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【建築のタネ】不要かつ効果的な壁

不要かつ効果的な壁

─"不要"な壁が生み出す、新たな建築体験─

No.071 


「構造的には不要な壁」というものがあります。これはただの仕切りでしょうか?壁の役割とは何でしょうか?



■ 壁の役割は仕切りだけではない

壁と聞くと、空間を区切るための構造物を思い浮かべるかもしれません。 しかし、建築には「主要な構造体ではない壁」が意図的に設計されることがあります。一見「不要」とも思えるこれらの壁が、空間の質を大きく左右するのです。



■ 事例:十和田地域交流センター(2022, 青森)

藤本壮介氏が設計した「十和田地域交流センター(とわふる)」には、興味深い「不要な壁」が存在します。 建物の前面には広い前庭がありますが、この敷地ラインに沿って巨大な壁が設置され、あたかも「中庭」のような空間を生み出しています。

十和田市地域交流センターの外観 撮影:小山田邦哉
引用先:TOKYO ART BEAT
十和田市地域交流センターの中庭 © Masaki Iwata + Sou Fujimoto Architects
引用先:TOKYO ART BEAT

この壁の効果は、単なる囲いではありません。建物が交差点の角にあり、市民に開かれた場所であるため、この中庭を通り抜けることが近道となる動線として機能します。 「合理的な動き」を人々がすることで、自然と建物内へと誘導される仕掛けになっているのです。

十和田地域交流センター 平面図
十和田市「十和田地域交流センター」WebPageより


■ まとめ ─ 壁で生まれる新たな空間の価値

「不要な壁」は、建物全体のプロポーションを整えたり、空間を囲うことで特別な場を演出するなど、多くの効果を持っています。 つまり壁は、ただの仕切りではなく、空間を演出するためのツールでもあるということ。その「不要」なはずの存在が、時に建築の魅力を大きく引き上げるのです。


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BEAVER NETWORKより


「とわふる」はまさに「境界」のデザイン事例として非常に優れた事例です。
中庭は外部空間です。普通に誰でも入れます。しかしこの「不要な壁」に囲われることで、あたかも内部にいるかのような錯覚におちいるのです。これは境界線のデザインによるテクニックに他なりません。まさに「柔らかい境界」です。

また、この空間はある種フレームに囲われた「空(くう)」の場所。ヴォイドの文脈でも解釈することができますよ!


▶関連タグ

#建築 #建築設計 #建築学生 #境界 #壁 #十和田


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この壁の「囲い込み感」はこの壁無くしてはできない不思議な体験です。
本来は不要ですので、かなりお金がかかっていますが、
それだけの効果は見込めるだけの不思議な壁なのです。

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