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【建築のタネ】ブリコラージュ

ブリコラージュ

─即興に宿る創造の力─

No.057


何かに使えるかもしれない。そう思って拾ったものが、後にかけがえのない役割を果たすことがあります。レヴィ=ストロースは『野生の思考』の中で、南米アマゾンの先住民族のこうした「何かに使えるかも?」と考える習慣を取り上げました。彼は、彼らの直感的で柔軟な思考を「ブリコラージュ」と名付け、限られた資源を活用する創造的な行為として紹介しています。


書籍名:野生の思考
著者:クロード・レヴィ=ストロース
日本語訳:みすず書房 (1976)
原典:La Pensée sauvage(1962)
クロード・レヴィ=ストロース(1908-2009)
Portrait of Claude Lévi-Strauss taken in 2005
UNESCO/Michel Ravassard - Transferred from en.wikipedia


■エンジニアリングとの違い

現代の建築設計は、あらかじめ決められた図面に従って進められる「エンジニアリング」的なアプローチが一般的です。これは、明確なゴールを設定し、段階的に達成する計画的な思考法です。

一方、ブリコラージュは、いま手元にある素材や情報を基に、臨機応変に対応する柔軟な方法です。たとえば、現場で予定していた材料が足りない、納期が遅れる、そんな時に求められるのがブリコラージュ的な発想。現場にあるものや職人のアイデアを駆使して、その場でベストな方法を探る。これもまた建築技術者に必要な力です。



■現代におけるブリコラージュの可能性

文明が進んだ今、ブリコラージュ的な思考はむしろ見失われがちです。でも、計画が通じない場面ほど即興の力が必要とされる。日々変わる現場の状況、突発的なトラブル、思わぬ人の動き。そのたびに「どうしようか」と立ち止まり、柔軟に組み直していく。そんな姿は、まさに現代のブリコルール(ブリコラージュをする人)そのものではないでしょうか。




■まとめ

ブリコラージュの思考は、建築設計において困難な状況を乗り越える力になります。与えられた条件の中で工夫を凝らし、即興的に創造する力。それは設計者としての「勘」や「経験」にも通じる、かけがえのない技術なのかもしれません。


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認知心理学のアフォーダンス理論と、よくセットで出てくるシグニファイアも、非常に建築と相性がいい分野ですので、ぜひ触れてみてください。


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「手元にあるものを使ってなんとかする」というのは
エンジニアリングとは全く違う角度の立派な技能です。
ブリコラージュの能力を得るのもまた容易ではありません。

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