【建築のタネ】様々な「縁側」
様々な「縁側」
─縁側が生み出す、多彩な“境界”のかたち─
No.080
縁側の種類と、建具の開閉で変わる、外と内の関係性をご覧あれ!

■ 縁側の魅力とは?
代表的な「日本の原風景」 の1つ…「縁側」! 庭に面した木の床に腰掛け、外と内が穏やかに溶け合うような空間体験がそこにはあります。しかし、一口に「縁側」といっても、その種類や機能は多様です。 とりわけ、縁側と可動建具の組み合わせによって、外部との関係性が大きく変化する点が興味深いところです。
■ 4つの縁側の種類
縁側は、大きく分けて4種類あります。それぞれが外部とのつながり方をどのように調整しているのかを見ていきましょう。

≪① 広縁(ひろえん)≫
・屋内に近い縁側で、幅が広く 室内の一部としても機能する。
・約1.8m程度の奥行きを持つ
・障子やガラス戸を閉めることで、半屋内空間としても使用可能。

≪② 落ち縁(おちえん)≫
・屋根の出が小さいため、雨風が直接当たりやすい。
・「縁側」というよりも、屋外のウッドデッキに近い性質を持つ。
・広縁とセットの場合が多く一段低い位置にある。

≪③ 濡れ縁(ぬれえん)≫
・建具の外側(屋外)にある縁側。
・直接雨にさらされる場合もあり、素材には防水性の高いものを使用する。

≪④ 内縁(うちえん)≫
・建具の内側(屋内)にある縁側。
・屋内の延長として機能し、天候の影響を受けにくい。
・可動建具を開閉することで、外部との関係性を自由に調整できる。
■ 縁側は「可変する境界」
縁側の面白いところは、単なる屋外と屋内の中間領域ではなく、可動建具の操作によって、「境界の位置」が変化することです。 図にも示しているように、縁側の境界は四季や天候によって移ろうのです。
例えば、 夏は建具をすべて開け放ち、風を通す広い空間に。 冬はガラス戸を閉めて、日向ぼっこができる温かな場所に。 縁側とは、固定された空間ではなく、状況に応じて柔軟に変化する「可変的な境界」 といえるでしょう。
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「中間領域」という切り口から縁側を説明したのが下記の記事です▼
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日本人みんな大好き「縁側」!ですが、あまり一般的ではなくなってきたことも確かです。なにやら概念になってきましたね。
そこで、建築設計でよく用いられているのがその効果をうたった「縁側効果」というものです。まさに中間領域の考えで、「境界をぼかす」ことを指します。先ほど関連記事として載せていますので是非ご覧ください(こちら)。
ぜひ縁側そのものも、あるいはその効果だけでも使いこなせるようになると、きっといい空間をつくれるようになると思いますよ。
