【建築のタネ】アフォーダンス
アフォーダンス
─行動を誘うデザイン─
No.034 #建築 #建築設計 #建築学生 #認知心理学
#環境設計_bn
「アフォーダンス」という言葉をご存知ですか?これは、アメリカの知覚心理学者 J・J・ギブソンによって提唱された概念です。モノや環境が人に「このように使ってほしい」と自然に語りかけるような特性、それがアフォーダンスです。


■「モノが語りかけてくる」仕組み
「アフォード(afford)」は「提供する」という意味ですが、ここでは「誘発する」と読み替えた方が理解がしやすいと思います。
たとえば、ちょうどよい高さや安定感のある段差は
「ここに座れそうだ」と感じさせます。
清潔感のある表面は
「触れてもよさそう」と感じさせます。
このとき重要なのは、主語が人ではなく「モノ・環境」だという点です。
段差が「ここに座ってもいいよ」と、人間に対して「行動を誘発してくる」のです。これは人間の認知と直感に働きかける、極めて繊細なデザインの力です。

■アフォーダンスと環境設計
建築やデザインの現場では、このアフォーダンスの考え方を取り入れることで、人の行動を意図的に誘導する空間を設計できます。
たとえば、広場の一角の少し奥まったスペースにベンチを配置するだけで、人は「ここで立ち止まってもいいんだ」と感じ、自然と動きを変えます。
また、空間全体で見ると、ベンチそのものだけではなく、それを取り巻く空間自体の在り方も無視できません。ベンチ自体は問題なくとも、空間がダメなら、人は座りません。空間が良くてもベンチがひどく汚れていれば人は座りません。
この段階まで行くと
この話題は建築における「環境設計」の範疇になってきますが、空間がどういった情報を与えてくれるのかを考えれば、これはアフォーダンス的な解釈が可能です。

って思うベンチ
Image:4o Image Generation
サインや誘導表示に頼らずとも、空間が語りかけてくる。そんなデザインを目指すことが、建築設計の奥深さであり、魅力でもあるのです。

「木陰ではあるんだけど…」
Image:4o Image Generation
■まとめ
アフォーダンスとは、人に「行動のきっかけ」を与えるモノや環境の性質のことをいいます。もともとは認知心理学の用語ですが、建築と非常に関わりの深い要素ですので、知っておいた方がいい知識の1つです。
アフォーダンスを意識した設計の工夫は、意図を言葉にせずとも自然に伝えることができる、ユーザーとの“無言の対話”なのです。
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