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BizOpsという言葉が、私のキャリアを再定義してくれた

自分には、この道で生きていくという尖った専門性がないのではないか。

キャリアを重ね、できることが増えていく一方で、ふとそんな自問自答をすることがありました。仕事の合間やキャリアの節目に、冷静な事実として頭をよぎる、得も言われぬ不安感。

これまでのキャリアを振り返ると、目の前の組織の困りごとや目詰まりを解消するために、必要とあればフロントからバックオフィスまで領域を広げて仕事を引き受け、形にしてきました。
周囲からはマルチプレイヤーやゼネラリストと評価され、その期待に応えることにプロとしてやりがいを感じていたのは事実です。
けれど、自分のキャリアの軸を一言で説明しようとすると、言葉に詰まってしまう。自分はただの器用貧乏なのではないか。

これは、そんな正体不明の不安を抱えていた私が、BizOpsという言葉に出会い、自らの歩んできた道に名前が付くまでの話です。


なぜ、私は領域を広げ続けてきたのか

そもそもなぜ私が、フロントからバックオフィスまで幅広い領域に飛び込んできたのか。そこには一つの信条がありました。

自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ

未経験の領域であっても、そこに課題があれば飛び込んでいく。それは明確なキャリア戦略というより、もっとシンプルな衝動に近いものです。

出来ないことが出来るようになる喜び。知らないことを知れる喜び。目の前に解けない課題があるなら、それを解ける自分でありたい。そして何より、仕事で誰かのピンチや組織の危機に直面したとき、ただ頑張りますと言うだけでは誰も助けられません。自分が誰かを助けるなら、もっと力をつけた状態で挑みたい。そんな思いでした。

知識が足りなければ学び、スキルがなければ現場で泥臭く習得する。そうやって目の前の誰かを助けるための実力を求めて自己拡張を続けた結果、私はいつの間にか、色々できるけれど何者でもない、自分を一言で定義できない状態になっていたのです。

「BizOps」との邂逅。パズルのピースが埋まった瞬間

そんな折に出会ったのが、BizOpsという言葉です。
元々は欧米のテック企業を中心に定義された職種ですが、近年は日本のスタートアップや急成長企業でも重要視され始めています。その定義や概念を目にしたとき、長年追い求めていた答えがそこにありました。

BizOpsとは組織のプロダクトマネージャーであり、戦略と実行を結ぶ結節点です。
企業が成長すれば、戦略と現場の実行の間には必ず距離が生まれます。BizOpsはその間に立ち、データやオペレーションを武器に組織というプロダクトをアップデートし続ける役割です。

営業、CS、マーケティング、開発、管理といった各部門をつなぎ合わせ、部分最適ではなく全社視点で事業の成功にコミットする。そしてオペレーションを磨き込み、事業成長のスピードを最大化させます。

この概念を知った瞬間、バラバラだったパズルのピースが一気に組み合わさる感覚を覚えました。目の前の課題を解決するためにやってきた多岐にわたる仕事は、すべて一つの文脈で繋がっていたのです。それらは専門性のない何でも屋の仕事ではなく、事業を安定的に運用させ、成長を加速させるためのアーキテクチャ設計という、極めて重要な役割でした。

日本でも徐々にこの言葉が使われ始めているのを見て、直感は確信に変わりました。私がやってきたことは無意味ではなかったと、初めて言語化できたのです。あらゆる武器を使いこなし、組織の全体最適をデザインできる能力こそが、これからの時代に必要とされるスキルでした。

専門性とは深く掘ることだけではない

私は長い間、専門性とは一つの領域を深く掘り下げることだと思い込んできました。もちろん特定領域のスペシャリストの価値は計り知れません。

しかし組織が複雑化し、変化のスピードが速まる現代においては、もう一つの不可欠な専門性が求められています。それは点と点を繋ぎ、面として機能させる専門性です。

BizOpsはまさに、この繋ぐことのスペシャリストと言えます。

現場の定性的な感覚を経営の定量的な指標に翻訳する。バラバラに導入されたツールを繋ぎ合わせ、データが流れるパイプラインを作る。部分最適に陥りがちな各部門のベクトルを調整し、全社最適という一つの矢印に束ねる。
これは現場の痛みを知り、かつ経営の視座を併せ持っていなければ不可能な職能です。

色々できることは、決して何も極めていないことと同義ではありません。様々な要素を理解し、一つの有機的な仕組みとして機能させる。それはオーケストラの指揮者や建築家にも似た、極めて尖った専門性なのです。

自信を持って、組織の「隠し味」になれる理由

BizOpsという言葉を旗印に掲げた今、視界はかつてないほどクリアです。もう自分のキャリアを器用貧乏だと思うことはありません。

私は組織の摩擦を取り除き、戦略が現場で止まることなく流れ続ける仕組みを作る、BizOpsアーキテクトです。
私が創業した株式会社カクシアジという社名には、それがあるだけで料理全体の味が劇的に決まる隠し味のような存在でありたいという願いを込めました。

かつての私と同じように、自分は何でも屋でしかないのではないかという葛藤を抱えながら、組織のために奔走している人は多いはずです。しかしその幅の広さこそが、今の時代においても複雑な人間組織を動かす最大の武器になります。特定のスキルはAIに代替されても、組織全体を俯瞰し意志を持って繋ぎ合わせる役割は、人間にしかできない高度な意思決定の連続だからです。

名付けられた瞬間に、力は宿る

言葉には力があります。
自分の仕事にBizOpsという名前がついたことで、私はこれまでのキャリアを誇らしく思えるようになり、より深い覚悟を持ってクライアントの組織と向き合えるようになりました。

誰かを助けるための力を求めて走り続けた経験は、今、目の前の組織課題を解決するためにあります。

どのような組織の中にも、誰の担当領域でもない、けれど成長を阻む目詰まりや摩擦が眠っているはずです。それらを一つひとつ解きほぐし、再び組織が軽やかに動き出すための仕組みへと変えていく。
それがBizOpsという専門性を得た私のミッションです。

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BizOpsという役割が、他の専門家とどう違うのか整理しています。


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