#59:いろいろ試して、結局“Googleだけ”で回るようになった中小企業DXの話 ── アナログな現場でつくった、僕たちの”ちょうど良いDX”のかたち
DXを進めたい。でも現場はアナログで、ツールもバラバラ——。
そんな中で、僕たちがたどり着いた「ちょうど良いDXのかたち」を紹介します。
これは、Google Workspaceを“うまく使おう”とした話ではなく、試してやめてを繰り返した末に「これなら現場でも動く」と実感できた仕組みの記録です。
僕の会社は、社員数4名・平均年齢56歳のガソリンスタンド。
いわゆる「アナログな現場」です。
DXに取り組もうと思っても、何をどう始めたらいいかわからず、とりあえず「ツールを入れる」という発想になりがちです。
でも、入れたはいいけれど使いこなせない。結局、現場は混乱し、ムダが増える。そんな経験を経て、僕たちは“使いこなせる最小限の仕組み”にたどり着きました。
おそらく、この形に落ち着くまでに1〜2年です。ただ、世の中では中小企業でのDX導入が数年経っても進まないという話も多い中では、早く導入に成功したのではと感じています。
この記事では、僕たちが今どんな仕組みで業務を動かしているか、なぜそのツールを使っているか、どんなルールを設けているかを、できるだけ具体的に整理して書いてみます。
もしあなたがーー
✅ DXを現場に定着させたい
✅ 専門家なしで仕組みを作りたい
✅ 自分たちのペースで変化したい
と悩んでいる場合、この記事は、きっと何かヒントになるはずです。
もしあなたがーー
❎ 高度なAIツールで差別化したい
❎ 全社的な大改革を一気にやりたい
と期待されている場合、この記事では物足りないかもしれません。
1. ツールを選んだんじゃなく、「やめなかった」結果が今
最初は、正直に言って“便利そう”というだけで、いろんなツールを試してみました。
Slack、Asana、LINE WORKS、Chatwork…。使ってみては「合わないな」と思ってやめてを小さく繰り返す。
基本的に本格的に全社運用にする前にしばらく少ないメンバーでお試しをやるのが通例です。
一時は、自前でサーバを構築して社内環境を整えようとしたこともありました。でも、スキルのない僕たちにはセキュリティや保守が難しく、正直、怖さが残ったのです。
そして、「Googleが提供している環境に任せた方が、セキュリティも費用も安心じゃないか」という結論に至りました。
Google Workspaceの月額料金と、自前で細かい管理をする工数、不安を天秤にかけたとき、圧倒的に前者が“安い”と判断しました。
2. 「Googleで動かす」僕たちの仕組みとルール
ツールが定まってきた段階で、それに合わせていくつかルールを整えました。
以下が、僕たちの会社で機能している実際の運用です。
Googleカレンダー
→ すべての業務予定を記録。カレンダーにない予定は“業務ではない”というルール。Googleスプレッドシート
→ すべてのプロジェクトを1枚のスプレッドシートで管理。議論・アクション・進捗のすべてをここに記載。Googleフォーム
→ 日報、実績報告などはすべてフォーム経由。データは自動でスプレッドシートへ集約。Looker Studio(旧データポータル)
→ 各種実績値・入力データを自動でグラフ化。毎朝、社員さんに分析グラフをメール配信。一部、社内ポータルでも確認可能。Googleドライブ
→ 全資料を共有ドライブ内で管理。ローカルPCに保存は禁止。
→ フォルダ名を明確にして、検索性を高めている。Googleチャット
→ 社内連絡はすべてチャットに集約。案件やプロジェクトごとにスペースを作成して適切なスペース上で日々チャットする。現在、社内コミュニケーションツールとしてメールはほとんど使っていない。Googleサイトで作成した社内ポータル
→ 新人でも迷わずすべてのツールにアクセスできる導線を構築。
もちろん、社員さん全員がすべての機能をフルに使いこなしているわけではありません。
ただ、“必要な機能だけ”を自然と使えているという状態にはなってきています。
3. “高機能”より“触れるかどうか”
平均年齢56歳の現場にとって、ツールは“触れるかどうか”がすべてです。
うまく使いこなす必要はなく、「ここを押せば何かが動く」と分かればいい。
高機能なDXツールを入れて、導入後の運用や高度な操作性に悩むより、自分たちで作った「バグっても直せる仕組み」の方がよっぽど扱いやすい。
僕たちは、「触れる仕組みを自分たちで作ること」に力を注いできました。
結果として、社内全体の情報が可視化され、誰が何をしているか、何を悩んでいるかが自然と見えるようになりました。
note#1で書いたように、僕の会社ではプロジェクト型の問題解決手法をとっています。
これは、1枚のスプレッドシートだけで進めていくスタイルで定着しています。
4. “ちょうど良いDX”は、自分たちで組み立てるもの
どんなにすばらしいツールでも、自分たちで使いこなせないと意味がありません。
逆に言えば、少しずつ育てていった仕組みであれば、少々の欠点があっても「自分たちで直せる」から継続できる。
僕たちが今持っているこの仕組みは、どれも“最初から計画されたもの”ではありません。現場で出てきた課題に向き合い、都度「じゃあ、こうしてみようか」と試してみる。その繰り返しでした。
そして、手応えがあったものだけが残った。
これが僕たちにとっての“ちょうど良いDX”です。
以下は僕たちなりの"ちょうど良いDX"について書いた本です。
誰かにとっての最適解ではなく、自分たちにとって「動かせる」仕組みを、これからも更新し続けます。
最後に
こうした取り組みの詳細は、まだまだ全体の一部です。
でも、少しでも現場に悩む方の参考になれば嬉しいと思ってこの記事を書きました。
「こういう話もっと聞きたい」「うちでも応用できそう」と思った方がいれば、ぜひコメントください。
これからも実践的な話も交えて、“ちょうど良いDX”を続けていこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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