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ドラッカーによるリーダーのためのコーチング、の本を見つけました。

「河童の目線で人世を読み解く」市井カッパ(仮名)です。
「すべての組織と人間関係の悩みを祓い癒し、自然態で生きる人を増やす」をミッションに社会学的視点から文章を書いております。

御覧いただき、ありがとうございます。

木曜は本からインスパイアされた内容を投稿していきたいと思います。今回はドラッカーとコーチングの関係を研究している中で発見したこの一冊。

Coaching for Leadership Effectiveness

下記の記事で紹介させていただきました「ドラッカーの正当な後継者」であるマチャレロ先生のお仕事で、日本語にはおそらく未翻訳の ”A Year with Peter Drucker - Coaching for Leadership Effectiveness” です。2014年に刊行された本です。

マニアックな話をすると、「コーチング」という言葉を関したドラッカーの本というのは、まあ、正確にはマチャレロ先生の本ですが、初めてですので、発見したときには興奮しました(笑。

内容について、前書きとあとがきから翻訳しつつ解説しますと、この本は、『ハーフタイム』などの著作のあるボブ・ビュフォード氏がドラッカーが亡くなる2ヶ月前までコンサルを受けていて、その記録を元にしているそうです。それをマチャレロ先生の友人であり、エージェントのスティーブ・ハンセルマン氏が2年間、先生と一緒にこの本の構成を検討し、経営幹部や経営幹部を目指す人々に1年間のメンタリングを提供できるように、と設計されたのがこの本、ということです。ここまでは前書きから。

お気づきかと思いますが、ドラッカーが提供した「コンサルティング」の記録を「メンタリング」に活用できるようにした本に、「コーチング」というタイトルがついています。これは一体、どういうことですか?という気になりますが、あとがきを見ますと、

本書の目的は、ドラッカーのマネジメント手法を世界中のファンと共有することです。教訓や質問を通して、ドラッカーのメンターシップを体験する機会が得られます。その目的は、ドラッカーがビュフォードや他の多くの人々と共有したように、皆さんにもドラッカーのメンバーシップ・プログラムを共有することです。

A Year with Peter Drucker より

また、別な箇所にも「1年間のコーチング」という言葉もあり、なるほど、この本は、ドラッカーをメンターとしてコーチングを受ける本なんだ、ということが理解できました。

理解できました、と言いましたが、コーチング業界ではない人も混乱するし、そうではない方は何をこだわっているのかわからないかと思いますので、少し厳密に解説しますと、ICFで言うところの「メンターコーチ」という言葉は、プロコーチの学習者に対してフィードバックなどをするコーチのことを言います。今回はそれとは関係なく、いわゆる知識や経験があって若者にアドバイスして成長促進する人、という意味合いなのだ、ということです。そして筆者は、この1年間のプロセスのことをコーチングと呼んでいる。

コーチングはコンテンツではなくプロセスである、ということがきちんと理解された上で、筆者がこの言葉を使っているんだな、ということがわかります。

そうなると、気になるのは紙面でどのようにコーチングを実現するのか、という仕掛けの方です。見ると、各チャプターは下記の構成になっています。

Introduction(はじめに)
I. Read(読む)
II. Reflect(振り返る)
III. Practicum-Prompts(実習の課題)

例えば第1週での「Introduction(はじめに)」では、この週のテーマが「効果的なリーダーは、高い業績を出している組織を創るために何をするのか?」というものであることが示されます。そして、「I. Read(読む)」では、2002年初頭にドラッカーがワールド・ビジョン・インターナショナルの上級幹部と行ったコンサルでの言葉が紹介されます。その後の「II. Reflect(振り返る)」では、信頼を得ること、真摯さについて、責任ある行動についてなど、4項目程度のテーマと、ちょっとした短文が紹介されます。最後の「III. Practicum-Prompts(実習の課題)」では、この週のテーマに沿ったいくつかの問いかけが記載されています。これが1週分6ページで52週続く、という構成になっています。

52週は最初の「効果的なリーダー」から「個性と伝統」までの13のテーマによって区切られています。下記に一応、列挙しておきます。

Effective Leaders(効果的なリーダー)
Management is a human activity(マネジメントは人間の営みである)
Setting your sights on the important, not the urgent(緊急ではなく、重要なことに照準を合わせる)
The road map to personal effectiveness(個人の有効性を高めるためのロードマップ)
Management in s pluralistic of organizations(多元的組織におけるマネジメント)
Navigating a society in transition(過渡期にある社会をナビゲートする)
Maintaining your organization through change(変化を通して組織を維持する)
Structuring your organization(組織の構造化)
Managing your members(メンバーの管理)
The succession decision(後継者の決定)
Lessons from social sector on the power of purpose(ソーシャル・セクターから学ぶ目的の力)
Developing oneself from success to significance(成功から意義へと自らを成長させる)
Character and legacy(個性と伝統)
 
見るからに、なかなかに広範な内容なのだな、ということがよくわかります。ここでは出てきていませんが、一部、読者がアメリカ人であることを想定した表現のチャプターもあり、この本はなかなか翻訳されないだろうな、とは思いますが、文章ではなくあくまでドラッカーが話したことがもとになっているので、なかなか印象深い表現もあり、じっくり読んでみてもいいかな、と思いました。

個人的には、冒頭にある「リーダーの定義はフォロワーがいること」とか、後半にハーフタイム、セカンドハーフの話も出ていて、さらに社会生態学の言い換えに「人間と社会の環境」という表現があるなど、読み込んだらいろいろなことがわかりそうだな、と思ってちょっとワクワクしております。

現場からは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。面白かった、参考になった、という方は是非、高評価いただけると嬉しいです。フォローも大歓迎です。

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