【背景制作 #6】背景は「どこから作るか」で完成が決まる
背景は「どこから作るか」で完成が決まる
この記事では、
背景制作で迷わないための「作る順番」について解説する。
気になるところから読んでOKです。
目次
小物から作ると、必ず迷う
まず「それがないと成立しないもの」を作る
画面占有率の高い場所からクオリティを上げる
背景の8割は、最初に決まる
背景制作は「順番の仕事」である
どこから作るべきか
背景は「作る前」に決まる
背景制作で、初心者がよく迷うことがある。
「何から作ればいいのか分からない」
とりあえずモデルを作り始める。
小物を作る。
草を置く。
岩を置く。
それっぽく見えてくる。
だが、途中で気づく。
「なんか違う」
画面がまとまらない。
雰囲気が決まらない。
どこを直せばいいのか分からない。
背景制作では、これが一番つらい状態である。
だが原因は、技術ではない。
作る順番の問題である。
小物から作ると、必ず迷う
背景に慣れていないと、
人は作りやすいものから作りたくなる。
小岩。
草。
柵。
樽。
こういうものは作りやすい。
数を置けば、それらしく見える。
しかし、シーンの印象はほとんど変わらない。
背景の印象を決めるのは、
小物ではない。
世界(=背景)の骨格である。
まず「それがないと成立しないもの」を作る
私が背景を作るとき、
まず最初に考えるのは
「それがないと背景として成立しないもの」
である。
例えば、
屋外なら
空、地面、遠景。
屋内なら
床、壁、天井。
つまり、その空間が
「何の場所なのか」を決める要素だ。
これを先に作っておかないと、
そもそも世界として成立しない。
だからまず、
背景の骨組みを作る。
ここではまだ、
クオリティは高くなくていい。
まずは
空間として成立する最低限を作る。
次に「画面占有率の高い場所」からクオリティを上げる
骨組みが出来たら、
次にやることは決まっている。
画面にたくさん映る場所から、クオリティを上げていく。
地面。
建物。
山。
大きな構造物。
つまり、
画面占有率の高い場所である。
なぜなら、
プレイヤーが一番長く見るのは
そこだからだ。
背景制作では、
まず成立条件を作る。
次に占有率の高い場所のクオリティを上げる。
この順番が重要になる。
順番を間違えると、
あとで必ず作り直しになる。
これはアニメ背景でも同じだった
私はゲーム会社に入る前、
ほんの短い期間だがアニメ背景を描いていた。
アニメ背景では、
まず最初に描かされるものがある。
立方体である。
立方体。
円筒。
球。
この三つが、背景の基礎だ。
建物も、岩も、
ほとんどはこの組み合わせでできている。
だから最初に
面の取り方を覚えさせられる。
背景は、細部ではなく
構造で描くものだからだ。
背景の8割は、最初に決まる
ここまでの記事でも書いてきたが、
背景制作は、作業の後半で逆転する仕事ではない。
むしろ逆だ。
最初の判断で、完成の大半が決まる。
地面の形
構造物の位置
カメラからの見え方
大きなシルエット
これらが整っていれば、
あとからいくらでもディテールは足せる。
だが骨格が崩れていると、
どれだけ作り込んでも、
画面は整わない。
背景制作は「順番の仕事」である
新人の頃、
一週間で20部屋作れと言われたことがあった。
そのとき最初にやったのは、
モデリングではない。
全体を数えることだった。
何が共通化できるのか。
どこを使い回せるのか。
どこが一番面積を占めるのか。
そこから作る順番を決めた。
もし小物から作っていたら、
絶対に間に合わなかったと思う。
どこから作るべきか
背景制作では、
基本的にこの順番で考える。
成立条件になる要素
画面の骨格
面積の大きい要素
視線を集める構造物
小物
この順番を逆にすると、
あとで必ず帳尻合わせが発生する。
そして帳尻合わせは、
だいたい作り直しになる。
背景は「作る前」に決まる
背景制作は、
モデリングの技術の話ではない。
判断の順番の話である。
どこから決めるか。
何を後回しにするか。
その判断が、
制作の難易度を大きく変える。
背景は、
作り始めてから悩む仕事ではない。
作る前に決める仕事である。
次回は、
「クオリティをどこで確定させるか」について書く。
背景制作では、
最初の一歩を間違えると、
最後まで迷い続けることになる。
逆に言えば、
最初の基準さえ作ってしまえば、
制作は一気に楽になる。
