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#16:問題は、解かなくていいことが多い ── 課題設定のない『問題解決』に疲れていませんか?

「問題をすぐに解こうとするな」
──
もしそんなことを言われたら、ちょっと違和感を持たれるかもしれません。
でも僕は、わりと本気でそう思っています。


会社を経営していると、毎日のように何かしらの“問題”が顔を出します。
ちょっとした行き違い、うまく進まないプロジェクト、社員さんのモチベーションの低下。

現場にはいつも“問題”が山積みです。

でも、僕は
「問題」と「課題」を明確に分けて考えています。

「問題」は、ただの“事象”
「課題」は、「自分で解くと決めたもの」

と区別しています。

つまり──
目の前の問題を全部、解かなくてもいい。

むしろ、手をつける問題を間違えると、
組織はいつまで経っても、空回りし続けてしまう。

本質的な課題を見つけるためには、
“問い”を深める必要があります。

今回は、
そんな「問題との付き合い方」や「課題設定の力」について、
僕自身の体験を交えて綴ってみます。

もしあなたがーー
✅ チームでの問題解決がうまく回らない
✅ 表面のトラブルばかりに忙殺されている
✅ 経営やマネジメントに、どこか違和感を抱えている
と悩んでいる場合、この記事は、きっと何かヒントになるはずです。

もしあなたがーー
❎ 即効性のあるフレームワークを探している
❎ 問題を“とにかく早く”処理する技術に興味がある
と期待されている場合、この記事では物足りないかもしれません。



1. 「問題があること」自体は、問題じゃない

富山のガソリンスタンドで僕が社長に着任した頃、
連絡手段は「固定電話」と「口頭」。
チャットも議事録も存在しない環境でした。

そんななか、よく耳にしたのは──
「え?それ、聞いてないです」
「いや、昨日ちゃんと伝えましたよ」
── いわゆる “言った・言ってない” 問題です。

お仕事の話ですので、そもそも「誰が言ったかの真実」を探し求める努力は不毛です。
これは、地方の小さな会社ではよくある、構造的な現象です。

そして、見過ごしがちですが、
この一連には非常に多くの“時間”と“エネルギー”が奪われています。

さらに、これに伝言ゲームがのっかると──
個々人の“ディレクターズカット”が入り、
情報に感情が乗り、脚色され、削られ、
いつのまにか“事実”がねじれていく。

そして気づけば、噂話と業務連絡の境界線が溶けてしまう。
信頼の基盤が、じわじわ崩れていきます。
仕事の指示も通らない。

でも、僕の会社では、いまはもう、この問題は起きません。

なぜなら、
「口頭でのやり取りは、公式な指示とは認めない」
というルールを設けたからです。

チャットスペース上で“宣言”があってはじめて正式に成立する。
活字で表現されてはじめて認められる。
このルールは、ただの制度ではなく、“文化”として根づいています。

問題は、放っておくと“空気”になります。
慣れとあきらめの空気です。

だからこそ、そうならないために、問いかけ続ける必要があります。

「この問題の奥にある“本当の課題”は何だろう?」と。


2. 一般的な“問題”に、具体的な“課題”を与える

「人が足りません」
「育成がうまくいきません」
「後継者がいません」
── 経営者同士の会話で、よく耳にするフレーズです。

でも、僕にとっては、それらは“ただの状態”の共有にしか聞こえません。

つまり、“問題”ではあっても、“課題”にはなっていない。

課題とは、「自分で解くと決めたもの」。

たとえば「育成がうまくいっていない」とき、
社員さんが“マニュアル作り”に走るケースをよく見ます。
でも、それで本当に解決できることって、どれほどあるでしょうか?

そもそも ──
・会社の成長イメージが明文化されていない
・属人的なやり方をコピーしようとしているだけ
・実は育成側のコミュニケーションが下手
・育てるつもりすらなく、部下の“ダメさ”を共有したいだけ
── そんな背景が隠れていることが多いです。

“育成” という解釈が多様な単語に逃げず、
「自分たちにとっての本質的な課題は何か?」
と問い直すことで、ようやく動き出せるのです。


3. 課題を“設定”することで、組織の空気が変わる

表層的な問題にすぐ対応するのは、ある意味“快感”です。
「やった感」があるし、成果もすぐ見える。
でも、それは“対処療法”にすぎないことが多い。

逆に、問題をすぐに解かずに“育てる”ことで、本質にたどり着けることがある。
しかも、その問いは、複数の課題を一手で解決する力も持っています。


4. まとめ:課題設定は、経営の“選択”である

問題とは、あくまで“出来事”にすぎません。
全部に反応する必要はありません。

大事なのは、「どの問題を課題として扱うか」を見極めること。
この“課題設定”こそが、経営の質を決めると、僕は思っています。

「問題解決力」を底支えする、
「課題設定力」そして、「問いをデザインする力」

この2つが、静かに、でも確実に、組織を動かしていく。
それが、僕の信じる問題解決の正解スタンスです。


次回のnote(#17)では、ChatGPTの導入を例に、問いをデザインすることで起きた副次効果、「ひとつの打ち手で複数課題を解決する」ということについて書きたいと思います。


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