【海狸図書館】都市感覚を鍛える観察学入門
▶著書-基本情報

【 書籍情報 】
著者: 平本 一雄 末繁 雄一
出版: 晶文社(2023年)

(クリックで拡大)
BEAVERにてまとめ(2025)
【 書籍概要 】- 出版社発信内容
まちを観察すれば未来のすがたが見えてくる
都市(まち)には人々が集まり、モノやコトが溢れている。目の前の風景をただ眺めるだけでなく、「観察」という行為に高めると、まち歩きは発見に満ち、ビジネスやまちづくりのヒントまで見えてくる。まちを観察する現代の手法を紹介し、東京各エリアを中心に、歩き、カメラに収め、統計的な観察を行った。目まぐるしく変化し続けるまちの活動の断片を記録した、新世紀の考現学。
▶読書メモ

【 メモ 】
1923年、関東大震災で焼け野原となった東京を記録し始めたのが、近和次郎と吉田謙吉。彼らは復興に向かうその都市と人々の姿をスケッチで記録したのです。
そして彼らが「古」を考察する「考古学」に倣って、「現在」を考える「考現学」と名付けて研究し始めたのが本書のベースとなる学問の成り立ちです。
なかなか聞き慣れない「考現学」というジャンルですが、この書籍の面白いところは、
「人の行動」、「まちの表情」、「まちの構造変化」、「店舗の傾向」、「ストリートの表情」など
これらの大きなセクションごとにわかれた、微視的な切り口から都市を観察し、数的データとしてまとめて分析してるところです。
例えば、「人の行動」については
・着用しているマスクの種類
・レインブーツの着用傾向
・カフェにいる人々の行動
・赤ちゃん連れでの街歩きの傾向…etc.
…など、「そのデータいる!?」と思うような内容なども、実際に足を使って現地調査をし、データ化して考察しているのです。
その内容のバリエーションとユニークさもさることながら、「そうやって情報をまとめるのか!」という参考にもなる書籍であり。論文を書いたりフィールドワークをする際に読んでおくと、得られることは大変多いと思います。
一方で、「東京だからこそ、このリサーチができるのでは?」という視点も個人的にはありました。いわゆる昔ながらの「商店街」が成立し、賑わいを見せてる場所というのは、地方都市においてだいぶ希少になってきています。”イオンタウン・タウン”が形成され、ロードサイドにチェーン店が並ぶ風景こそが地方の風景になりつつあります。
そういった意味では、むしろ東京の方が「ローカル」色は強いのです。これらも含め、都市の輪郭を眺める視点をこの書籍から得ることができるのではないかと思い、おすすめさせてもらいます。
▶関連記事
建築のヒントはちょっとした日常の中にあるかもしれません。そんな視点を提供する記事です
▶書籍一覧
▶関連タグ
