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【建築のタネ】隔てる方法

隔てる方法

─人と人を隔てるデザイン─

No.099


「壁で人を仕切る」ことはイメージできますが…

それが段差だったら?あるいは柵だったら?

そもそも、人はどのように隔てられ、
どのようにつながるのでしょうか?

それについて考えてみます。

隔て方には「心理的隔て方」と
「物理的隔て方」がある

■人と人を隔てる3つの方法


建築やデザインの中で、人と人の間に「隔たり」を生む方法は、大きく3つに分けられます。

≪距離で隔てる≫
人と人が遠く離れることで、心理的な距離も生まれます。例えば、公園のベンチでは、見知らぬ人同士が自然と間隔を空けて座ることが多い。これは、パーソナルスペース と呼ばれる心理的な領域を意識しているためです。

≪障害物で隔てる≫
壁やパーテーション、家具などの物理的な仕切りによって、人と人の関係が変化します。例えば、カフェのブース席は、隣の人との距離は近くても、視線が遮られることでプライバシーが確保されます。また、壁の高さや透過性によって、閉塞感の強さが変わります。

≪高低差で隔てる≫
高低差は、物理的な隔たりであると同時に、心理的な優位性を生み出します。例えば、演壇やステージは聴衆より高い位置に設けられ、話者に権威や注目を与えます。


■ 高低差が生む心理的な影響


特に、高低差を利用した「隔たり」は、空間の印象を大きく左右します。高さの違いによって、人は無意識に「優位性」や「親しみやすさ」を感じ取るのです。

・演壇・ステージ
→ 高い位置にいることで、権威や注目が集まる。

・掘りごたつ・座敷
→ 低い位置にいることで、くつろぎや親密さが生まれる。

・階段や段差
→ ゆるやかに空間を分け、心理的なゾーニングをつくる。


■ 建築における「隔たり」のデザイン


建築では、これらの「隔たり」を使い分けることで、空間の使い方や人間関係をデザインすることができます。

例えば、オープンオフィスでは仕切りが少なく、距離や障害物による隔たりが小さいため、コミュニケーションが促進されることが期待できます。ただし、オープンすぎて囲われている安心感を損ねてもいけません。そこで、図書館や個室のオフィススペースでは、適度な障害物や高低差を用いることで、集中しやすい環境を作り出す環境設計が施される場合も多くあります。

「隔てること」は決してネガティブな要素ではなく、適切な距離感を生み、快適な空間をつくるための手法 なのです。次にカフェや公園で座るとき、あなたが無意識にどんな「隔たり」を選んでいるか、意識してみてはいかがでしょうか?



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