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食品トレンドの重心が変わった

ここ数年、各国の現地マーケットをとことん回りながら食品トレンドを俯瞰していて、はっきりと感じている変化があります。

それは、
「理想(こうあるべき)」を語る時代から、
「制約の中で、生活者が本当に選ぶもの」を考える時代へ移った、ということです。

これは後退ではありません。むしろ、食品がもう一度、現実の生活にきちんと根を下ろし始めた。そんな感覚です。言い換えると、最近の空気感は次のような方向に動いています。

・「派手さ」より「信頼」
・「理想論」より「実感」
・「新しさ」より「安心」

不確実な時代だからこそ、生活者はとてもシビアです。でも同時に、「これは良い」と納得できるものには、きちんとお金も時間も使う。

だから2026年に求められるのは、「語りがうまい食品」より、「続けて選ばれる食品」。

マーケティングの難易度が上がったというより、食品そのものの価値が、ようやく正当に評価される環境に戻りつつある。私はそんなふうに捉えています。

トレンドは「理想」ではなく「日常に耐えるかどうか」

この視点で、プラントベース、サステナブル、栄養、伝統といったトレンドを見てみると、それらはもはや「目指すべき理想像」ではありません。問われているのは、日々の買い物や食卓の中で、本当に選び続けられるかどうか、という点です。

上の写真は先日、トロントのマーケットで撮った写真です。そこに並んでいる商品は、どれも主張が強いというより、生活の中で無理なく成立しているものばかりでした。

同じトレンドでも、意味は国ごとにまったく違う

もう一つ、重要だと感じているのがこの点です。

同じ「プラントベース」でも、ある国では環境配慮の象徴として受け取られ、別の国では健康管理の手段として捉えられ、また別の地域では、昔からある日常食の延長として自然に存在している。

つまり、2026年のトレンドは、グローバルで共通のテーマを持ちながら、
その意味づけはローカルで決まる段階に入っています。

「世界で流行っているから」では足りない。その土地の生活、文化、制約の中で、どう翻訳されているか。そこまで見て初めて、トレンドは実際に使える視点になります。

2026年も、こうした視点から、皆さんのヒントになる情報や考え方を発信していきたいと思います。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

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