『値引きはトラブルの種まきです』★どんな業種でも、価格は下げれば下げるほど客層が悪くなる①
長引くデフレで売上が伸びない。
競合大手は値下げでシェアを取りに来る。
バナー広告やポイント10倍も効果がない。
円安、不景気、人口減少、高齢化、長引くデフレ、猛暑、自然災害。
飲食業の方からは、コロナ後、日本人から外食の習慣そのものが消えてしまったのではないかと思うほど客足が引いたという話を聞くことがあります。
宿泊や観光もインバウンド頼みの部分があり、この好景気がいつまで続くのか不安を抱く声も少なくありません。
実際、中国からの団体客が消えて青息吐息となっている観光地もあります。
私は会社を経営して、お客様にサービスを提供する立場でもあり、
同時に消費者としてサービスを買う側にも回ります。
どちらの立場から見ても言えることが一つあります。
どんな業種でも、価格は下げれば下げるほど客層が悪くなる
ということです。
今朝、Xを読んでいたら、ある日帰り入浴施設のオーナーさんの投稿が目に留まりました。
JAF割のルールでお客様と延々揉め、大声を出されてしまい、もうJAF割はやめようかと考えているという内容でした。
JAF会員証の提示で入浴料が本人のみ30円引きになるところ、3人連れのお客が3人とも割引を要求し、断られると、会計を別々にすればいいのかと大声で怒鳴ったそうです。
たかだか30円の値引きでと思われるかもしれませんが、現場ではこの手のトラブルは日常茶飯事です。
だったら割引をやめてしまいたいとなるのは当然の流れです。
安売りと値引きは異なるように見えて、根っこの本質は同じです。
安さや値引きをアピールしても、多くの場合、「30円も安くしてくれてありがとう」「割り引いてくれるならまた来るね」とはなりません。
せいぜい「ラッキー」、「安くしてくれて当然」と思われておしまいです。
そもそも値引きは誰のために、何のためにするものでしょうか。
この投稿主の方は、少しでも安く入浴していただきたいと考えてJAF会員に30円引きをしていたそうですが、投稿への反応は冷ややかです。
安く入浴させたいなら全員30円引きにすればいいではないか、と突っ込まれていました。
意地の悪い反応ですが、実は本質を突いています。
割引は多くの場合、お客様を思っているのではなく、集客のためのセールス活動です。
より多くの人に新規で来てほしいから値引きで誘い、良かったら次も来てねという狙いがそこにあります。
本音でどんどん安くしたい、値引きをしたいと考える経営者がいるはずはありません。
このケースであればJAF割引の中止・契約解除の一択です。
売り上げは落ちませんし、集客にも影響しません。最初のうちは、何だ、JAF割やめたのか、と嫌味を言われるでしょうが、すみません、あまりにトラブルが多いのでやめました、で十分です。
このような、10円引きや5パーセント引きのクーポンは、実際の売り上げにはほとんど寄与しないどころか、トラブルを増やした挙句、むしろ粗利益は落としてしまうはずです。
販促やキャンペーンと銘打って、様々な中間業者さんがアプローチしてくると思いますが、私のスタンスは、一物二価は信用を失う、というものです。
公正明大に、どなた様にも同じ値段で同じサービスを提供することが、結局はスッキリしますし、スタッフの負担も減り、お客様も安心してサービスを受けられるのです。
カスハラやクレームを予防するには、ごちゃごちゃとわかりにくい値引きをしたりや、ややこしい条件のあるポイント加算などをしないことです。
値引きで感謝されるのは、生鮮食料品の閉店間際の半額シールくらいかもしれません。
それですら、シールはまだかと怒鳴るおじさんがいるそうですから、救いようがありませんが。
いやはや、サービスの現場は大変です。
新刊『カスハラ・クレーム予防の教科書』(生産性出版)高萩徳宗著
好評発売中です。良かったらご一読ください。Amazonなどオンライン書店へのコメント大歓迎です。励みになります。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援よろしくお願いします。いただきましたチップは旅先で地産地消の応援に使わせていただきます!