【建築のタネ】スリットと視界・優位性
スリットと視界・優位性
─膨大な数の窓の可能性─
No.063
たった100mmの隙間でも、人はその向こうに世界を感じます。 スリットは空間に予感を与えるデザインツールです。 視界を操ることは、人の気持ちまで操ることにもつながるのです。

なかなかの演出性があるのです。
■スリットが生む視界の効果
たとえ幅が100mm程度でも、スリットがあるだけで空間の感じ方は大きく変わります。 特に壁の厚みによって、その効果は大きく変化しますので、注意が必要です。
たとえば、厚みのある壁にスリットを設けると、視界は「トンネル効果※」を生み、先にあるものをドラマティックに見せることができます。
一方、薄い壁のスリットはその先に想像以上の広がりを有していますので、視線を遮るという意味では、あまり壁の意味を成していないのです。
(近づけなければ問題は無いですが)。
このような壁の向こうの空間とのコントロールは、壁厚の操作で行うことが可能です。
【※トンネル効果】
量子力学における現象で、粒子が古典的には乗り越えられないエネルギー障壁を、確率的に通過してしまう現象を指しますが、空間的な意味では、狭くて暗い場所から広い空間に出たときに、開放感や明るさをより強く感じる心理的な効果を指すことがあります
■空間の性質を分ける
スリットを通して見える景色は、「視る」側と「視られる」側の関係を生み出します。どちらが「優位か」?はこの場合かなり大事です。大多数と少人数なのか、高さによる優位さなのか。これらの関係性を上手にデザインすることで、空間にわずかなドラマと緊張感を生み出すことも可能というわけです。

見る・見られるの関係性
■壁厚とスリットで視界を制御
ほんのわずかな隙間。ここに、壁の厚さやスリットの幅を組み合わせることで、視界や空間との関わり方を管理することが可能です。空間を完全に開けず、「チラ見せ」に投じる。それによって来訪者に対し、先の想像をそそり立てながら、空間体験を演出できます。最小限の開口でも、空間を大きく変化させられるのは、建築の魅力のひとつですよね。
ライトリズムスリットby安藤忠雄#tadaoando #コラボする光と建築 pic.twitter.com/bYTSKVRYMv
— michi (@archisound) May 29, 2018
上記は光の演出に使った事例。非常に良い空間ですね…。安藤忠雄さんは本当にこういうのが巧いです。
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視線は「線」と表しますので、その「向きを変え」たり、「途切れさせたり」「薄くしたり」といった操作を行うことができます。
まだまだあるかもしれないですね!
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