暁のヨナ47巻 【ネタバレあり|読書メモ】 神と戦い、運命を壊して
★★★★☆
Amazonでレビューしたものです
盃の中で再会したヨナとハク。
地上でスウォンが龍神を引きつけている間に2人は血の海に落ちた三龍を探しに行くが…。
物語はいよいよクライマックスへーー!
1.これまでのあらすじ
高華国の姫・ヨナは、従兄弟で初恋の相手スウォンに父王を弑虐され、従者・ハクと都を追われた。伝説の四龍、白龍・キジャ、青龍・シンア、緑龍・ジェハ、黄龍・ゼノを集め、自身が建国の王・緋龍王の生まれ変わりと知る。
龍神が四龍にその血を与えた高華国の秘宝・血の盃。ゼノは不老不死からの自身の解放と、四龍を天に還すため、残り三龍を盃に入れる。彼は緋龍王の手にかかれば死ねると、自分を殺すようヨナに懇願する。ヨナは龍神と話をするといい、ゼノと盃の中へ。
盃の中は龍神の作り出した亜空間になっていた。現れた白と青と緑の龍神は、緋龍であるヨナを天界に連れ戻そうとするが、ゼノの中から現れた黄の龍神は、ヨナを地上に戻すようにいい、残り三体の龍神と対立する。残りの龍神は神の契りを破ったことから、黒い化物に姿を変え、なんとしてもヨナを手に入れようとする。
黄の龍神は皆を地上に連れて行こうとするが、戻れたのはゼノだけだった。
残りの龍神たちは、ヨナに取引を持ちかけ、ハクを連れてきて、彼の命を天秤にかけさせる。
2.神との戦い=四龍の解放
今までは高華国と他国の戦という地上での現実に、龍の力というファンタジーがたまに混ざっていましたが、前の巻で血の盃の中に入ってからは、一気にファンタジー色が強くなりました。
「私はただ1人の人間だけど、緋龍王が生まれ変わった意味があるとするなら、四龍が苦しい選択をせずに生きられる世界をあげたい。」
「それが出来なくて、なにが緋龍王か」
緋龍王の生まれ変わりとして、先代の願いを引き受けたヨナは、四龍の宿命からの解放を目指し、龍神たちと対峙する。
が、龍神たちは、引き換えにヨナに天界へ戻るよう迫り、ハクを捉えて引きずり込む。
地上では、スウォンがヨナたちを取り戻そうと、緋龍王の亡骸に緋龍王の剣を突き立て、白と緑と青の龍神を地上へひきつけた。
盃の中では、ヨナとハクがジェハたちと合流するが、三人は盃の底に捉えられ動けない。
そこへ、傷ついた白の龍神が地上から戻り、ジェハを食おうとし、ハクが庇った。
ヨナは緋龍王の剣を取り出し、底に突き立てる。
血の盃を壊し、四龍の定めを解き放つために。
3.予言の再解釈
──闇 落つる大地
竜の血により再び蘇らん
古の盟約に従い四龍集結せん時
王守護する剣と盾が目覚め
ついに赤き龍
暁より還り給う
物語で繰り返し出てくる予言。
元々は緋龍王が龍神から授かったとされる言葉。
ゼノは当初、四龍の終わらせ方だと思っていた。
緋龍王自身も意味がよくわかっていないといい、龍神からもらった剣を”剣”と言い、ゼノがもらった紋章を”盾”だと言ったから。
そのためゼノは、緋龍王の剣により血で盃を満たせば、剣と盾が四龍の血を浴びて天に還り、伝説が終わると考え、実行に移したが、間違っていたと判明。
正気に戻ったらしい白の龍神によると、予言は緋龍を守るための保険であり、剣はスウォン、盾はハクなのだという。
4.スウォンは王の”剣”たるのか?
ずっとヨナを体を張って守ってきたハクが”盾”なのは、まあわかる。
が、、、スウォン?
彼はヨナの父をその手で殺している。
彼女の目の前で。剣で体を貫いて。
それが緋龍王=ヨナの”剣”になるのだろうか?
親が親を殺し、子がまた親を殺す。
代を跨いで続く死の連鎖。
スウォンの母は、この死の連鎖を断ち切りたいと願って亡くなった。
ヨナはそのスウォンの母の手記を読んでいる。
ヨナは、復讐の憎しみに囚われたくないと言っているし、赦す力を持った強い人だとシンアに言われている。
とはいえ、
愛するものを殺した相手を、
許せるものなのでしょうか?
”盾”が敵から王を守るものなら、”剣”は王のために敵を打ち払うもの。
スウォンがヨナたちを戻すため、緋龍王の亡骸に緋龍王の剣を突き立てたからなのでしょうか。
それとも・・・?
5.龍神は神ではなかった?
さらにこの巻では、新たな事実が判明した。
龍神は、世界を創造し左右するような”神”ではなかったらしい。
天界に住み、人間より長寿で様々な力を持っていて、人間に作用してその力を与えることもできる。
が、傷ついたら、死ぬ。
そして、死んだら魂となって、他の生き物たちの魂と共に、未来や次の次元へ移っていく。
ただの世界の、いち魂にすぎなかったらしい。
神様なのに。
まぁ、そうでなければ、生まれ変わりのシステムに乗ってヨナに生まれ変わらないか・・・。
龍神は神の名を持ちながら、絶対の存在ではなく、
この世界に、”神”はいなかった。
だからこそ、ヨナはその決意と魂で、龍神の定めた運命を壊し、切り開くことができた。
6.長い旅路の行末は
長かったこの物語も、いよいよ次で最終巻です。
好きな男と髪型しか頭になかったお姫さま。
が、
過酷な運命に放り出され、
運命を知り、
運命に立ち向かい、
王と認められた。
王は暁に還るのか。
盾は戻るのか。
そして、剣は王を守る刃になり得るのか。
最後の答えを、見届けたい。
著者:草凪みずほ (著)
ASIN : B0GJ7GRC2Q
出版社 : 白泉社
発売日 : 2026/2/20
言語 : 日本語
ファイルサイズ : 92.4 MB
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