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ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王 14巻 【ネタバレ読書感想文】 引き裂かれる心


★★★★☆
Amazonでレビューしたものです。

ベルクスの魔鎖・魔弓を退けたアバンとヒュンケルは、ヴィオホルン近辺で修業を開始。しかし次第に二人の心はすれ違い、運命の分かれ目を迎える!! 「師弟決別編」開幕!!



0.これまでの物語


ドラゴンクエスト・ダイの大冒険の前日譚。

ダイのアニメリメイクに合わせて連載が始まった本作は、ダイの師であるアバン先生が、かつて「勇者」として戦っていた時代を描いている。

戦士・ロカ、僧侶・レイラ、大魔導士・マトリフとともに旅をしたアバンは、魔王・ハドラーを打ち倒し、世界に平和をもたらした。
しかし、その平和は決して盤石なものではなかった。

倒されたはずのハドラーは、大魔王・バーンによって一命を取り留め、復活の機会をうかがうため精神体となって世界を彷徨っていた。一方、人間の側でも、各国の王や権力者たちは次第に世界の覇権を求め、互いに牽制し合うようになっていく。
魔王が倒れてもなお、世界は静かに歪み始めていた。

アバンは、魔王城で引き取った少年・ヒュンケルを連れ、故郷カールへと戻る。
父を失い、過酷な過去を背負うヒュンケルは心を閉ざし、アバンにもなかなか懐こうとしなかった。さらに、勇者アバンを「利用しよう」とする母国の空気や、各地に漂う不穏な気配に、彼は次第に違和感を覚えるようになる。

そんな中、仮面の男・魔剣のライゼがアバンの前に現れ、勝負を挑んでくる。これを退けたアバンだったが、自分がもはや「狙われる存在」になったこと、そして勇者として生き続けることの限界に思い悩むようになる。

やがてアバンは、ヒュンケルを養子に迎えたいという思いを打ち明ける。しかしヒュンケルは、
「自分には父親はいらない。欲しいのは、自分を強くしてくれる『先生』だ」
と答える。その言葉を受け、アバンは決断する。
自分は勇者ではなく、未来を担う者を育てる「先生」として生きるのだと。

こうしてアバンとヒュンケルは、師弟として世界を巡る旅に出る。

――第二部「先生編」の幕が上がる。


昔のマンガは実家にあるのでアニメリメイクに合わせて買い直したダイ。


1.すれ違う師と弟子の思い。そして・・・


魔剣のライゼを始めとした仮面の戦士たちに、アバンは執拗に狙われる。
ベルクスと名乗る彼らの正体は、魔界の武器職人によって生み出された「生きた武器」。人間の肉体を操って戦い、地上最強の勇者であるアバンの身体を奪うことを目的として、次々と襲いかかってくるのだった。

怪人島でベルクス二体――魔鎖、魔弓を退けたアバンとヒュンケルは、人里離れたヴィオホルンへと移動する。そこは、かつて地底魔城があった場所の近くでもあった。
ヒュンケルは、亡き父・バルトスと過ごした日々を思い出す。

剣の腕を磨くだけでなく、仲間を導き、守りながら戦う力も身につけていくヒュンケル。確かに成長はしていた。
しかし、アバンに対する態度は、相変わらずどこか距離を感じさせるものだった。

ヒュンケルの心の在りように思い悩んだ末、アバンは一つの決断に至る。

(私にはもうこれ以上彼を強くしてやれない
彼の心に整理がつかない限りは
心の技である空裂斬も身につけようがない
…おそらく…すべてを打ち明ける時が来たのだ…
父・バルトスどのから託された願い
それを胸に…
一人の人間として歩み始める時が…!)

その頃、ヒュンケルの前にはミストバーンが現れ、手下である影の魔者・シャドーが声をかける。
アバンを殺すために、力を貸してやろう、と。

戸惑う、ヒュンケル。
煽るシャドー。
ヒュンケルは怒りを爆発させる。

「適当なことを言うな!
おれの…おれの本当の気持ちを知りもしないくせに…!」


やがてアバンは、卒業の印をヒュンケルに手渡す。
もう教えてもらえない――ヒュンケルは大きな衝撃を受ける。
まだ教わっていたい。だが、その想いは言葉にならない。

さらにアバンは、ヒュンケルの剣に宿る殺気、邪気について語り続ける。
その言葉は、ヒュンケルの中に眠っていた怒りを呼び覚ましてしまう。
父・バルトスを殺されたという、消えぬ憤りを。

アバンへの敬愛。
父への愛情と復讐心。

その二つが、ヒュンケルの中で激しく衝突する。

アバンがバルトスとの約束を語る前に、ヒュンケルは剣を振りかざし、師に斬りかかる。
アバンはとっさに、鞘に収めた剣でストラッシュを放つ。
ヒュンケルの身体は、川へと投げ出された。

追いかけようとするアバンの前に、今度はベルクス四振りが立ちはだかる。
激闘の末、アバンは封印され、連れ去られてしまった。

一方ヒュンケルは、ミストバーンの手に落ちる。
こうして、師と弟子の道は、決定的に分かたれてしまった。


ダイのアニメはどっちも好きですが、昔のは途中で打ち切りになってしまい、リメイクでやっと完結しました。


2.心を育てる時間を


ヒュンケルは、ダイの時点で21歳。
ハドラーとの戦いの途中でマァムが誕生し、両親は祖父に預けて最終決戦に参加した。
最終決戦の後、ポップはお母さんのお腹の中で、アバンとヒュンケルの決別の後、この巻の最後にポップが誕生している。
ダイの時点でマァム、ポップがそれぞれ、16歳、15歳だったため、この時期のヒュンケルは、5〜6歳と言うことになる。

ヒュンケルがアバンに修行を受けた期間は、数ヶ月から長くて半年程度と推測される。

いやあ、強すぎでしょう。
小学1年生で大人顔負けの戦士って。

アバンはヒュンケルが懐いてくれないと嘆くものの、経緯から仕方ないとよく言えば受け入れ、悪く言えば諦めていた。
確かにつっけんどんな対応だが、ヒュンケルも、食事の内容を評価するなど、最初よりは僅かに態度は軟化していた。

しかし、彼の揺れる気持ちには、アバンは気づいていなかった。

それは、天才であるがゆえの、アバンの弱点だったのかもしれない。

他人に妬まれ阻害されることを恐れるあまり、他人と深く交わってこなかった喧嘩をしてこなかったようだ。
そんな彼にとって、ズカズカとヒュンケルの気持ちに踏み込んで、その心を開くというのは、しなかったしできなかったのだろう。

「ここからはあなたが自分で心を見つめ直し、さらに成長していって欲しい」

これこそ、アバンが手を伸ばし、導いて育てるべきではなかったのだろうか。

優しい魔物に育てられた特殊な生い立ちに加えて、父を殺され住んでいたところを壊され、仇に育てられるって、5〜6歳にはハードすぎる人生です。
半年かそこらでは乗り越えられるものではないでしょう。

もっと時間をかけて、剣よりも心を、育ててあげるべきではなかったのでは、ないでしょうか。

ダイの時から決まっていた決別。
でも、もう少しなんとかならなかったかな、と思ってしまいます。

まぁアバン自身もダイの時点で31歳だから、この時点では16歳。
そこまで望むのは、無理ということでしょうか。。。

そして、どうなるんだこれから・・・


作者の解説本はこちら。


3.みんなでパーティー!!!


そんなハードな展開で迎えた第55話・アバン絶対絶命。

見開き表紙イラストは、とても楽しいものでした。

今までの登場人物たちが、敵味方混じって楽しくご馳走を食べてるんですよ。しかも、みんな正装!

綺麗な正装のフローラ様。
幼いマァムがアバンに駆け寄り、追いかけるロカ。
笑顔のバルトスの横でマァムを見つめるヒュンケル。
マァムを見下ろすハドラー様の正装は、めっちゃ格好いいです。いつもの服より似合うなあ、なぜだ。。
ミストバーンの蝶ネクタイも可愛らしいです。
よく見るとダイの両親も??

みんな平和で楽しそうにパーティに参加しています。
これ誰だっけって言うのもいますが・・・

前にもプールネタがありましたが、この作者はこういうIFイラストが上手ですよね。

また巻末4コマも見たいです。


著者:三条陸 (著), 芝田優作 (著)
ASIN ‏ : ‎ B0G4V9741X
出版社 ‏ : ‎ 集英社 (2026/1/5)
発売日 ‏ : ‎ 2026/1/5
言語 ‏ : ‎ 日本語
ファイルサイズ ‏ : ‎ 142.6 MB

続きの15巻はこちらです!


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