日本の音楽はそのままでいい。Janet Jackson×BE:FIRSTのコラボが見せてくれたJ-POPの未来図
こんにちは。Lily-Kです。
BMSGとその音楽に関する話題を海外向けに発信する「BMSG Pulse」を運営しています。
先日のBE:FIRSTとJanet Jacksonさんの共演は、多くの音楽ファンにとって驚きとともにすごくワクワクするニュースでしたね。
この共演を見た当初は、「すごいコラボだな」という驚きしかありませんでした。
でも、その後公開された一本の動画を見て、この出来事の見え方が少し変わりました。
夢のコラボ曲リリース
BMSG所属のダンスアンドボーカルグループ、BE:FIRSTが、先日Janet Jacsonさんのヒットナンバー「Doesn't Really Matter (Remix)」のリミックス曲を彼女自身とのコラボレーションでリリースしました。
加えてBE:FIRSTは、Janetさんの横浜公演ではオープニングアクトを務め、
そして、アンコールでは同曲のステージ共演披露も果たしました。
ここまでも十分に「歴史的な出来事」だったと言えます。
でも、私がこの共演の意味をより深く考えさせられたのは、公開されたドキュメンタリータッチの動画を観てからでした。
初対面の様子から、レコーディング風景、ライブ本番、
そして終演後までを追ったドキュメンタリー風の動画です。
見終えたとき、もしやこれは単なるコラボレーションではなかったのかもしれないと思いました。
一本の動画が、見え方を変えた
今回公開された映像は、単にコラボパフォーマンスを納めただけの動画ではありませんでした。
BE:FIRSTとJanetさんの初顔合わせの瞬間から、
レコーディングで言葉を交わす様子、
ステージで一緒に歌い踊る姿、
そして終演後の会場外でのファンへの挨拶と笑顔。
ここまで一連の流れが丁寧に記録されています。
これを見ると、このプロジェクトは最初から「一つの物語として残す」ことを前提として考えられていたのではないかと思えてきます。
本当の意図は分かりません。
しかし、少なくとも私にはこれが、
「ライブパフォーマンスの記録」ではなく、
「コラボレーションそのものを記録する作品」
のように映りました。
「選ばれた」?「託された」?
この共演について、多くの人が
「Janet JacksonがBE:FIRSTを選んだ」
と語っています。
もちろん、それは事実なのでしょう。
でも、それ以上に印象に残ったことがあります。
BE:FIRSTは、単にオープニングアクトを務めただけではありませんでした。
Janet Jacksonの代表曲の一つを、彼女自身とのコラボレーションとしてリリースしているのです。
その楽曲収録だけではなく、自分のステージを温める役目、そしてさらにそのステージの一部を任せる。
それは、大きな信頼がなければできないことです。この種の起用は、アーティスト側が「音楽性」「パフォーマンス力」「会場を温める力」を高く見ているサインだと思います。
特にJanet Jacksonほどのレジェンドのライブでは、お客さんのほとんどはJanetを観に来ています。
そして実際、ライブ後には海外からも
「名前だけは知っていたけれど、ここまで完成度の高いグループだとは思わなかった」
「人気がある理由が分かった」
といった声があったとの投稿も数多く見られました。
BE:FIRSTは、その信頼にパフォーマンスで応えたのだと思います。

Janetが観ていたもの
世界的アーティスト同士のコラボレーションにビジネスの側面があるのは当然ですが、それだけではないものも感じました。
Janetさん側は、日本のグループなら誰でもよかったというわけではないでしょう。
一方で、BE:FIRSTもJanet Jacksonのスタイルをなぞってコピーするようなパフォーマンスをしようなどとはしていませんでした。
言わずもがな、Janet Jacksonの存在感は唯一無二。
そして、BE:FIRSTにもまた彼らにしか表現できないボーカル、ラップ、ダンスがあります。
互いが互いを消すのではなく、それぞれの個性を際立たせたまま、英語と日本語が自然に行き交うパフォーマンスが成立していました。
だからこそ、このコラボレーションには特別な説得力があったのだと思います。

J-POPの未来にもつながっている
今回の共演を見ていて、私は一つ考え方が変わりました。
これまで「海外進出」というと、英語で歌うこと。
海外のアーティストと共演すること。
欧米の音楽に近づくこと。
そんなイメージをどこかに持っていました。
でも今回感じたのは、BE:FIRSTはJanet Jacksonの音楽を単になぞろうとしたわけではないし、
Janetさんもまた、BE:FIRSTを自分色に染めようとしていなかったというところ。
BE:FIRSTがJanetさんをリスペクトしているのはもちろん疑いようもないですが、Janetさんもまた、BE:FIRSTの音楽とパフォーマンスに対しリスペクトを持って共演していることが感じられました。
どちらもがシンプルに一緒に音楽を楽しんでいる姿を見ていて、強く思いました。
日本の音楽はそのままでいい。
何かに寄せる必要などにないのだと。
もし日本のアーティストが世界へ向かうなら、大切なのは「海外らしくなること」ではなく、日本で育まれた音楽や文化を、そのまま魅力として届けることなのかもしれません。

BMSGだけではなく、J-POP全体の話
最近、MUSIC AWARDS JAPANについて考えた記事を書いたときにも感じたことがあります。
BMSGのアーティストさんたちが世界で活躍する未来を楽しみにする気持ちはありますが、それは、BMSGだけが世界へ出ていけばいい、という話ではないと思うのです。
日本の音楽がJ-POPと呼ばれるようになって久しいですが、そこには、多種多様でありながらも日本独特の素晴らしい音楽がたくさんあります。
J-POPという文化そのものに興味を持ってもらう人が増えてこそ、日本のアーティストたちそれぞれの可能性も広がっていく。
今回のJanet JacksonとBE:FIRSTの共演は、そのことを改めて考えさせてくれました。
一つのリミックス。
一つのライブ。
一本の動画。
その積み重ねは、「海外へ進出する」ということを、単なる市場の拡大ではなく、文化と文化が出会うことなのだと教えてくれたような気がしています。

Written by Lily-K | BMSG Pulse
※掲載画像はすべて「Janet Jackson & BE:FIRST - Doesn't Really Matter (Remix)」公式YouTube動画より引用。
※今回の記事の英語の元記事はこちら。
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