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非営利組織に関する日本の研究者は何を研究しているのか?(後篇)

「河童の目線で人世を読み解く」市井カッパ(仮名)です。
「すべての組織と人間関係の悩みを祓い癒し、自然態で生きる人を増やす」をミッションに社会学的視点から文章を書いております。

御覧いただき、ありがとうございます。

noteのできるだけ毎日更新を実践しています。現在の曜日ごとのテーマはこちら。わかりにくいですが、今日は月曜なので、「【月】社会と組織を読み解く日:非営利組織の経営(連載)/社会学/ドラッカー/政策」となります。

前回の記事は、「非営利組織の経営」の分野での日本での先行研究を調べるために、関連しそうな日本に存在している学会と、存在していない学会を調べてみました。

前回は学会名を調べるので終わってしまいましたので、実際、どんな研究があるのかを調べていきます。


公益社団法人 非営利法人研究学会

学会誌は「非営利法人研究学会誌」です。販売もしているようですが、一冊3000~3500円は強気な値段設定ですね。

さて、いつものように学会誌に掲載の原稿タイトルをリスト化してAIに食わせて傾向を分析してもらいました。

提供された「非営利法人研究学会誌」の掲載リスト(創刊号から第24号まで)に基づき、この学会の研究テーマの傾向を分析しました。
全体として、この学会は**「会計・税制・法制度」という制度的・実務的な基盤を非常に重視しつつ、時代の変化に合わせて「ガバナンス」「経営戦略」「個別分野(医療・福祉・教育)」**へと関心を広げている傾向が見て取れます。
主な研究トレンドは以下の5つの柱に分類できます。

1. NPO会計・財務の基準と理論(中心テーマ)
最も多くの論文が割かれているのが「会計」分野です。営利企業の会計基準との比較や、非営利組織特有の会計課題が継続的に議論されています。
会計基準の策定と統一: 「NPO法人会計基準」「公益法人会計基準」の策定、改正、および企業会計との統一化に関する議論が非常に活発です 。
収支相償と利益: 非営利組織における「利益」や「内部留保」をどう捉えるか、「収支相償(収入と支出を均衡させる原則)」をどう解釈するかという理論的な探求が目立ちます 。
財務報告とディスクロージャー : 支援者に対する説明責任(アカウンタビリティ)を果たすための財務情報の開示や、それが資源提供者に与える影響についての研究も多く見られます 。
2. 公益法人制度改革と税制
2008年の公益法人制度改革前後(第10号〜第20号付近)を中心に、法制度と税制に関する研究が集中しています。
公益性の判断: 「公益性とは何か」「認定基準をどうクリアするか」というテーマが、日本のみならず英国や米国との比較を通じて論じられています。
税制優遇と課税: 寄付金税制や、収益事業に対する課税のあり方について、法的な観点からの分析が多数あります。
新制度への移行: 一般社団・財団法人への移行や、その後のガバナンスの変化に関する実証研究が含まれています 。
3. ガバナンスと組織管理(内部統制)
単なる制度論だけでなく、組織を健全に運営するためのマネジメント領域も重視されています。
ガバナンスと内部統制: 不正防止や信頼性確保のための「ガバナンス・コード」、内部統制の現状と課題についての研究が散見されます。
理事会と監査: 理事会の役割、監査の機能、法律専門家の視点など、組織統治の具体論が扱われています。
4. 特定業種・形態別の深掘り
「NPO(特定非営利活動法人)」だけでなく、多様な非営利セクターを対象としているのが特徴です。
多様な法人形態: 社会福祉法人、医療法人、学校法人、一般社団法人など、形態ごとの固有の課題(例:社会福祉法人のガバナンス、学校法人の再建)が研究されています 。
大学同窓会: 興味深い特徴として、大学の「全学同窓会」の運営やガバナンスに関する論文が複数掲載されており、独自の研究領域を持っています。
5. 市民社会・協働・ソーシャルキャピタル
制度や会計といったハード面だけでなく、社会的な役割やソフト面に関する研究も見られます。
行政との協働: 指定管理者制度や、行政とNPOのパートナーシップ、公共サービスの提供主体としての役割に関する研究です。
地域課題とソーシャルキャピタル: まちづくり、災害支援、子ども食堂など、具体的な社会課題解決の現場におけるNPOの機能や資源活用(ソーシャル・キャピタル)に関する分析です。

時系列による変化の傾向
初期(創刊〜第10号頃): 「公益性」の定義や、NPOマネジメントの基礎、制度改革への提言など、概念的な議論が多い傾向があります。
中期(第11号〜第19号頃): 公益法人制度改革の実務的対応、会計基準の整備、および制度変更に伴う混乱や課題への対処に焦点が当たっています。
直近(第20号〜第24号): テーマが多様化・深化しています。「クライシス下(コロナ禍など)の役割」「信用保証」「交通空白地」「孤立死」など、より具体的な現代の社会課題に即したテーマや、制度定着後の質の向上(ガバナンスの質的分析など)へとシフトしています 。

結論
この学会は、「会計学」と「法学」をベースにした制度設計・運用をコアコンピタンスとしつつ、そこから派生する経営実務(ガバナンス・財務戦略)および政策論を主要な研究領域としています。実務家(会計士・税理士・NPO運営者)と研究者の双方が関心を持つ「実学」的な色彩が強い傾向にあります。

Geminiによるまとめ

日本NPO学会

学術誌は『ノンプロフィット・レビュー』(The Nonprofit Review)というようです。J-STAGEで全文読めそうです。

提供された『ノンプロフィット・レビュー』(日本NPO学会誌)の掲載リスト(創刊号から第25巻1号付近まで)に基づき、この学会の研究テーマの傾向を分析しました。
先に分析した「非営利法人研究学会」が会計や法制度といった「制度的基盤」に強いのに対し、この「日本NPO学会」は**「市民社会」「パートナーシップ」「ソーシャル・キャピタル」といった、より広義な社会科学的アプローチ**が主流であるのが特徴です。
主な研究テーマの傾向は以下の5つの柱に分類できます。

1. 市民社会論とNPOの社会的意義(基幹テーマ)
学会の設立当初から一貫して、NPOが市民社会においてどのような役割を果たすべきかという理論的・多角的な研究が中心です。
市民社会の発展: 「新しい市民社会」や「シビル・ソサエティ」の概念、公共圏におけるNPOの立ち位置についての議論が盛んです 。
ボランティアの理論化: ボランティアの定義や参加動機の構造分析など、個人の自発的な活動を学術的に解明しようとする試みが目立ちます 。

2. パートナーシップと協働
「行政・企業・NPO」の三者間の関係性が重要なテーマとなっています。
クロス・セクトラル・パートナーシップ: 異なるセクターがいかに協力し、相乗効果を生むかについての研究です 。
行政との関係: 協働の実現方法、効果測定、さらには行政からNPOへの委託事業における積算基準(フルコスト・リカバリー)など、実務に近い政策論も含まれます 。

3. ソーシャル・キャピタルと地域運営
人々のつながり(信頼、規範、ネットワーク)が社会に与える影響を分析する「ソーシャル・キャピタル」の研究が非常に多いのが特徴です。
コミュニティとネットワーク: まちづくり、地域通貨、中間支援組織の役割など、地域社会をいかに運営・活性化するかという視点です 。
災害対応: 震災NPOの活動や、災害時における情報収集プロセスなど、危機の際の人助けの仕組みについての研究も見られます 。

4. マネジメントとガバナンス
非営利組織を「組織」としていかに持続可能にするかという経営学的視点です。
戦略と評価: バランスト・スコアカードを用いた戦略策定、組織評価軸、ナレッジ・マネジメントなど、経営手法の適用に関する研究です 。
社会的企業家(ソーシャル・アントレプレナー): 非営利組織の成長におけるリーダーシップや、社会課題を事業で解決する起業家精神に注目が集まっています 。

5. グローバルな視点と国際比較
日本国内だけでなく、海外の事例との比較や国際的な動向にも強い関心を持っています。
国際比較: 米国、英国、韓国、中国、インドネシア、ベトナムなど、諸外国におけるNPOセクターや政府との関係性の研究が豊富です 。
NGOの発展: 開発途上国におけるNGOの役割や、グローバルな課題解決に向けたネットワークの研究が含まれます 。

時系列によるキーワードの変遷
創刊〜2000年代前半: 「NPO政策」「ボランティア動機」「国際比較」など、NPOという存在を日本社会に位置づけるための基礎研究が中心。
2000年代中盤〜後半: 「パートナーシップ」「ソーシャル・キャピタル」「ディスクロージャー」など、社会的な連携や組織の透明性・評価へと関心が移行。
近年: 「社会的企業家」「アートプロジェクト」「気候変動(環境NPO)」「博士学位論文要旨の増加」など、テーマがさらに細分化・専門化し、学問としての深化が見られます。

結論
この学会は、NPOを単なる「非営利の団体」としてではなく、**「社会を構成する不可欠なダイナミズム」**として捉え、経済学、社会学、政治学、経営学などの多様な学問領域を横断して研究している傾向があります。

Geminiによるまとめ

国際ボランティア学会

学会誌は『ボランティア学研究』だそうです。「1号から15号は「国立国会図書館デジタルコレクション」にて無償で閲覧できる他、11号以降は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営する「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE)で無償で公開しています。なお、最新号は会員向けにのみ提供しております。」とあり、最新号以外は読めそうです。

この学会は**「現場の実践知をいかにして普遍的な学問(ボランティア学)に昇華させるか」**という挑戦を続けてきた軌跡が見て取れます。
主な研究テーマの傾向は、以下の5つの軸に整理されます。

1. 「公共性」とボランティアの哲学的・理論的深化
創刊以来、最も重要視されているのが「ボランティアとは何か」という本質的な問いです。
公共性の再定義: 単なる「親切心」を超え、市民社会における「公共性」をどう構築するかという議論が、フェミニズム、アソシエーション論、さらには「贈与」や「ケア」の視点から深化し続けています。
学際的なアプローチ: 経済学、教育学、社会学、心理学など多領域の知見を融合し、「ボランティア学」という独自の学問領域を確立しようとする姿勢が、各巻の特集や論文に色濃く反映されています。

2. 災害ボランティアと「復興」の動態分析
阪神・淡路大震災から東日本大震災、そして近年の局地的な豪雨災害まで、災害は一貫した主要テーマです。
支援から共生へ: 初期は「いかに支援するか」という技術論が中心でしたが、次第に「被災者とボランティアの関係性」「アートを用いた心のケア」「災害を通じたコミュニティの再編」など、より長期的・精神的な復興プロセスへの関心へと進化しています。
制度と現場の乖離: 災害ボランティアセンターの運営や、行政との連携における課題など、実践現場の葛藤を鋭く分析する研究が継続しています。

3. 「国際」を冠する学会としてのグローバルな射程
国内に留まらず、地球規模の課題に対して非常に高い感度を持っています。
開発援助とNGO: アジア(バングラデシュ、台湾、韓国、インドネシア等)やアフガニスタンなど、具体的なフィールドにおけるNGOの活動報告や、開発学の視点からの評価が豊富です。
難民・移民・共生: 最新号(25巻)のロヒンギャ難民問題に見られるように、国境を越えた人道支援や、日本国内における多文化共生、外国人支援といったテーマが年々重みを増しています。

4. 教育・学習としてのボランティア(サービス・ラーニング)
ボランティアを「する側」の変容と教育システムに関する研究も大きな柱です。
大学・学校教育との融合: サービス・ラーニング(社会貢献と学習の統合)や、大学におけるボランティア活動支援のあり方、学生ボランティアのキャリア形成への影響などが詳細に研究されています。
「学び」の質的分析: ボランティアを経験することで個人の価値観や社会認識がいかに変化するかを、インタビューや質的調査によって解明しようとするアプローチが目立ちます。

5. 現代的課題への迅速な呼応
その時々の社会情勢に応じた「特集」を組むことで、常にアクチュアルな課題に応答しています。
多様な社会的包摂: ジェンダー、障害者支援、ホームレス支援、子ども食堂など、社会の「縁(へり)」にいる人々との関わり方が、ボランティアというレンズを通して語られています。
コロナ禍の影響: 近年の巻では、パンデミックが対面活動を主体とするボランティアにいかなる制約を与え、その中でどのような新しい「つながり」が生まれたかという最新の考察も含まれています。

まとめ:25年間の変遷
2000年代(初期): ボランティア学の定義、公共性の議論、阪神大震災の総括、国際協力の基礎。
2010年代(中期): 東日本大震災の衝撃と復興支援の長期化、NGO・NPOのガバナンス、教育的効果の検証。
2020年代(現在): 多文化共生、デジタル化する社会でのボランティア、コロナ禍の教訓、複雑化する国際情勢への人道的視点。

この学会は、常に**「今、社会で起きている困難」**に対して、ボランティアという人間の自発的な行動がいかに寄与できるかを、理論と実践の両輪で追い求めているのが最大の特徴と言えます。

Geminiによるまとめ

ということで、主要と思われる3つの学会誌の分析は終わったわけですが、「非営利組織に関する日本の研究者は何を研究しているのか?」ということがもともとの問いでしたので、これらを総合して分析してもらいます。

日本でのこの分野の研究がどのように展開してきたのか

3つの学会誌の分析を年代に分けて、日本でのこの分野の研究がどのように展開してきたのかを示すことはできますか?

提供された3つの学会誌(「非営利法人研究学会誌」「ノンプロフィット・レビュー」「ボランティア学研究」)の計25年分のデータに基づき、日本におけるこの分野の研究がどのように展開してきたかを年代別にまとめました。
この25年間は、1998年のNPO法施行と2008年の公益法人制度改革という2つの大きな制度的転換点を軸に、研究の関心が「制度の確立」から「社会への定着」、そして「複雑な社会課題への対応」へと深化してきた過程と言えます。

第1期:2000年代前半【基盤整備と定義の時代】
キーワード:NPO法、公益性、ボランティアの理論化、国際協力の黎明
・日本NPO学会:
NPO法成立直後、NPOが日本社会でどのような役割を果たすべきかという「市民社会論」や、ボランティアの参加動機に関する基礎研究が中心でした。
非営利法人研究学会: 既存の公益法人制度の課題整理や、非営利組織にふさわしい会計基準の模索など、制度的な「型」を作る議論が盛んでした。
国際ボランティア学会: 阪神・淡路大震災の教訓を学術化しつつ、海外のNGO活動や開発援助の現場を「ボランティア学」として体系化し始めた時期です。
全体の傾向: 「NPOやボランティアとは何か」というアイデンティティの確立と、活動を支える最低限のルール作りが研究の焦点でした。

第2期:2000年代後半〜2010年代前半【制度改革と実践の深化】
キーワード:公益法人制度改革、協働、ソーシャル・キャピタル、東日本大震災
・非営利法人研究学会:
2008年の新制度施行に伴い、公益認定基準、収支相償、税制優遇など、極めて実務的・法的な研究が爆発的に増加しました。
日本NPO学会: 行政や企業との「協働(パートナーシップ)」が主要テーマとなり、地域コミュニティにおける「ソーシャル・キャピタル(人々のつながり)」の効果測定が注目されました。
国際ボランティア学会: 2011年の東日本大震災を受け、長期化する復興支援、アートを通じたケア、外部支援者と地域の関係など、より質の高い支援のあり方が探求されました。
全体の傾向: 制度が整い、活動が日常化する中で、「いかに効率的・効果的に組織を運営し、社会と連携するか」というマネジメントと信頼性の担保に関心が移りました。

第3期:2010年代後半〜現在【多様化と社会的インパクトの時代】
キーワード:ガバナンス、社会的企業、多文化共生、コロナ禍、SDGs
・日本NPO学会:
社会課題をビジネス手法で解決する「社会的企業家」や、休眠預金の活用、インパクト評価など、より高度な経営手法と資金循環の研究へと進化しました。
非営利法人研究学会: 制度定着後の「ガバナンスの質」が問われるようになり、不祥事防止のための内部統制や、医療・学校法人といった特定分野の深いガバナンス論が目立ちます。
国際ボランティア学会: コロナ禍における非対面活動の模索、多文化共生(外国人支援)、ロヒンギャ難民問題など、分断が進む社会での「共生」と「人道的介入」が喫緊のテーマとなっています。
全体の傾向: 課題が複雑化・グローバル化する中で、単なる「善意の活動」ではなく、社会を構造的に変えるための「専門性」と「倫理性」の両立が問われるフェーズに入っています。

3学会の役割分担の変遷(まとめ)
2000年代 
非営利法人研究学会 (制度・会計)
「ルールを作る」:会計基準と法整備 
日本NPO学会 (社会・経営)「存在を定義する」:市民社会論の構築
国際ボランティア学会 (現場・人間)「現場を記述する」:震災と国際協力の記録
2010年代
非営利法人研究学会 (制度・会計)
「新制度を運用する」:制度改革への対応
日本NPO学会 (社会・経営)「社会に広げる」:行政・企業との協働
国際ボランティア学会 (現場・人間)「深まりを支える」:長期復興と教育的意義
2020年代
非営利法人研究学会 (制度・会計)
「質を担保する」:ガバナンスと信頼性
日本NPO学会 (社会・経営)「仕組みを変える」:社会的投資と評価
国際ボランティア学会 (現場・人間)「境界を超える」:多文化共生と危機の克服

このように、3つの学会が**「ハード(制度)」「ソフト(経営・社会)」「ヒューマン(実践・倫理)」**の各側面をカバーしながら、日本の非営利セクターの研究を重層的に発展させてきたことがわかります。

Geminiによるまとめ

ということになりました。まあ、3学会とそれに属する皆様が「各側面をカバーしながら、日本の非営利セクターの研究を重層的に発展させてきた」ということを意識していたわけではないと思いますが、結果論的にこうなっている、ということですね。

「非営利組織の経営」という観点からの分析

最後に、「非営利組織の経営」という観点からの分析も訊いてみました。

「非営利組織の経営(マネジメント)」という切り口で3学会の論文タイトルを横断的に分析すると、この25年間で**「ボランティア頼みの運営」から「専門性と戦略性を備えた経営」へ**と、研究のパラダイムが大きく転換してきたことがわかります。

それぞれの学会が、異なる側面から「経営」という課題にアプローチしています。

1. 「ガバナンスと内部統制」としての経営(非営利法人研究学会)
この学会における経営研究は、**「組織の健全性と信頼性をいかに担保するか」**という守りのガバナンスからスタートし、徐々に攻めの経営管理へと広がっています。
初期: 経営というよりも「会計管理」や「監事の役割」など、不祥事を防ぎ、適正な情報公開を行うための法務・財務的な研究が中心でした。
中期: 公益法人制度改革を経て、「収支相償(利益を出しすぎない)」という制約下で、いかに持続可能な財務基盤(内部留保のあり方など)を築くかという**「非営利独自の財務戦略」**の研究が深まりました。
現在: 社会福祉法人や学校法人を対象に、理事会の実効性やガバナンス・コードの導入など、**「組織統治の質」**を経営の核心として捉える研究が主流です。

2. 「戦略と社会的インパクト」としての経営(日本NPO学会)
この学会は、企業経営の手法をいかにNPOに適応させるか、あるいは非営利独自の経営モデルをどう構築するかという、最も「経営学」に近いアプローチをとっています。
初期: 組織のミッション(使命)をいかに明確にするか、あるいはリーダーシップ論など、組織の立ち上げと存続に関する研究が目立ちました。
中期: バランスト・スコアカード(BSC)やナレッジ・マネジメント、成果評価といった**「経営手法の導入」**と、行政とのパートナーシップにおける事業管理(協働のマネジメント)が盛んに議論されました。
現在: ソーシャル・ビジネス(社会的企業)の研究が加速し、事業収益と社会的価値を両立させる「ハイブリッドな組織経営」や、社会に与えた変化を測定する**「社会的インパクト評価」**が、経営研究の最前線となっています。

3. 「現場のマネジメントと人材育成」としての経営(国際ボランティア学会)
経営という言葉はあまり使われませんが、**「ボランティアという流動的な資源をどうマネジメントするか」**という、人を中心とした運営論が豊富です。
一貫したテーマ: 災害現場や海外のプロジェクトにおいて、多様な価値観を持つボランティアをいかにコーディネートし、チームとして機能させるかという**「現場のマネジメント」**に焦点が当たっています。
学習と成長: 組織の効率性よりも、ボランティア個人の学びや成長(サービス・ラーニング)が、結果として組織の持続可能性をどう高めるかという、人間中心の経営視点が特徴です。

「非営利組織の経営」研究の変遷まとめ
2000年代:組織基盤の確立
ミッション(使命)の重要性、ボランティアの確保、基本的な会計管理。
2010年代:効率性と信頼性の追求
成果の見える化、ガバナンスの強化、行政との役割分担、収益事業の模索。
2020年代:社会的価値の創造と持続性
社会的投資の受け入れ、デジタル化への対応、複雑な社会課題(格差・孤立など)に対する戦略的介入、インパクトの最大化。

結論として: 初期は「想い(ボランティア精神)」と「形式(法人格・会計)」を整える段階でしたが、現在は**「社会をどう変えるか(インパクト)」を設計し、そのために「高度な組織統治(ガバナンス)」と「多角的な資金調達(ソーシャルファイナンス)」を駆使する**という、極めて高度な経営学の一分野として確立されてきたと言えます。

Geminiによるまとめ

はい。なるほどな分析ですね。この観点でまとめると、一本、論文ができそうだな、と思いました。どこかで書きましょうかね。

現場からは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。面白かった、参考になった、という方は是非、高評価いただけると嬉しいです。フォローも大歓迎です。

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