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【背景制作 #8】色はライティングである

背景制作で、初心者がよく悩むことがある。

「色が決まらない」

岩の色。
地面の色。
建物の色。

テクスチャを塗っても、
なんとなく違う気がする。

色を変える。
また変える。

だが、なかなかしっくりこない。

しかし背景制作では、
この悩みには明確な理由がある。

それは

色を単体で考えているからだ。


この記事では、背景の色が決まる仕組みを順番に整理する。
気になるところから読んでOKです。

目次

  • 色は単体では存在しない

  • 背景の色を決めるもの

  • テクスチャだけで色を決めると破綻する

  • ライティングが決まると色は揃う

  • これはアニメ背景でも同じだった

  • 色は塗りではなく設計である

  • PBRでもライティングは重要なのか

  • ゲーム制作では制約がある

  • アセットを置くだけでは成立しない

  • だからライティングを理解しておく

  • 背景制作は「光の設計」である


色は単体では存在しない

現実の世界では、
物体の色は単独では決まらない。

同じ岩でも、

  • 晴れの日

  • 夕方

  • 曇り

  • 室内

すべて違う色に見える。

なぜか。

光が違うからである。

つまり、

背景の色は
テクスチャだけで決まるものではない。

光との関係で決まる。


背景の色を決めるもの

背景の色を決めているのは、主にこの要素である。

  • 光源の色

  • 空の色

  • 環境光

  • 反射光

  • フォグ

これらが組み合わさって、
最終的な色が決まる。

例えば夕方のシーンなら、
世界全体がオレンジに染まる。

地面だけが灰色のまま、
ということはない。

光が変われば、
世界の色も変わる。


テクスチャだけで色を決めると破綻する

初心者がよくやってしまうのが、
テクスチャだけで色を完成させようとすることだ。

岩は岩の色。
草は草の色。
木は木の色。

それぞれを「いい色」で作る。

だがこの方法だと、
シーンはまとまらない。

なぜなら

光の条件が共有されていないからである。

世界の中で、
それぞれが別の環境にいるような状態になる。


ライティングが決まると色は揃う

逆に言えば、

ライティングが決まると
色は自然に揃う。

太陽光の色。
空の色。
フォグの色。

この三つが整うだけで、
シーンの統一感は大きく変わる。

テクスチャはその上に乗る。

だから背景制作では、

まず光を整える。


これはアニメ背景でも同じだった

アニメ背景でも、
まず最初に決めるのは

空の色である。

空が決まれば、
地面の色も決まる。

遠景の山の色も決まる。

なぜなら
それらはすべて

同じ光の中にあるからだ。

3Dでも、
原理は変わらない。


色は塗りではなく設計である

背景制作では、

色は単なるテクスチャではない。

光の設計である。

どこから光が来るのか。
どんな時間帯なのか。
空気はどんな色なのか。

それが決まると、
世界の色は自然に整う。

逆に言えば、

ライティングが決まっていない状態で
テクスチャを作り込んでも、

色は永遠に迷い続ける。


PBRでもライティングは重要なのか

3D背景では、
もう一つ大きな要素がある。

ライティングと深く関係するのが、
PBRベースの制作である。

Unreal Engine や Unity(HDRPなど)では、
物理ベースのマテリアルとリアルタイムGIによって
かなり自然なライティングが得られる。

Megascansのような高品質アセットを配置するだけで、
それらしいシーンが成立することも多い。

では、こういう環境では
色やライティングを意識する必要はないのだろうか。

結論から言うと、
むしろ重要になる。


ゲーム制作では制約がある

実際のゲーム制作では、

  • スマートフォン向けタイトル

  • 描画負荷の制約

  • ベイクライト

  • stylized表現

などの理由で、
完全な物理ベース表現が使えないケースも多い。

特にモバイルゲームでは、

  • リアルタイムGIが使えない

  • ライト数に制限がある

  • テクスチャ容量が限られている

といった事情がある。

その場合、
最終的な見た目を整えるのは

ライティング設計になる。


アセットを置くだけでは成立しない

アセットを配置するだけでは、
シーンの統一感は生まれない。

  • 時間帯

  • 空気遠近

  • フォグ

  • 環境光

こうした要素を整えない限り、
シーンはバラバラに見える。

これは、
PBRでも同じである。


だからライティングを理解しておく

PBRは便利な技術である。

しかし、
シーンの印象を決めるのは
依然として光である。

光を理解していれば、

  • stylized背景

  • モバイルゲーム

  • 写実背景

どの表現でも応用できる。

逆に言えば、

光を理解していないと、
どの表現でも迷うことになる。


背景制作は「光の設計」である

背景制作は、

モデリングの仕事に見える。

だが実際には、

空間を設計する仕事である。

形。
距離。
光。

それらが揃って、
初めて世界が成立する。


次回は、

「新人が迷う理由」

という話を書こうと思う。

背景制作で迷うのは、
センスがないからではない。

判断の順番を知らないからである。

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