2-12 反復改善サイクル:一発正解を捨て、対話で磨く
完璧な依頼文を目指して15分推敲し、返ってきた出力が微妙で、その日はもうAIを開かなかった——この徒労感に、覚えはありませんか。
一発で決めようとするのは、真面目さの裏返しです。ただ、この道具は別の回し方のほうが速いのです。
この記事で渡すのは、その仕組みです。
◆この話が復習になる人:一発出しをせず、評価→修正のサイクルを回せている方。その場合は2-13_プロンプトのデバッグへ。

このレクチャーのゴール: 「一発勝負」の非効率を理解し、改善サイクルと効果的なフィードバックの型を身につける。
実は、60点のプロンプトを投げて出力を見てから直すほうが、ほぼ常に速くて確実です。出力を見てはじめて「何が足りないか」が具体的に分かるからです。鍵は、修正の伝え方——「もっと良くして」では、AIは当てずっぽうの修正しかできません。
プロンプトを学び始めた人が最初にハマる罠が、完璧なプロンプトを一発で書こうとすることです。送信前に30分推敲するより、60点のプロンプトを投げて出力を見てから直すほうが、ほぼ常に速くて確実です。なぜなら、出力を見てはじめて「何が足りなかったか」が具体的に分かるからです。
基本は4ステップのサイクルです。
①実行:まず投げる。
②評価:出力のどこが期待と違うかを特定する。
③調整:その原因に対応するプロンプトの修正を行う。
④再実行:改善を確認する。
このループを2〜3周回すことを前提に作業を設計すると、AIとの仕事は一気に楽になります。
サイクルの質を決めるのが、②と③をつなぐフィードバックの与え方です。ダメな例は「もっと良くして」「なんか違う」。これは2-4で学んだ曖昧指示そのもので、AIは当てずっぽうの修正しかできません。効果的なフィードバックの三原則を使いましょう。第一に、具体的に指摘する。「全体的に硬い」ではなく「2段落目の敬語が過剰。『〜させていただく』を減らして」。第二に、期待とのギャップを示す。「現状は機能の説明になっている。期待は顧客のメリットの説明」のように、現在地と目的地をセットで伝えます。第三に、優先順位をつける。直してほしい点が5つあるなら、「最重要は◯◯、次に◯◯」と序列を付ける。全部同時に直そうとすると、別の場所が壊れがちです。
心得は三つ。修正は一度に1〜2点ずつ(原因の切り分けのため)。良かった部分は「そこは維持して」と明示する(改悪防止)。そして3周回して改善しないときは、フィードバックの継ぎ足しをやめて、プロンプトを最初から書き直す(継ぎ接ぎの限界)。
この「対話で磨く」姿勢は、単なる効率テクニックではありません。第1部で見た「一発正解を期待しない」というAIとの正しい関係性の、実務での姿です。

保存版・改善サイクル
完璧な一発を狙うより、60点で投げて2〜3周回すほうが速くて確実
フィードバックは「具体的に・ギャップを示し・優先順位を付けて」
修正は1〜2点ずつ。3周で改善しなければ書き直す
これで冒頭の"推敲15分→微妙→もう開かない"が消えます。
やってみよう: 次の依頼で最初から2周する前提を持ち、1周目の出力に三原則フィードバックを返してみましょう。型はこちらです。
この出力について直したい点を伝えます。①具体的に:〔 〕②現状と期待のギャップ:〔現状/期待〕③優先順位:〔最重要→次〕。なお〔維持してほしい部分〕はそのままにしてください。
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