1-3-③ 砕けぬダイヤ③
*注意*
本作は『ジョジョの奇妙な冒険』および『クレイジー・Dの悪霊的失恋』をもとにした非公式の二次創作です。
原作および出版社とは一切関係ありません。
おもいっきりネタバレしています!!!
「いやー兄貴は、本ッ当に日本語上手いスねえ。ペラペラじゃあないすか」
「まあなあ。難しい漢字とかは無理だが、話すのは大体できるぜえ」
ホル・ホースと仗助は、駅の広場から少し離れたところを2人で歩いていた。
最初こそホル・ホースがその能力で車を暴走させたのではないか、と警戒していたようだったが、誤解が解けてからは、仗助は親しげにホル・ホースに話しかけていた。
ガタイはいいが、明るく人当たりの良いタイプのようだった。
「どこで覚えたんすか?前日本に住んでたとか?」
「仗助、オメエ、外国語を覚えるのに一番いい方法って知ってるか?」
逆に聞き返されて、うーん……と悩むそぶりを見せた仗助に、
「女だ、オンナ。恋愛こそ、外国語上達の最速の道なんだよ」
「オ……マジっすか」
驚く仗助にたたみかけて、
「おうよ、オレの日本語は、カリンちゃん直伝だぜ。もっとも今彼女は2児の母で幸せに暮らしているから、今回は頼れなかったがな。アラビア語はジャミラ、フランス語はジャクリーヌ、スペイン語はドロレス……」
指折り数え始めたホル・ホースを見た仗助は、
「……グレートっすね、兄貴……」
と引きつつ感心していた。
「まあ~、オレは世界一女に優しい男だかならあ。おめえはいないのかよ、誰か。」
聞き返されると、
「うーん……おれ結構純愛タイプなんすよね~~ ナンパとかやったことなくて~~」
と、照れたように答える顔は少しにやけているが、嘘ではなさそうだ。
仗助は、くっきりした眉にまつ毛のしっかりついた目、通った鼻筋と整った顔をしている。体格もしっかりしていて、もっと遊んでいてもおかしくはなさそうだったが、見た目より奥手のたちらしい。
真顔に戻った仗助は、
「それより兄貴、その兄貴の銃、教えてくださいよ。おれのこの背後霊とおんなじっすよね」
と、背後にピンクのスタンドを出現させた。
「背後霊? おめえスタンドのこと何も知らねえのか?」
「スタンド……?」
歩きながらホル・ホースは、スタンドについて説明していった。
「スタンドっつーのはなあ、そいつのココロが形になったもんだ。人間がみんな性格違うみてえに、スタンドも1つ1つ違う形して、違う能力を持ってんだ」
仗助は、へー、マジかよーと軽い相槌を入れながらも、目を見開いて真剣な眼差しで食い入るように話を聞いた。
聞くと仗助は、今まで全く周囲にスタンド使いがいなかったそうだ。
「5歳の時に、50日ぐらいずーっと熱が出て寝込んだんすよ。原因も今でもわからないんすけどね。ずっと入院してでも全然よくなんなくって、もう死ぬかもって思ってたら、ある日急に良くなったんす。したら……」
背後の自分のスタンドを指差して、
「このピンクの悪霊が突然現れて、おれに取り憑くようになったんス」
「だから、悪霊じゃあねえ。スタンドだ」
「びっくりしたっすよ。お袋もじいちゃんも見えてねえし。今度は何が起きたんだって。」
そのうちに、悪霊ではなく、自分の思い通りに動く特殊能力だと自覚していったらしい。
「なんかおやつ食いてえなって思ったら、こいつが冷蔵庫からプリン持ってきて。そういうこと繰り返して、あーこいつ悪霊じゃなくて、自分の味方なんだなって。だんだん思い通りに動かせるようになって、したら、壊したおもちゃとか治せたんすよね。ダチの骨折も治してやったりして、今じゃあ結構便利に使ってるっす」
財団が名付けたスタンド使いタイプ分類の、ノーマルからシビア、そしてアウェイクになったというパターンらしい。
珍しいタイプだな、とホル・ホースは思った。
ホル・ホースが”親しく”している財団の職員の話では、一度シビアになると99%助からない、今までに助かったのは1例だけという話だったからだ。
「いやーでも結構悩んだんすよーこう見えても、仗助少年は。変な悪霊に取り憑かれたって」
とそれほど悩んだ様子でもない。
(まあ5歳にもなれば、自分も他人もスタンドを持たないのが普通だってわかってっからなあ。自分に他人にはない何か異常な状態が起こったっつーのは理解できるよな。)
生まれつきのスタンド使いの場合はまず、周囲と自分が違うということを認識して理解するまでに時間がかかる。
自分の場合はどうだったか、と思い起こすと、小学生ぐらいの時はまだエンペラーの威力はそれほどでもなく、人にぶつけても石を投げたぐらいだったから、それほど大事にはならなかったと思う。
その前はどうだったか──ホル・ホースは考えたが思い出せなかった。
「……まあ、周りにスタンド使いがいないとそんなもんだ。今日わかったじゃあねえか」
「感謝してるっす、兄貴ッ!」
「そりゃあよかった。で、オレは、鸚鵡とツレのボインゴって男を探しているわけだが……」
「付き合うっすよ、水臭い~」
というわけで、杜王町のスタンド使い・東方仗助が、ボインゴと鸚鵡探しに協力してくれることになったのだった。
杜王駅から少し離れた道を南から北へ移動した2人は、線路を渡って駅の西側へと移動していった。
*
それほど広くない通りに、外車が停まっている。
金色で車体が低く幅広のオープンカーで、高級そうだが品のない車だ。シートは紫だった。
運転席に座る男は、下唇の下にたくさんのピアスをつけ、額と顎には縦に線の入った刺青を入れており、100人中99人が関わりを避けるタイプの人間だった。
男は、まだ使う人間の多くない携帯電話を片手に「マジでな、噴上の奴調子にのってやがんだよ~」と大声で話し続けていた。助手席とその後ろの座る若い女はギャハハと大声で笑い続け、もう1人の後ろの席のメガネの男は空を眺めていて反応がなく、酒か薬でぼんやりしているようだった。
この外車が斜めに道に停車しているせいで、多くの車が通れなくなっており、前後の車はしきりにクラクションを鳴らしているが、4人とも全く気にかける様子はなかった。
見かねた様子で老齢に差し掛かった女性が、
「あのお……車を動かしてくれないかしら、皆困ってるから」
と運転席の男に頼むと、
「ああ!?今大事な話の途中だってわかんねのか?もしもーし!」
と男は大きな声をあげて女性に凄んだ。
えっ、あ、ごめんなさい、と体をすくませて謝る女性になお、
「超ージューヨーな話聞き逃したじゃあねえか! オレにもっかい話してくださいって言えってのかよおッ ああ!?」
と怒鳴って、携帯を女性に投げつけた。
携帯は、女性の前に差し出されたカバンに当たって跳ね返り、アスファルトの上でガシャんと砕けた。
右手でカバンを女性の前に出した涼子は、左手で開いていた漫画本を閉じながら、「あなたたち、わかりやすい不良ね。どうもありがとう」
と、にっこり笑って運転席の男に告げた。
「てめえッ よくもオレの携帯をッ!!
まさか噴上んとこのスケじゃあねえだろうなああ!!!」
と男は運転席の中から凄んだ。
隣の女が男の肩に腕を回しながら、「なわけないじゃーん。噴上って面食いなんだからあ」というと、
「確かになッ あんな変な前髪ぶらぶらさせてる奴相手にしねえか!」
と男が続けた。
涼子はニコッと微笑むと
「今のって……私に言ったのかしら? それとも……」
後ろを少し振り返って、
「そこの彼に言ったのか──」
言い終わる前に、男の車がボコボコに凹んだ。
と思ったら、見る間に車の形が変形し、車体から柱が突き出して上で接合し、オープンカーは不恰好で不自由な鳥籠のようになった。
狭い中に閉じ込められた形になった4人は、「なんだこれッ!」「いたあーい」「おおーいッ!」と車だった鉄の塊から出られずに混乱していた。
「おれの頭にケチつけといて! こんなもんじゃあすまねえぞーーッ!」
とキレた声と共に、奇妙な髪型をした背の高い学生服の男が、涼子の横を通りすぎて車の前にやってきた。
「誰の頭がホカホカ焼きたて食パンみてえだとお!!! もう一遍いってみろよッ おらあ!!」
と、学生服の男は、ドカドカと車と男を足蹴にし続けた。
あっけに取られて見ている涼子の横に、今度はさらに長身で金髪の外国人がやってきて、「悪いな、お嬢さん。怪我はないか?」と声をかけた。こっちは、広いツバの帽子に黄色い上下でカウボーイのような格好だったが、流れるような日本語で、「おい、仗助! その辺にしとけよ」と学生服の男に声をかけた。
(マンガの予言……)
《リョンリョンが駅前にやってくると、バカな不良たちにからまれたぞ!
でも大丈夫!
リョンリョンの髪をバカにした途端、不良たちが東方仗助にぶっ飛ばされた!!》
涼子はさっき読んだ漫画の内容を思い出し、その通りになったことに驚き、
《ヤッター!!
これで典明お兄ちゃんの”真実”に一歩近づいたぞー!!》
喜んだ。
こちらを振り返った東方仗助は、笑みを浮かべている涼子を見ると、
「そこの女子高生よおおーーーッ オメーも今おれの髪のことどーこー言ってたか? あああ!」
と今度は涼子の方へ近づいてきた。
(こいつが”鍵”!落ち着いて、涼子。こういう時……)
涼子は強張った顔に笑顔を浮かべて仗助に言い返した。
「……どういうのかしらそれ、リーゼントとも違うわよね。どういうのかしらそれ、リーゼントとも違うわよね。もしかして『レプリカント』のイメージ? ブレードランナーのネクサス6型の1人にそれと似た髪型をしているのがいたけど、未来なんだけどクラシックなイメージもあるっていうリドリー・スコット監督のこだわり……」
知識を捲し立てる涼子に一瞬困惑した様子だった仗助は、
「それって、よくわかんねえすけど……褒めてるんすかね? それとも、バカに……」
と徐々に再び怒りと取り戻し始めた。
「待て待て、レディは脅すもんじゃあねえ、愛でるもんだぜ。仗助」
とカウボーイの男が、涼子と東方仗助の間に入って、
「こちらのお嬢さんは、あいつらがお前の髪の悪口を言ってたのを教えてくれたんじゃあねえか」と言いながら東方仗助の肩に腕を回すと、
「お前のスタンドはすげえ能力だがすげえ危険だ。むやみやたらとカッとなって使うのはよした方がいいぜ」
と耳元に囁いた。
「……ス。」と仗助はトーンダウンした。
(仗助……やっぱり東方仗助!
典明お兄ちゃんの”真実”の鍵になる男
……こっちのカウボーイ姿、ホル・ホースかしら?
漫画に出ていた、ボインゴと一緒にオウムを探しにきた男に似てる……)
涼子が2人を見つめていると、カウボーイの男が軽くひざまづいて涼子の手をとり、
「詫びに二人でディナーでも……と言いてぇところだかあいにく野暮用があってな。悪く思わんでくれよ」
流れるように手に口付けをして立ち上がった。
「な……何の話?」
「兄貴はよお、一緒に日本にきた連れとはぐれちまって、探してんだ」仗助が答えた。
「あいつの性格的にはぐれたあたりからそう遠くへ行ってねえと思って駅の近くを回ってるんだがなあ、どこへ潜り込んじまったんだか……」というと、
ホル・ホースは手で「このぐらいの身長で」と手を胸の辺りにかざした。涼子より10cm以上低い。
「こんくれええのでかい漫画本を抱えた男なんだが」とさらに両手で四角を作って見せ、「お嬢ちゃん見かけなかったかい?」と涼子に尋ねた。
まさに涼子が今カバンにしまっている拾った漫画本の大きさだった。
(落ち着いて、落ち着くのよ、涼子。)
緊張に体が強張るのを自覚し始めた、涼子は自分に言い聞かせた。
(典明お兄ちゃんならこんな時、動転して見破られたりしない! 冷静に対応して気づかれないし、ピンチをチャンスに変えて自分の有利な方向に持っていくはずよ!)
涼子はこの10年ずっと”典明お兄ちゃんならこんな時こう振る舞う”と考えて、そのように行動してきた。
今回も彼ならそう考えてこう行動するのではないかという選択を思いつき、実行にうつした。
花京院典明が落ちていた漫画本をネコババするのかという、前提は置いておいて。
「日本には交番というものがあるのよ。迷子ならそこで尋ねれば見つかるの。あっちにあるから案内するわ」
涼子は、ホル・ホースにどこかから借りてきたような笑みを貼り付けて答えた。
「オー!コーバン、サンキュー親切なレディー」と外人がするような両手を広げるリアクションをするホル・ホースの後ろで、
「あああ……交番……そうすよねえ……」となぜか仗助はがっかりした。
(とりあえず”鍵”の東方仗助から離れないようにして、後でまた漫画を見れば予言が出るはず)
3人は連れ立って北に向かった。
*
交番への道途中、ホル・ホースは仗助に、髪型を貶されるとキレる理由を尋ねた。
「なあ、仗助。お前のイカした髪型、確かにバカにされるとムカつくのはわかるんだがよお……」
「あーさっき5歳の時に50日熱で倒れたって話、したっスよね。そん時のことなんスけど……」
仗助は話しはじめた。
東方仗助は5歳の時原因不明の高熱を出して、50日間倒れていた。
その時母親は仗助をS市内の病院に車で連れて行こうとしたが、この年の杜王町は大雪で車が動かなくなってしまった。
その時現れた学ランを着た少年が車を押してくれて助かったのだという。
その少年の顔は暗くて見えなかったが、殴り合いをしてきたようにアザや切り傷だらけで口からは血が滲んでいた。そんな状態だったにも関わらず、彼は着ていた学ランを車輪の下に引いて後ろから車を押してくれた。
動き出した車の中から少年を見ていた仗助は、その人に憧れ同じ髪型にしているのだという。
「それを貶すのは許さねえんですよ~”あの人”を貶すのと同じことっスからねえ~」
ちなみに服装もその人と同じように仕立ててもらったのだという。
「まあ暗かったんで顔とかよく見えなかったんす。名前も聞けなくて、後から探したけど見つからなくって……一度会って礼をいいたいんすけどねえ。
それなんで、”あの人”の服装とか後でお袋に聞いて、シルエットとか似せて作ってもらって、今日出来たてなんすよ」
「お……おう……似合ってるぜ」
逆に仗助がホル・ホースに聞き返した。
「ホル・ホースの兄貴は、どうしてその……カウボーイの格好してるんすか?」「オレか? オレはガキの頃テレビで見たカウボーイが格好良かったからさッ! 銃で悪いやつを倒して街を、美女を守る!」
と右手を差し出して銃を持っているような仕草をした。
「ピッタリっすね」
「おうよッ」
など後ろで2人が話しているのを、涼子が聞いているうちに、交番=ぶどうヶ丘派出所が見えてきた。
「あそこよ」
と涼子が指差すと、なぜか仗助がさっと自動販売機の影に隠れた。
「なんだ、お前、警察に目つけられてるんか?」
というホル・ホースに、「いやあ、じい……身内がいて、知り合いも多いもんで……この制服何言われるか……」と自動販売機の影から仗助が答えた。
「……んなの家に帰ればバレるじゃあねえか。」と呆れたように言いながら、ホル・ホースは1人交番へ向かった。
(あの娘の髪型、どっかで見た気がしたんだが、どこだったかな~)と考えながら。
涼子は、交番に入っていくホル・ホースの後ろ姿に、自動販売機の影に隠れているつもりの仗助を見ると、そっと建物の壁沿いに移動した。
(この漫画の予言が、私を”真実”に導いてくれるなら、次は……)
カバンから漫画本を取り出して開くと、次のページに新たなコマが浮かび上がった。
《あぶない!
ホル・ホースに漫画本をネコババしたことがバレちゃおしまいだ!》
下には、漫画本を抱えた涼子と思われる人物と、その背後で彼女を捕まえようとするように両手を広げている、ホル・ホースらしき人物のイラストが添えられていた。
(新しい予言!)
《だからリョンリョン!
ここは強気で、ヘンテコ頭のガキにキツイのをくれてやれ!
ヤローの頬に平手打ち、ケツにキックだ!
するとーピンポンピンポン!!
”真実”へのヒントが聞こえてくるぞーッ》
下には涼子が仗助を平手打ちして足で蹴りを入れているイラストが写っていた。
「平手打ちって……そんな無理よ!」
(あんなに乱暴で大きな男子にどうやって平手打ちして、蹴ったりしろっていうの?!)
先ほどの変形した車をガシガシと足げにしている仗助の姿が浮かんだ。
「何が無理って?」
と目の前にその仗助の顔が現れ、驚いた涼子は「きゃっ!」とカバンを落とした。慌てて漫画本を左手に持って見えないように背後に隠した。仗助を見つめながら、気づかれないように、ゆっくりと、さりげなく。
「あんま大きい声出さないでほしいすねー中から出てきちまうでしょうが。……って、お陰さんで案内してもらった交番到着したのに、なんでまだいるんすか?」
と仗助は体をかかめて見上げるように涼子を見つめた。
(落ち着いて、落ち着いて、涼子。漫画本がバレないように。
でも、この男に平手打ち……あんな乱暴な男に……どうしよう……怖い……でも、なんとかしてやらないと……)
涼子は笑みを作って、
「ああ、あなた、おじいさんが警官だったのね。せっかくステキな制服作ったのにね。」
と仗助に返したが、逆に仗助は不機嫌になり、涼子を指差して注意するように言った。
「なんつーかよー さっきから思ってんだが、そのすました態度、どーにも可愛げがねーと思うぜ、女子高生サンよー」
「それは違うわ。」
涼子は背筋を伸ばして相手をまっすぐに見つめ返し、落ち着いた口調で続けた。彼の日の花京院典明がそうだったように。
「この春に卒業したから、私は女子高生じゃあない。制服を着ているのは墓参りの帰りだからよ。そして、君の方は、来月入学予定の高校の出来立ての学ランを浮かれて着ている……つまり」
震えそうになるのを堪えながら続けた。
「私の方が先輩ってことよね」
「そーそれだよ、それ」と間髪入れずに仗助が返す。
「私クールなできる女でしょう、あんたより上なのよって、感じがむつくんすよ。さっきのおれの髪のこともよお、偉そうに講釈たれてよお。たらすのは前髪だけで十分つーんすよ。どこの映画俳優の髪型だか知らないっすけどね」
「……典明お兄ちゃんよ……」
「誰だって? ノリマキ?」
パアン
仗助の顔が横を向き、音が自販機の影に響いた。
気づいたら涼子は仗助を右手で平手打ちしていた。
「お兄ちゃんをバカにしないで!」
と叫びながら。
「なッ、私ッ」
とジンジンする右手を見ながら動揺する涼子に、
「グレート」と仗助はいうと、
「その方があんたに似合ってますよ、先輩」と涼子を見てニヤリと笑った。
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