組織のポテンシャルを解放する。クラウドサインが新設した「Value Stream Enablementチーム」
私たちが提供する契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」は現在、取引DXの実現という新たな挑戦に向かい、組織も急速な拡大を続けています。そして、組織がスケールしていく中で、新たなフェーズへと進化する転換期を迎えています。
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そこで、プロダクト組織を次のステージへと引き上げるために新設されたのが「Value Stream Enablement Team(以下、VSEチーム)」です。
今回は、2月に同チームのマネージャーとしてジョインしたエンジニアの馬場 佳世さんにインタビューを実施。VSEチームは具体的にどんな業務を行うのか? なぜ今、クラウドサインに必要なのか? 馬場さんの熱い想いと、現場を愛する哲学に迫ります!
「難航するプロジェクト」を救いたい。チームと組織の『カイゼン』の道へ
ーーまずはこれまでのキャリアと、組織の『カイゼン』を担う「Value Stream Enablement」という領域に携わるようになったきっかけを教えてください。
馬場:前職はFintech系のSaaS企業に在籍し、個人事業主向けの確定申告サービスや請求書サービスのチームでアジャイル開発の推進やチームの自律的なカイゼンを牽引する役割を担っていました。100人を超える大型プロジェクトのマネジメントや、チームの課題解決、業務フローの見直しなどを通じて、チームが自走できる状態へとカイゼンしていく活動をしていました。
その後、組織全体の課題解決にスコープを広げ、QAグループも統合した部署を立ち上げました。そこでは、品質とスピードのバランスを調整しながら、組織全体がより素早くユーザーへ価値を届けられるような環境づくりに注力してきました。
私が「組織・チームの環境づくり」にこだわるようになった原点は、そのさらに前のコンサルティング会社での経験にあります。当時、複数の新規事業プロジェクトが動いていたのですが、不確実性が高い中で、各プロジェクトが次々と炎上し、壁にぶつかっていくのを目の当たりにしていました。
私自身も当事者として、まずは目の前の火を消すために必死で活動していました。しかし、目の前のトラブル解決に集中しすぎるあまり、肝心な「根本課題」を見誤るという未熟な時期を過ごしてしまったんです。
後になって冷静に原因を紐解いてみると、なにか高度な技術的課題に直面していたわけではなく、実はどのチームも「基礎的なプロジェクトマネジメントが欠けていること」が根本的な問題でした。
その時ようやく気づいたのは、「ほんのちょっとした環境の整備や土台づくりさえできていれば、プロジェクトは自然とうまく回っていく」ということでした。
だからこそ、私が自らその「環境整備」を担うことで、組織全体のポテンシャルを何倍にも引き上げることができると確信したんです。この小さな土台づくりこそが、組織を圧倒的な価値創造に向かわせる原動力になる。それこそが、プロダクトを成功に導く鍵なんだと痛感しました。
ーーそこから「環境づくり」にフォーカスするようになったのですね。この仕事の醍醐味はどんなところにありますか?
馬場:余裕がなくなっていたチームが、ボトルネックを解決し、環境を整えることで本来の力を取り戻していく過程に伴走できることです。
最初は新しいやり方への移行に対して戸惑いの声があがることもあります。しかし、環境が整い始めると、メンバーが本来注力すべき本質的な価値創造に集中できるようになり、結果的にユーザーに提供できる価値が何倍にもなります。そして働く環境そのものも健全になっていきます。最終的にチームメンバーから「ありがとう」と言ってもらえた時のやりがいは、今でも私の原動力になっています。
クラウドサインの「成長痛」を仕組みで解決する
ーー数ある企業の中で、なぜ次の挑戦の舞台としてクラウドサインを選んだのでしょうか?
馬場:一言で言えば、「今のクラウドサインだからこそ、組織として取り組める伸びしろが非常に大きく、私が貢献できることが多いと感じたから」です。
クラウドサインはこれまで素晴らしいプロダクトを創り上げてきましたが、事業も組織もさらにスケールしていく中で、これから「次に乗り越えるべき壁」が見えてきているフェーズでした。 その壁の一つが、「マルチプロダクト化」です。クラウドサインがこの大きな挑戦を成功させるためには、気合や根性ではなく、再現性を持ってプロダクトを生み出せる組織基盤が欠かせません。私はそのための環境整備やプロセスの改善において、大きなインパクトを出せると感じました。
新しい挑戦を急ぐあまり、日々の目の前のタスクに追われていると、チームはどうしても刃を研ぐ時間を持てないまま木を切り続ける「木こりのジレンマ」に陥ってしまいがちです。だからこそ、属人的なリソースに頼るフェーズを卒業し、プロダクトの成功確率を引き上げるスケーラブルな基盤づくりが必要とされています。
ーー実際に入社してみて、組織の印象はいかがですか?
馬場:エンジニア一人ひとりが自律的にAIを活用してプロジェクトをより良くしようと動く、非常に前向きな文化があることに驚きました。これはクラウドサインの大きな強みであり、大切に残していきたい素晴らしいカルチャーだと感じています。そのカルチャーをベースに、個々の力がさらに組織全体の推進力へとつながるよう、"点"の取り組みを"面"の仕組みへと昇華させていくことに、大きな可能性を感じています。
現場に入り、仕組みを作り、組織全体に還元する
ーーVSEチームは、具体的にどのようなアプローチで組織の基盤づくりを進めていくのでしょうか?
馬場:現在はまず「現場駆動(ボトムアップ)」のアプローチに注力しています。私たちが実際の開発チームの現場に入り込み、チームの課題を解決しながら、現場を把握することから始めます。
具体的にはチームの透明性を高めるために、特定のプロジェクトに入り、チームメンバーが「今、プロジェクトがどういう状態にあるのか」を客観的に理解できるよう、チケットやプロジェクトの管理方法など、基礎的なプロジェクトマネジメントの土台を整備しています。現場のメンバーが抱える課題を吸い上げ、マネージャー層とともに解決し、信頼のサイクルを作ることも私たちの重要な役割です。
そして、そこで得られた「サクセスストーリー(成功事例)」を抽出し、「中央駆動(トップダウン)」のアプローチとして組織全体の標準プロセスへと還元・横展開していきます。また、ISMAPやSOC 2といったセキュリティ・統制対応についても、現場の負担や「縛り」にするのではなく、「私たちが推奨するモダンな開発エコシステムに乗ってさえいれば、自動的に高いレベルの統制が担保される」状態を目指しています。

「机上の空論」にしない。現場を愛するからこその三現主義
ーー環境づくりにおいて、馬場さんが大切にしている信念はありますか?
馬場:「三現主義(現場・現物・現実)」の徹底です。
本や勉強会で学んだ理想的なフレームワークも、組織の「人・文化・サービスの特性・フェーズ」といった変数が違えば、そのまま適用してもうまくいきません。安全な場所から作ったルールは、実態を無視した「机上の空論」になりやすく、結果的にプロセスが形骸化してメンバーを疲弊させてしまいます。本来、組織を良くするための仕組みを作るはずなのに、メンバーが苦しむことになっては本末転倒ですよね。
「現場を愛しているからこそ、安全な場所から正論を言うだけの存在にはなりたくない」。これが私の信念です。
ーー「効率化」や「仕組み化」を進める上で、気をつけていることはありますか?
馬場:実は私、仕事だけでなく私生活でも「仕組み化」が大好きで……。自宅のカーテンを自動で閉めたり、ロボット掃除機やスチームオーブンをフル活用して「完全自動化ハウス」を作った結果、効率化ばかりしたものの、生活に彩りがなくなったことがあります。
価値観が大きく変わったのは子どもが生まれてからです。育児を通じて、「あえて非効率なことを積み重ねる時間こそが、豊かさや信頼を得ることに繋がる」と気づかされました。あえて一緒に時間をかけてやることに意味がある。効率だけを追い求めていては、大切なものを見失ってしまうんだと。
これは組織づくりも同じです。「どこを効率化し、どこを大切に残すか」が、その組織の文化を創っていきます。 単にルールを増やしてすべてをガチガチに管理するのではなく、血の通った環境づくりを大切にしています。
ルールで縛るのではなく、ポテンシャルを解放する
ーー最後に、これからどんな人と一緒に働きたいか教えてください!
馬場:やはり、現場主義であり、「我がごと」として組織課題を自ら見つけ、解決に向けて自律的に動ける方と一緒に働きたいです。
理想論だけを押し付けるのではなく、現場の実態を深く分析し、今のクラウドサインに最もフィットした解決方法を柔軟に提案できることが重要だと思います。
私の、そしてVSEチームのミッションは、決してルールを増やして開発メンバーを縛ることではありません。摩擦や無駄を減らし、開発メンバーのポテンシャルを最大限に解放することです。
この仕事の最大の喜びは、自分一人のアクションによって、何十人、何百人というメンバーの業務が効率化され、組織全体をより豊かにできることです。そんな大きなインパクトを生み出し、誰もが価値創造に100%没頭できる環境を一緒に創っていきましょう!
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