッドC覇者、Scandinaviaとが二強を形成していると目されていました。前者が🇬🇧国際S同日の前哨戦で敗れたこともあってか、前日までScandinaviaの方がオッズが低い傾向にありました。勝負服は異なりますが、両馬ともクールモア陣営で、The英国の平地GIレースといったところでしょうか。(日本も中距離帯はほとんど社台の中での争いなので他国のことは言えませんが笑)
2R目の後に通り雨が降りましたが、3RをEternal Sunshinなるおあつらえ向きの馬が制した前後で再び晴れはじめ、その後は基本的に晴れていました。

晴れがよく似合うEternal Sunshine。鞍上はLauren Young

雨で馬場が緩くなることを見込んでか、直前にLambournのオッズがScandinaviaに並び、ダービーの時と同じようにオッズ上昇→勝利の流れが来ているかと戦前思っていました。
レースはこの2頭が引っ張る形。道中はLambournがわずかに先頭で、直線入ってもしばらくは半馬身ほどリードをキープしていたものの、そこから伸び悩み、Scandinaviaが交わしてそのまま他馬を寄せ付けず完勝。上述のとおり、既に古馬混合の2マイルGIを制しており、Kyprios引退後の英国長距離界を引っ張るエースになれるかも知れません。

オブライエン師はこれでセントレジャー3連覇。249回の歴史で3連覇を達成した調教師は彼が初めてとのこと。そもそもクールモア運動会だった節がありますが、そんな有力馬が集まってくる時点で名伯楽といって差支えないでしょう

アラ系競走

セントレジャーフェスティバルはここでは終わりません。もう一つのお目当ては、英国に2つしかないアラ系GI競走、UAE大統領杯(🇬🇧アラビアンダービー)です。この日の最終レースに設定されており、お恥ずかしながら、これまでアラ系競走を見たことがなく、日本ではもう観戦は叶わないでしょうから、この機会を逃す手はありませんでした。

UAE大統領杯を制するLippo De Carrere。鞍上は日本でもおなじみバルザローナJ

正直アラ系とサラ系との判別は、素人目にはほとんど不可能でした。確かにちょっと小柄な気はしますし、タイムも芝2000mで2分20秒とやや遅いですが、欧州の馬場であればサラ系でもあり得る範疇で、サラ系よりも明らかに衰退している要因としては弱いように感じます。
むしろ、サラブレッドよりも丈夫な分、現役生活も長い(このレースも「ダービー」と銘打ってはいますが、4歳限定戦)ので、ジャンプレース大好きな英国民に刺さりそうなものですが、英国でも大分衰退気味なのが現状で、このレースの上位もフランス勢に独占されていました。

どうしても馬が走って回ってくるだけ、という単調になりがちな競馬という興行においてこうした「味変要素」(といったら失礼ですが)は、障害以外にも必要だと思うので、ダート競走の少ない欧州ではなおさら、細々ながらもオイルマネーで長く続いてほしいものです。そんな貴重な観戦体験もできる、良いイベントでした。