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3-6 相手思考:判断基準は、常に相手の側にある

論理は完璧なはずのプレゼンの最中、相手はずっと手元のスマホを見ていた。正しいことを言っているのに、届いていない——この壁に、何度ぶつかりましたか。

内容が悪いのではありません。相手の「関心」と重なっていなかった、それだけです。

これ、思考の型で解決できます。

このレクチャーのゴール: 漠然と「相手のため」ではなく、具体的な相手の具体的な関心まで踏み込んで仕事を組み立てられる。

ビジネスの絶対的な鉄則は、イエス・ノーの判断基準が常に相手側にあることです。自分の中のベストを磨き込んでも、相手の関心に重なっていなければ届きません。必要なのは「相手のため」という漠然とした意識ではなく、具体的な相手の、具体的な関心への2段階の踏み込みです。


2つ目の思考習慣は相手思考です。前のレクチャーの続きから始めましょう。目的(業務改善の提案)を正しく捉え、全力で準備して提案した。それでもまた「持ち帰って検討します」と言われてしまう——今度は何が足りなかったのでしょうか。

答えは、相手の関心の不在です。自分の中のベストを練り込んだ提案は、裏を返せば「自分の解釈」だけで作られた提案でした。ビジネスの絶対的な鉄則は、イエス・ノーの判断基準が常に相手側にあることです。どれほど完璧なものを作っても、相手の知りたいことに重なっていなければ、相手にとっては「自分たちへの提案」に感じられないのです。

相手思考を実践するには、2段階の具体化が必要です。
第一段階は、相手を具体的な個人として特定すること。「お客様のため」「経営層向け」のような漠然としたイメージには意味がありません。
第二段階は、その人の具体的な関心に踏み込むこと。その人は何を知りたいのか、何を理想としているのか、何に困っているのか。
狙うべきは「自分が提供できること」と「相手が真に知りたいこと」の重なり合う領域です。

実践のための技術も押さえましょう。
まずキーマンの特定。関係者全員に等しく向き合うのは非効率です。意思決定に本当に影響する人物を見極め、情報収集を重点化します。目の前のAさんの背後に強い影響力を持つD課長がいるなら、動かすべき相手はD課長です。
次に絞り込む勇気。会議で全員の関心を狙うとアプローチはブレます。まず1人に潔く絞って成功体験を作り、徐々に対象を広げるのが定石です。

そして相手思考は、AIプロンプトの品質に直結します。第2部で学んだ「誰が、どの場面で使うか」という問い(2-2・使い道と利用場面)——読み手は誰で、何を知りたいのか——は、相手思考の言語化そのものです。相手を具体的に想像できない人は、AIにも相手を伝えられません。

保存版・相手思考の2段階

  • 判断基準は常に相手側。自分の解釈の完璧さは成果を保証しない

  • 「具体的な相手」の「具体的な関心」まで2段階で踏み込む

  • キーマンを特定し、まず1人に絞る。重なり合う領域を広げる

これで冒頭の"正しいのにスマホを見られる"が消えます。


やってみよう: 今準備している提案や資料について、「読み手は誰か・その人が一番知りたいことは何か」を1行ずつ書いてから作業を再開してみましょう。重なりを探す型はこちらです。

この提案の読み手は〔 誰 〕です。
その人が一番知りたいこと・困っていることを推測し、私の提案内容と"重なる領域"はどこかを指摘してください。

提案:〔 ここに書く 〕


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