1-5 RAG・マルチモーダル・画像生成:応用技術を大づかみに理解する
ベンダーの説明会で「弊社はRAGを活用し…」に深く頷きながら、実は何も分かっていなかった帰り道。翌週には別の横文字が増えている——追いかける疲れ、溜まっていませんか。
覚えられないのが普通です。横文字は増え続けますが、根っこの原理はたった一つしかありません。
これ、仕組みを知るだけで景色が変わります。
◆この話が復習になる人:RAGありの回答と通常の回答の違いを説明でき、使い分けている方。その場合は1-6 人間とAIの役割分担へ。

このレクチャーのゴール: 「検索して答えるAI」「画像を読む・作るAI」の仕組みを一段深く理解し、機能選びに活かせるようになる。
朗報があります。これらの応用技術は、すべて「情報を数値に変換し、パターンを学習する」という一つの原理の変奏です。原理を一度押さえれば、次に出てくる新技術も「ああ、あれの応用ね」と自力で見積もれるようになります。
ここまでの「テキストの次単語予測」を土台に、現代のAIサービスを支える三つの応用技術を大づかみに押さえましょう。
一つ目はRAG(検索拡張生成)です。LLMは学習した時点までの知識しか持たず、あなたの会社の内部資料も知りません。この弱点を補うのがRAGで、仕組みは三段階です。まず質問に関連する情報を外部から検索し(Retrieval)、見つけた情報を質問に添えてプロンプトを拡張し(Augmented)、その材料をもとに回答を生成する(Generation)。つまり「知らないことは、カンニングペーパーを渡してから答えさせる」方式です。これにより、最新情報への回答、ハルシネーションの減少、社内文書に詳しい「専門家AI」の構築が可能になります。NotebookLMのような「渡した資料だけから答えるAI」は、この仕組みの代表例です。
二つ目は画像の認識です。AIにとって画像は「ピクセルの数値の集まり」です。テキストと同じように画像も数値化できるので、「この数値パターンは猫」というように、画像と言葉を対応づけて学習できます。だからAIは、グラフの画像からデータを読み取ったり、手書きメモを文字起こししたりできるのです。
三つ目は画像・動画の生成で、中核は「拡散モデル」という技術です。AIは「きれいな画像にノイズを加えて壊す→ノイズから元の画像を復元する」という訓練を大量に積んでいます。生成時はこの逆再生で、ランダムなノイズから出発し、プロンプトの言葉に導かれながら少しずつノイズを取り除いて画像を浮かび上がらせます。動画は、連続するコマを一貫性を保ちながら同時に生成する、その発展形です。
三つに共通するのは、「すべてを数値に変換し、パターンを学習する」という原理が一貫していることです。新しい機能が登場しても、この原理に照らせば「何ができて何が危ういか」を自力で見積もれます。

保存版・応用技術の見取り図
RAG=検索→拡張→生成。「カンニングペーパー方式」で知らないことに答える
画像認識も生成も、原理は「数値化とパターン学習」で一貫している
原理を押さえれば、新機能の実力と限界を自力で見積もれる
新しい横文字が出たら「これは"数値化とパターン学習"のどの応用か?」と問えば、冒頭の"横文字を追いかける疲れ"から抜けられます。
やってみよう: 手元の資料を1つAIに読み込ませ、「この資料だけを根拠に答えて」と指定して質問してみましょう。RAG的な使い方の第一歩です。ハルシネーションを抑える型はこちらです。
次の資料だけを根拠に、〔 質問 〕へ答えてください。
資料に書かれていない内容は「資料に記載なし」と明記し、推測で補わないでください。
###資料###
〔 ここに貼る 〕
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