【MBTI】直観型の生存戦略 ②N型バリアフリーの職場を考える
N型が生き延びやすい職場を考えてみる回。生存戦略しましょうか。
長いです(全部読むと7,000字)
1.N型バリアフリーの職場とは?
筆者blueはゴリゴリの直観型(N型)の自覚があるのだが、前回は「N型フレンズを作りたい」というプライベート面について考えた。
今回は一転、現実的な話になる。N型にとって不自由感を感じることの少ないバリアフリーとなる職場はどんな環境なのかということだ。
総じて言うと「不文律が少ない職場」「マイクロタスクの少ない職場」といったところになるのかな。
2.不文律が少ない職場
①ルールや教育が明文化されている職場
N型にとって働きやすい職場はルールが明文化されている職場である。具体的にはマニュアルがあるとよい。たとえば営業ならトークスプリクト、事務職なら雛形や記入例、技能職なら作業手順書といったものが整備されているとやりやすい。
マニュアルはバカにされがちだがあると便利だ。わからなくなったときに文章と言語で引けるとやりやすいし、あれば単純にミスが減る。質問するときも確認したり、類推解釈してから聞けるので、質問する側・される側の双方で負担が少なくなるからだ。
マニュアルが作られない=不文律が多いということであり、それは動作性IQ>>>言語性IQの人が多いと職場ということになる。会社のノウハウが未整備だと個人の能力やアドリブで補う形になるため、N型ではついていけず淘汰されやすい。結果として局所最適型人材=SP型が多数派となるようだ。
そのような職場は業務標準化やマネジメント、教育は苦手なので「見て盗め」「習うより慣れよ」という感じになるため、N型は苦手となりやすいだろう。人に教えること自体にストレスを感じる人が多いため単純に質問しにくくなる。そしてミスも増えるので雰囲気はより悪くなるという感じだ。
もっともこれはSP型が悪いというわけではない、適者生存の結果として生態系環境がたまたまそうなっているだけで、受験勉強をやらせるとINTJやINTPが強いのと同じことだ。そのSP型が得意なフィールドでN型が正面から勝負するのもナンセンスだろう。
②意見交換を行いやすい職場
N型は意見交換を行いやすい職場で働いた方が生き生きするだろう。NT型なら喧々諤々のディスカッションを交わすと楽しいし、NF型なら内面性の相互理解がモチベーションに直結するからだ。N型にとって一定の思想を持った人と意見交換ができる環境は、個人的にはマストだと思う。
パワハラやノルマなどで意見交換が抑制されている職場はいくら給料や待遇がよくても全く楽しくないだろう。そうでなくても、意見交換に消極的な職場はきっと薄味で物足りなさを感じると思う。コチラがどれだけ熱心に喋っても響かないし、相手から意見をぶつけてくることもないからだ。
ディスコミュニーションに陥っている職場は会話のパターン・話題のバリエーションが少ない。単語量は少なく主語も省略されやすい。またS型の多い職場は動作や表情、タイミングといった非言語コミュニケーションの情報量は多く、前例や経験則を信頼するため不文律が多くなりやすい。
N型はこの意思疎通や不文律の部分で苦労することが多い。動きや物覚えもとろいので空気が読めないヤツになりやすいのだ。この点S型は周りを状況を見て注意を払うため、とりあえず個人レベルでは順応できるためか、コミュニケーションが不完全な職場でも働くこと自体は可能なようだ。
③抽象的思考をある程度行える職場
N型は抽象的思考を持つ人が多い職場で働いた方がいい。一般的には、大手企業や官公庁など社格が上がるとN型がいる職場に当たる率は上がる。また業界ではITは多いだろう。中小企業や営業職・現業職になってくるとこうした人材は減ってきて、SP型のように実働に強い人種が多数派となる。
N型の話は残念ながらS型には伝わらないことが多い。これはS型の感覚がN型では知覚できない、あるいはS型の動作がN型では再現できないのと対照的で、言語領域や抽象領域のスケールだとこうなってしまうようだ。
抽象的思考の程度に差があるためで、一度具体のスケールに変換する必要がある。すると表現が冗長となり解像度も落ちる。そして話が伝わらない場合こちらの責任にもなってしまう。こうしてコミュニケーションコストが高くついてしまい、しんどくなってしまう。
④仕組み化を行える職場
そして抽象的思考のレベルに差があるということは、思想を持たないために深い議論が難しいということでもある。つまり業務改善を行ったり、新しい取り組みを始めたり、ということが発生しづらいということでもある。言い換えれば、仕組み化ができないから中小企業であり続けるのだ。
中小企業や営業職、現業職は個人能力に依存する職場が多い。そのため個人商店の集まりといった雰囲気になりがちで、そのノウハウは個人最適化にとどまり全体最適化はされない。そのため感覚・運動・記憶・メンタルに優れた個人でないと長くは働きづらいかもしれない。
N型は個人能力で勝負するよりも仕組み化や業務改善した方が強いので、企画職・間接部門職の方が活躍しやすいだろう。とりわけ全体最適化志向の強い人は、営業職などのプレーヤー業務に対するモチベーションが低めなことが多いので特にそう思う。
3.マイクロタスクの少ない職場
①アドリブやマルチタスクの少ない職場(特にINxJ)
N型はアドリブ・マルチタスクの少ない職場を選ぶとよい。即興性や突発的対応、差し込みや割り込み、不文律や不確定要素が多い職場を避けるだけでもストレスは減ってQOLは上がるだろう。
N型は空想や妄想に耽ったり長考することがしばしばある。集中力を発揮できるシングルタスクの職場がいい。マルチタスクが求められる環境だと常に注意力を保っていなければならないので不注意が目立ってしまう。夜間や休日の電話が頻繁にある職種もQOLが下がるだろう。
一応筆者の認識だと、集中力=感覚を遮断する、注意力=感覚を研ぎ澄ませるという認識でいる。勉強とスポーツの得意がなかなか両立しないのはこれが理由だと勝手に思っていて、N型は一点集中する力は優れているが注意力を保つのは苦手な人々だと思っている。感覚を遮断してしまうためだ。
②マイクロタスクが少ない職場(特にENxP・INxJ)
N型はマイクロタスクの少ない職場がいい。N型は俯瞰的視点や長期的見通しを考えることは得意だが、事実認識・その場しのぎを苦手としやすく、優先順位を付けることを苦手とすることが多いからだ。部屋の汚い人などは心当たりがあるだろう。
マイクロタスクとは、電話やメール、郵便やFAX、カギやスイッチや来客対応、リストや様式の見直し、金額や日付の確認といった、考えるまでもないような小さいタスクである。この小さいタスクが大量にあると、おそらくN型は非常にストレスが溜まってしまう。
理由としては、N型は長考や洞察で物事を把握しようとするクセから、目で見た時の状況理解が遅く、ワーキングメモリにも難があるため注意の頻繁な切り替え、記憶の頻繁な読み出しなどが苦手な人が多いからだ。加えてHSPの場合は気持ちの切り替えも課題になるだろう。
もうひとつの理由としては取捨選択が苦手という点だ。選択肢・可能性を常に浮かんでしまったり、未来志向で先の展開を読む習性から「今だけ・ここだけ・自分だけ」に徹することが難しい。即興性や短期目標を求められたり、変化の激しい職場は避けた方がいいかもしれない。
③フレックスタイムの職場
フレックスタイムの職場はN型にオススメだ。N型は時間の感覚にユルいことが多く、思案することからしばしば夜型に引っ張られる人が多いからだ。遅刻の概念がなくなるのはありがたい。
またこれはN型はというより筆者個人な話なのだが、この手の人は気分がノッた時とそうでないときの差が激しい人が多いように思う。フレックスだと過集中に入った勢いで片づけたい日、気が散ってしまって仕事にならない日とメリハリを付けられるので働きやすいと思う。
4.S型が多い仕事 N型が多い仕事
N型とS型比率は、業種・職種で偏りが生じやすい。ざっくり言うと、N型=知性や発想に優れる S型=感覚や運動に優れる ということであるので、その人口比率によって業界のビジネスモデル、社風、企業文化に影響してくるためだ。
N型の多い職場は仕組み化によって資本や知識を集約した職場であることが多い。そのため利益率高く労働環境も良いことが多い。一方で合理化を積極的に行うため全体に占める就業人口が少なく、入社難易度が高いという欠点もある。業務改善をするために一番削るべきなのは人件費だからである。
逆にS型の多い職場は手堅いという長所がある。参入障壁の低い仕事をマンパワーで回すことが多いためだ。参入障壁が低いので入社難易度も低めである。反面合理化を行わないため個人の能力に大きく左右しやすく、誰でも務まるわけではない。この環境ではN型は特に落ちこぼれやすい。
①N型は資本集約型産業・知識集約型産業に多い
N型が多いと組織集団は仕組み化やパターン化を用いて業務を標準化しようとする。個人の実力よりもシステム(やり方)を信頼するためだ。同時に労働生産性の向上を目指すので、利益率の向上&費用の低下という金銭的メリット、および省力化による時間的メリットも達成されやすい。
標準化によるスケールメリットを活かせる資本集約型産業、専門知識を活かせる知識集約型産業はN型が多くなる。これらの業界は利益率が高いが、一定の企業ノウハウ(=抽象的思考)を行えないと実現は難しい。
また合理化するため就業人口は全体で見るとさほど多くない。これはIT企業を考えればわかりやすいが、合理化すると人件費が浮く(=就業人口が減る)のである。そしてN型自体も少数である。
②S型は労働集約型産業に多い
S型が多いと組織集団は属人化しやすい。業務の遂行はプレーヤー個人の力量に依存するためだ。S型の人材は処理能力が高いため仕組み化やパターン化を用いない組織でも働きやすいが、その反面、彼らが多数派を占める組織では仕組み化やパターン化がされにくくなる。
そのため労働集約型産業は必然的にS型が多くなる。中小企業などは典型的で、仕組み化や業務標準化を行わないため、大規模化が難しいためだ。そしてこれらの企業は労働力さえあれば新規参入ができるが、反面労働力で稼ぐために利益率が低く、薄利多売的な働き方となる。
労働集約業故に就業人口は全体で見ると多くなる。労働者目線で見た場合、裾野が広く敷居が低いのはいいところだろう。筆者もここで正社員としてのキャリアを積ませてもらった。
③公務員という特殊市場
特殊なのは公務員(役所・学校・病院)で、労働集約型産業であるため労働生産性は低いが、市場原理が正しく機能していないため労働環境や待遇は高く保たれている。公務員人件費の原資は税金や健康保険であるためだ。
公共サービスは公共財であるため非競合性と非排除性を持つ。フリーライダーが排除できない問題はあるが、その一方で実質的な価格決定権を行使することができる。つまり賃上げしたければ値上げすればよい。インフラ企業(電気・ガス)もこれに準じている。消費者は価格改定を拒否できない。
公務員は労働集約業であるが、待遇がいいことは周知の事実であり、筆記試験が難しいこともあってN型がそれなりに入り込む。ただし業務自体は労働集約業そのものなのでギャップはあるようで、筆者の様に面接で門前払いされるN型もそこそこいると思われる。
5.N型の生存戦略
N型は資本集約型産業・知識集約型産業に行くか、間接部門や行政職公務員といった現場性の薄い職種に行った方がいい。待遇がいいのも確かにあるが、そうしないと適性とキャリアパスが一致しないからである。N型の本領は企画であり、実働要員はなるべく避けるべきだ。
ただしそうした職場はN型S型関係なく人気なので、高学歴者や美人女性のような強いカードを持った人が殺到する。面接試験はS型の方が強いこともあり、実際には高学歴者でもN型はあぶれやすいのが現実だろう。
現実としてそれらの業種・職種に行けるとは限らないが、ただその場合でも腐らずに努力を続けることが大切だ。同じ業種・職種でも会社を変えると好転することもままあるからだ。とりあえずやった方がいいことを書いてみる。
①資格を取る
N型はとりあえず資格を取った方がいい。資格は求職者が積むことができる数少ない仕込みであり、N型が握れる貴重なアドバンテージだからだ。やらない理由がない。
語学系:英検 TOIEC TOEFL
会計系:日商簿記検定2級以上 FP検定2級以上
総務系:第一種衛生管理者 CCNA
情報系:基本情報技術者試験以上
法律系:宅地建物取引士 管理業務主任者 賃貸不動産経営管理士
以上の資格は特に目的もなく取っても大丈夫なヤツだ。ローコストで取れそうなものから順不同で受験し、合格したものから履歴書に書いていってもかまわない。1個だけ取っても弱いが、一通り取って5個以上埋めておけば社会人として一定の教養がある人とみなされるだろう。
これに加えて担当業務に直結する専門系資格を何かしら取っておくと強い。経理なら日商簿記検定1級・簿記論財務諸表論、人事なら社会保険労務士といった具合だ。筆者の場合は消防設備士・ビル管理士で、これがあると防災屋かビルメンにはなれるので最悪餓死はなくなる。
最後の不動産系は、基本的には営業職の資格になるので、営業職を考えていない人はやらなくていいし取っても書く必要はない。ただ取っておくと不動産管理業界は行けるため、ガチの営業よりはラクになる。間接部門に受からない人は保険として取っておくと可能性が広がる。
②転職する
スキルや資格がある程度溜まったら転職をしよう。方向性としては、キャリアアップ(社格や年収を上げる)か、キャリアチェンジ(現業職の薄い仕事に移る)のどちらかだ。この辺は年齢性別やライフステージとの相談になるだろう。
1回では希望職種には移れないこともある。その場合はスライド転職を行う。これは隣接業界・隣接職種にスライドする転職方法で、未経験職種にチャレンジできる上、実務経験を活かせるので受かりやすい。
たとえばビルメン(作業員)が宅建や管業、賃管を取ってビルマネジメント(営業)に移るといった具合だ。総務人事などの間接部門を狙う場合、作業員からいきなり狙うのは難しいため、一度営業を挟んでロンダリングするといった具合だ。
③金策(トレードや副業など)
N型は年齢にかかわらず金策をやった方がいい。35歳以下の場合は可処分所得を少しでも増やすために重要だし、35歳以上の場合はキャリアの袋小路(キャリアの失敗)に対する保険になるので尚更重要性が増す。
とりあえず会社の外で収入を得られるなら何でもいいが、トレードやアフィリエイトブログなどがいいだろう。理由はストックビジネスだからで、規模の経済性が働くからだ。投資金額やコンテンツは積み重ねるだけ強くなるが、手間自体はあまり変わらない。
転売やワーク系は自分自身が内職作業をすることになるのであまりおすすめしない。アルバイトは労働になってしまうので、副業禁止規定に引っかかる場合もあるため会社の就業規則をよく確認した方がよい。
まとめ
今回はN型が働きやすい職場について書いてみた。障がい者バリアフリーはあっても、N型バリアフリーの職場はあまりないのが現実だ。ただし働きやすい職場は、作業環境が人間の習性に基づいて合理的に整備されていることが多い。
良い職場はオフィス環境、営業の掛け方、事務のワークフロー、マニュアルや引継ぎ、いずれも考えられている。感覚を酷使せず、心理的負担が少なく、人為的ミスも少なくなるように工夫されている。そしてそれを実現するためには業務改善と全体最適化が不可欠となる。
それがESやCSに反映されて、ひいては低離職率や高利益率に寄与しているという形だ。成長を続ける中でいずれ特異点(テイクオフ)を迎え、大企業へと成長していく。
これが整備されていない職場は、ストレスが溜まりやすいし、離職者も多く、ひいては金儲けも上手くない環境になるだろう。N型は適者生存原則に敗れて早々に淘汰されていなくなるが、最終的に残るSP型も決して働きやすい職場ではない。要は淘汰が早いか遅いかという問題でしかない。
そのSP型は座学を苦手とすることが多く、わざわざ転職活動やキャリアチェンジをして適性のある現業職を離れるメリットも薄いため、結果として現職に残りやすいという構図になる。そしてSP型は局所最適化志向が強いため、業務改善よりも個人の感覚・運動で解決する方法を選ぶというわけだ。
またここで書いた話は、ディスクレパンシーの大きい人(言語性IQ>>>動作性IQの差が概ね15以上)、あるいは作動記憶に難のある不注意優勢型の人にも当てはまりやすいと思う。
筆者はMBTIと発達障害を結び付ける言及は一応避けるスタンスでいるが、職場や人間関係といった環境適応に関しては割と被る要素が多いのではないかと考えている。筆者自身がその気があるのでここは割とリアリティがあると思っているが、いかがだろうか。
