評価損益マイナス(含み損)で投資判断を誤るリスク➖損失回避性を回避する
オルカンなどのインデックスファンドに投資する場合、評価損益がマイナス(含み損)になっても気にすることはない(むしろお買い得だと感じる)人は多いと思います。
しかし、インデックス投資以外のケース、特に個別株やアクティブファンドや分散が少ないインデックス(例:FANG+)に投資した場合などでは、評価損益がマイナス(含み損)になると、投資判断を間違える人が急増するようです。
次の設問で確認します。
問題
あなたは個別株を購入しましたが、購入した株が下落して、現在の評価損益はマイナス100万円になってしまいました。
次のどちらかの選択肢を選択しなければならない場合、どちらを選択しますか?
選択肢A:無条件で評価損益がマイナス300万円で決済することになる。
選択肢B:50%の確率で評価損益が0万円で決済することになるが、50%の確率で評価損益がマイナス600万円で決済することになる。
リターンとリスクを考えれば間違えにくい
選択肢Aと選択肢Bでは、期待リターンの値はどちらも同じです。
選択肢Aと選択肢Bでは、リスクの値が異なります。
期待リターン
選択肢A:△300万円
選択肢B:△300万円 (=0万円×50%+△600万円×50%)
リスク(≒振れ幅)
選択肢A:0円 (最終的に300万円±0円で決済することが確定しているため、リスクはない。)
選択肢B:300万円 (300万円±300万円で決済することになるが、どちらで決済することになるかは分からない。)
投資判断としての正解は選択肢A
期待リターンが同じであるなら、リスク(≒振れ幅)が小さい方を選ぶのが投資判断としては正解です。選択肢Aと選択肢Bの期待リターンはどちらも同じですので、リスクが小さい選択肢Aが正解です。
※選択肢Bは、投資判断としては間違いです。リスクプレミアム(報酬)が伴わない余計なリスクを取っている点で、選択する価値が全くありません。
選択肢B(間違い)を選択する人が多い?
ひとたび含み損を抱えると、損を確定させる(損切りする)痛みに耐えられず、損を確定させることを避ける(損失回避的になる)人が多いそうです。
選択肢Aを選べば、300万円の損失を確定させることができますが、この痛みに耐えらる人(選択肢Aを選択する人)は少ないそうです。
一方で、選択肢Bにはプラスマイナスゼロになるという可能性が50%あるため、「ここで損切りすれば300万円の損失が確定してしまうが、このまま株を持ち続ければ相場が反転して損失がゼロに戻るかもしれない。」と考えてしまう人(選択肢Bを選択する人)が多いそうです。
この損失回避性の恐ろしい点は、損失を目の前にすると、損がゼロになる可能性があるなら、不利でも大きなリスクを喜んで取る傾向がある点です。
選択肢Bを選択することは、更に状況が悪化する(最終的に600万円の損失になる)リスクに目を瞑っている点が投資判断としては間違いです。
損失回避性を回避する
投資判断を間違わないための考え方を2つ紹介します。
リターンが同じならリスクが小さい方を選択する
一つ目は、期待リターンが同じであれば、リスクが小さい選択肢を選択する考え方を徹底することです。
損失が自分の許容範囲を超えて大きくなるほど、損失回避性が発動しやすくなります。期待リターンが同じであるにもかかわらず、損失をゼロにするために一発逆転を狙ってハイリスクな取引(ナンピンやレバレッジかけた取引を)をすると、損失が許容範囲を超えやすくなり、損失回避性が発動しやすくなってしまいます。
損切りは継続的に利益を出すための必要経費と捉える
二つ目は、損切りで支払うコストを、損失ではなく、投資で継続的に利益を出すための必要経費と捉えることです。
評価損益がマイナス(含み損)になることは投資では避けて通れません。状況を踏まえて撤退が妥当と判断したとき、評価損益がたまたまマイナス(含み損)になっており、損失が確定する(損切りになる)ことは当然あります。撤退時に発生するコストは、次の取引につなげて継続的に利益を出すための必要経費と捉えるのが正しく、損失と捉えるのはそもそも間違いです。
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※漫画「FX戦士くるみちゃん」には、損失回避的な行動を続けて損失を拡大させるエピソードがあります。
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