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アフリカの送金革命!急成長する国際送金市場とスタートアップの動き!〜アフリカ送金市場のトレンド:後編〜

前編でお伝えした通り、アフリカにおける国際送金(リミッタンス)は、単なる母国への家族の支援を超えて、経済・社会構造をも変革する重要なインフラとなっています。

2025年に入り、この分野ではスタートアップの活躍が一層目立ち、送金手段の多様化、コスト削減、そして新たな地域への拡大といった動きが加速しています。

本記事では、海外からアフリカへの送金サービスの最新トレンドを整理します。


国際送金は最大の外貨獲得源に

アフリカでは、海外在住ディアスポラから本国への送金(リミッタンス)が、サブサハラ以南アフリカで年間で約574億ドル、アフリカ大陸全体では年間で約1,000億ドル規模の市場となっており、今後も年率約10%の成長が見込まれています。

ケニア、ナイジェリア、ガーナなど多くのアフリカ諸国において、ディアスポラ(海外移住者)からの送金は今や観光、農産品輸出、FDI(外国直接投資)を上回る最大の外貨収入源です。

例えば、ケニアでは2024年に約49億ドル(約6,400億シリング)が送金として流入し、これは茶(約13億ドル)、観光(約35億ドル)を大きく上回っています。

こうした送金は家族の生活費や学費だけでなく、不動産投資や地方ビジネスの資金源としても機能しており、地域経済の活性化に大きく寄与していると言われています。

スタートアップが推進する低コスト・高速化!

そして近年注目されているのは、従来の銀行・Western Unionなどに代わる新興の送金スタートアップの登場です!

この様な背景の中、国際送金サービスを展開するアフリカのスタートアップが増加し、また資金調達も活発に行われています。

ここでは注目の4つスタートアップをご紹介します。

① Chipper Cash

  • Chipper Cash はアフリカを中心にモバイル送金・クロスボーダー決済サービスを提供するフィンテック企業です。

  • ユーザー数・対応国も拡大しており、「アフリカ大陸横断/モバイルウォレット連携」モデルの代表格となっています。

  • 直近では、ブロックチェーン基盤を活用した送金パートナーシップ(Ripple との提携)を発表しています。

画像引用元:公式ウェブサイト

1. 直近の資金調達

  • 総額で約 US$305 million を調達済。

  • 2021年には Series C ドレッシングとして約 US$100 million を調達。 

  • 最新のニュースでは具体的な2025年ラウンドの金額は確認しにくいですが、2025年でも拡大フェーズにある模様です。

2. 国際送金サービスの特徴

  • モバイルウォレットからの送金・受取を可能とし、銀行口座がない層にもアクセス可能。

  • クロスボーダー送金を「モバイル送金感覚」で提供する点が強み。

  • ブロックチェーンや暗号資産技術(Ripple等)を活用し、「低コスト/高速送金」も推進。

3. 洞察

  • アフリカ諸国で依然として銀行口座未保有者が多い中、モバイル送金を活用した送金チャネルの確立は「金融包摂(Financial Inclusion)」の観点から重要。

  • 送金コストや為替遅延を抑えることで、ディアスポラから母国への送金がより効率的になり、受取世帯の生活支援・教育・起業資金としての活用が拡がる可能性があります。

  • さらに、新技術(ブロックチェーン)を導入することで、アフリカへの国際送金インフラ自体の革新に寄与しています。

② LemFi

  • LemFi は主に欧米(英国・カナダ・米国等)在住のアフリカ系ディアスポラを対象に、アフリカ本土への送金サービスを展開するスタートアップです。

  • 対応国数を拡大しており、ヨーロッパ進出・北米拡大といった動きも報じられています。

画像引用元:公式ウェブサイト

1. 直近の資金調達

  • 2025年1月に US$53 million の Series B 調達を実施。これにより調達累計が約 US$85 million に到達。

  • 同時期に英国のカード発行会社を買収するなど、機能拡張にも動いています。

2. 国際送金サービスの特徴

  • 欧米からアフリカへの送金コースを重視し、ディアスポラが「母国へ/あるいはアフリカ内別国へ」送金できる設計。

  • クレジットカード発行・口座開設支援など、送金だけでなく金融サービスを包括的に提供する方向。

  • 対象国数・送金チャネルを拡大しており、アフリカ本土だけでなくアジア・欧州・北米にも展開。

3. 洞察

  • ディアスポラが多く居住する先進国(北米・欧州)ルートを活用することで、アフリカへの送金市場の“入り口”を強化できます。

  • 従来の銀行/送金業者ではカバーしにくかった低額・複数国送金を効率化し、送金コスト削減・スピード改善の両立を図っています。

  • また、送金が単なる仕送りから“金融資産化”“投資・クレジットへの展開”へ向かう流れを示しており、母国資金流入の多様化に寄与します。

③ Moniepoint

  • Moniepoint はナイジェリアを拠点とするフィンテック企業で、ビジネス決済、小売代理店、送金・銀行サービスまで幅広く手がけています。

  • アフリカ諸国の中で急速に成長しており、ユーザー数・取引件数ともに大規模です。 

画像引用元:サービスサイト

1. 直近の資金調達

  • 2024年10月に US$110 million の Series C 調達を実施し、ユニコーン(評価額 US$1 billion 以上)となりました。

  • 2025年1月には、グローバル決済大手の Visa からも戦略的出資を受けています。

2. 国際送金サービスの特徴

  • 主にナイジェリア国内での決済・代理店網強化を基盤に持ち、アフリカ域内およびディアスポラ向け送金サービスも展開を拡大しています。 

  • 送金+ビジネス銀行サービス+受取代理店/モバイルマネー統合という“総合金融プラットフォーム”的構造を備えています。

3. 洞察

  • アフリカ最大級人口国かつ金融包摂ニーズの高いナイジェリアにおいて、決済・送金の中心プレイヤーとなることで“アフリカ内送金”+“ディアスポラ送金”双方を捉えられるポジションにあります。

  • 高評価を得たことは、アフリカのフィンテック界における“送金・決済プラットフォーム”モデルの成熟を示すシグナルともなっています。

  • ケニアなど他国展開を視野に入れており、地域を跨ぐ送金インフラ強化が見込まれます。

④ NALA

  • NALA はタンザニア発(東アフリカ)を基盤に、国際送金・モバイル決済サービスを展開しているフィンテック企業です。

  • 既に「10億ドル以上の送金量を扱った」とも報じられています。

画像引用元:公式ウェブサイト

1. 直近の資金調達

  • 2024年中に US$40 million の Series A を実施。

  • また、2025年2月時点では、次回ラウンドで US$120 million を調達する計画が報じられています。

2. 国際送金サービスの特徴

  • 欧米(米国・英国・欧州)在住のユーザーが、アフリカ諸国へ直接送金できるサービスを展開。

  • 東アフリカ市場を重視しており、受取国としてケニア・ウガンダ・タンザニア・ルワンダなどを含む。

  • 送金と決済の統合を進めつつ、B2Bプラットフォーム(“Rafiki”)による支払い・送金インフラ拡充にも注力しています。

3. 洞察

  • 東アフリカ地域におけるディアスポラ送金の“ローカル・ハブ化”を目指しており、ケニアを含む地域送金環境の改善に寄与します。

  • 送金コストと中継チャネルを減らす設計により、受取者の取り分が増える可能性があり、送金の実効性を高める点で価値があります。

  • 送金を通じて、モバイル決済・B2B支払い・クロスボーダー送金を統合することで、母国→受取国→再投資というサイクルを強化できるモデルと言えます。

これらのスタートアップは、手数料の大幅削減(平均1~3%)や即時送金を実現し、低所得層にも使いやすいUI/UXを重視しているのが特徴です。

ステーブルコイン・暗号資産による代替手段も注目

また中央銀行が発行する通貨の信頼性が低下する中で、暗号資産やステーブルコインを活用した送金も増加しています。

特にナイジェリア、ケニア、ガーナなどでは、USDTやUSDCなどの米ドル連動型デジタルトークン(ステーブルコイン)が「送金手段」として急速に普及。

2024年のChainalysisレポートでは、サブサハラアフリカの暗号資産のステーブルコイン利用率は43%以上と報告されています。

これは、銀行規制や為替リスク、送金手数料への対抗手段として、ユーザー側で急速に採用が進んでいる証拠とも言えます。

画像引用元:2024年のChainalysisレポート

さらに、Web3ベースで地域通貨にペッグされたローカルステーブルコイン(cKES, cNGNなど)の導入も検討されており、国家通貨や国際金融システムを補完する存在になりつつあります。

ステーブルコインの動向については書くと長くなるので、この辺りは改めて記事を作成したいと思います。

地域ごとに広がるプレイヤーと政府対応

最後に地域ごとにプレイヤーや規制環境が異なるのもアフリカ市場の特徴です。簡単にご紹介します。

  • 東アフリカ(ケニア、ウガンダ、タンザニア):M‑Pesaとの連携や、ステーブルコイン連動型送金の実証事業が進行中。ケニア中央銀行(CBK)は送金チャネル別の統計整備も始めています。

  • 西アフリカ(ナイジェリア、ガーナ):暗号通貨の利用が爆発的に増加。政府は規制強化とデジタルナイラ(eNaira)との住み分けを模索中。

  • 北アフリカ(エジプト、モロッコ):送金は主に欧州から。地中海ディアスポラとの連携を強化。

  • 南部アフリカ(南ア、ジンバブエ):ステーブルコインによる非公式送金が成長。公式チャネルへの統合が課題。

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アフリカ送金サービスの未来へ

アフリカにおける国際送金サービスは、単なる「母国への仕送り」を超えて、金融包摂・起業・投資・決済インフラを包括する大きな変革を迎えています。

スタートアップ各社が、送金を“点”から“線”=サービスプラットフォーム化し、モバイルウォレットやAPI連携、クロスボーダー即時決済機能を豊富に取り入れています。

特に、ディアスポラが本国に送金するという“流れ”を起点に、北米・欧州を拠点とするサービスがアフリカをターゲットに展開を加速しており、これは従来の銀行・送金会社だけでは捉えきれなかった新たな価値領域です。

今後、ケニアを含むアフリカ諸国では、チャネル(モバイル/クリプト/銀行)と用途(家計支援・教育・小規模ビジネス・投資)が多様化することで、送金の“質”も変容していく可能性があります。

今後もこの分野の動向を追いながら、アフリカ経済における“ディアスポラ×テック”の可能性に注目していきたいと思います!

今回もご覧いただきありがとうござました。

前編はこちら!


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