「公開空地」について改めて調べてみた①─基礎情報編─
こんにちは、BEAVERの中の人(ののの)です。
久しぶりに「建築のタネ」以外のコラムを書きます。
今回は調べものをしたので記事を書いてみました。
普段よりいろんな場面でAIを使っているのですが、細かい調べものはAIを使ってもそこそこ時間がかかるのでなかなか書けないのです。
きっかけはこの一文。
お名前は伏せてます。

こういう情報、すごく大事ですのでどんどんほしいです。
あれれー…??
そ…そうでしたっけ?
初じゃなかったですっけ??
一般的に、せんだいメディアテークが室内型の公開空地のパイオニアのように評されていたので、特に疑いなく信じきってしまっていたのですが…
嘘を書いてはいけない
ですよね。
調べますね。ちゃんとします。
さて…
よくよく考えると…
メディアテークは公共建築なんですよね。
実験的な試みというのは、小規模なものほど多いし、民間企業ほど多い…と考えています。
法律で線を引かれたラインのなるべくギリギリの領域をめぐって、民間企業はしのぎを削っているんですよね。
ということは
これより前の先行事例があっても当然といえば当然!
ということで、調べましょう。
まずはチャッピー* に相談します!

* 筆者はChatGPTをチャッピーと呼んでいます。
ホントにいい時代になりましたね。かえって大変になったとも言えますが。
ただし、まず、
前提の話が必要ですね。
そもそも「公開空地」って何…?
という話から。
(基本的なことの解説なので飛ばして大丈夫です。)
まず、
建物は自分の所有地に建てます。敷地の上に建物。それが基本です。
その基本に対して、法の規制がかかります。
開発が無秩序にならないようにするため、国や行政は法や条例を駆使して建物をつくるための条件を定めるわけです。
具体的に言えば、「用途地域」「高さ制限」「斜線制限」や「建蔽率」、「容積率」「景観条例」などのルールによって、建物のアウトラインは規定されています。
容積率とは?
容積率とは、敷地面積に対する建築物の延べ床面積の割合です。
「容積率200%」などといった表記で記されます。

延べ床面積(各階の床面積の合計)は200㎡ですので、
敷地面積100㎡で、容積率200%だと上記のような感じの家になります。
しかしこれだと問題がでます…
次へ行きましょう。
建蔽率とは?
4つの敷地があったとして、4つの敷地の持ち主全員が「敷地を最大まで使う」と下記のようになります。建物同士の隙間が無くなってしまい、このままでは隣の敷地に向けて窓を付けられません。
少しは隙間をあけて!というのが建蔽率(建蔽率)の存在理由です。通風の確保や万が一隣家が火事になったときなどの非常時の面でも重要な考え方です。

容積率も建蔽率も守ることで、下記条件だと各階で面積が同じ、3階建ての建物を建てることができます。

その他にも高さ制限や斜線制限などもあります。たとえば、高さ制限がないと、3階の天井高だけ20mにしてもルール違反にはならなことになります。市街地にタワーができてしまう。それはちょっとまずいですよね。
そういった、様々な規制があるのはこういった無秩序な状況を防ぎ、都市に秩序を与えるための指標なのです。
で、公開空地ってなに?
っていう話に戻ります。
総合設計制度と公開空地
総合設計制度(建築基準法 第59条の2)という、簡単に言うと、
公共のために「空地」をつくればビルを大きく建てられる制度があります。
「公共のために」というのがポイントです。
あなたの私有地を一部提供してくれませんか?というわけです。
この制度の背景には、高度経済成長期に、ビルが大量に立ち並び、ビルとビルの間がほとんどないようなぎゅうぎゅうの状況になってしまったため、町は暗く、風も通らず、火事や地震の際に危険な状況になってしまったのです。

これがビル同士で起きてしまったのです。
そこで、
安全で住みやすい街並みを目指して、1970年に総合設計制度ができます。
土地の一部をみんなのために開いてくれるなら、その代わりに容積率(建物のボリュームの上限)を緩めますよ!
というのがその内容の重要な部分です。
さきほど、公開空地の説明の冒頭に…
建物は自分の所有地に建てます。敷地の上に建物。それが基本です。
…と言いましたが、そもそも、土地の所有者は第三者に空間を提供する必要などないのです。この前提は大事!
しかし、
交換条件で提示される容積率の上限UPは東京で1.5倍、大阪で1.2倍という非常に魅力的な数字です!(自治体ごとに異なる)
建物を大きくしたいのであれば非常に美味しい制度なのです。
過去に、都市の密度が異常に上がってしまった経緯があったため、国は「容積率を緩和」することを条件に、土地の所有者から、「公開空地」という形で、土地の一部を町のために開くように仕向ける仕組みを作り上げた。
これが、総合設計制度(建築基準法 第59条の2)の目的であり、公開空地が都市に増えた経緯になります。
この制度はwin-winの非常に素晴らしい制度だと思いますが、実はネガティブな側面もあるんです。
公開空地は、あくまで私有地であり、公共空間とはとても言い難い例なども実際には存在します。汚れるから飲食禁止だったり、わざと目線が集中するような居心地の悪さをつくったり…。
容積率の緩和だけを狙った、形だけの公開空地。この制度は、空地の質の高さが大前提にある制度であることには留意が必要かもしれません。
下記に国土交通省による総合設計制度のガイドラインがあります。
「総合設計制度の手引き・事例集」は実例が多く載っていますので、ぜひ目を通してみてください。おすすめです!
前置きがあまりに長くなりましたので、こちらを前半としますね。
チャッピーと一緒に調べた内容の出番がありませんでした…。
