LEGO® SERIOUS PLAY®のファシリテーターの認定を受けて来たぞッ!!

「手が先に知っていた。」
私たちは、頭で考えることに慣れすぎている。
ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、デザインシンキング──どれも「思考」が主役の学びである。だがLEGO® SERIOUS PLAY®(以下LSP)は、そうした『知の正統派』に静かに反旗を翻す。
そこでは「考える」よりも先に、「手が動く」のだ。
ブロックを前にした瞬間、脳の回路が変わる。
不思議なことに、言葉にできなかったモヤモヤや、曖昧な不安が、ブロックを積み重ねるうちに形を持ち始める。まるで手が、心の底をすくい上げているような感覚だ。
LSPではこれを「Hand Knowledge」と呼ぶ。つまり、「手はすでに知っている」という考え方である。
この発想に出会ったとき、正直、衝撃を受けた。
なぜなら、私たちが普段「思考」だと思っているものの多くは、実は「言語」という狭い箱の中でぐるぐる回っているにすぎないからだ。
LEGOを使って形にしてみると、その外側に、もっと広大な思考の地平があることに気づく。そこには、理屈を超えた『身体の記憶』が眠っている。

「ブロックは、意見の衝突をやわらげる。」
LSPを用いた対話の場では、誰もが「作品」を介して語る。
だから、意見がぶつかっても、人ではなく「ブロック同士」が議論してくれる。
「あなたの考えは間違っている」ではなく「この塔のこの部分、どうしてこんな形にしたんですか?」と聞ける。
攻撃ではなく、好奇心で関わる。
そこに、ファシリテーションの本質がある。
この構造こそがLSPの最大の魔法だと思う。
つまり、「関係性の構造」を変えることによって、対話の質が劇的に変わる。
人間は不思議なもので、正面から向き合うと反発するが、何かを間に置くと素直になれる。LEGOは、その「間」をつくる装置なのだ。
LSPの場でよく起きることがある。
それは、普段あまり話さない人ほど、作品を前にすると雄弁になるという現象だ。手が先に語り、口があとから追いつく。
それを聞く仲間が「なるほど、そう考えてたんですね」とうなずく。
たったそれだけで、チームの空気が変わる。
この瞬間に立ち会うたびに、私は人間という存在の奥深さを思い知らされる。

「頭で考えるチーム」から「手で考えるチーム」へ。
LSPは、会議やワークショップの“形”を変えるツールではない。
むしろ「考えるとは何か」という問いそのものを変える哲学的な実践だ。
これまでの会議は、言葉を武器にする戦場のようだった。
声の大きい人、言葉の巧みな人、論理を積み上げる人──そうした人が主導権を握ってきた。だがLSPでは、全員が同じ数のブロックを持ち、同じ時間で作品をつくる。
そこでは「立場」も「役職」も通用しない。
あるのは『思考の作品』だけだ。
この公平さが生み出すのは、静かな民主主義である。
そこでは「誰の意見が正しいか」ではなく「どんな意味を共有しているか」が問われる。それが、LSPがもたらす本当の変化だと思う。

「思考の構造を変える。」
私たちはこれまで、「どう話すか」「どう伝えるか」にばかり意識を向けてきた。しかしLSPが教えてくれるのは、「どう考えるか」の構造そのものを見直すことだ。
思考とは、頭の中で完結するものではなく、身体と、他者との間にある動的な現象だ。
その構造を変えれば、チームの知性のかたちも変わる。
だから私はこう思う。
LEGO® SERIOUS PLAY®とは、単なる遊びでも、単なる研修でもない。
それは「人間の思考という構造を再設計するためのツール」だ。
そしてその一つひとつのブロックは、私たちの未来を少しずつ形づくる。


認定ファシリテータ:加々本裕樹
大阪・京都・神戸・関西・近畿対応可
