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#150: 会社を本気で変えるために、僕が社長として「やめる」と決めた3つのこと

会社の成長が止まった時、多くの経営者は「新しい何かを始めなければ」と焦る。でも、僕が最初にやったのは、その逆。「何かをやめる」ことだった。

「もっと売上を伸ばすために、新しい施策を増やそう」「業務を効率化するために、新しいツールを導入しよう」。私たちは常に「足し算」で物事を考えがちです。しかし、本当に組織を根幹から変える力があるのは、実は「引き算」の発想なのかもしれません。

はじめまして。横浜に住みながら、富山にある平均年齢56歳のガソリンスタンドをフルリモートで経営しているnobuです。 Kindleで『平均年齢 56 歳 地方の古いアナログガソリンスタンドの DX 革命の起こし方』という本も出しています。僕が2年間で古い会社を大きく変えることができたのは、まさにこの「やめる」という決断があったからでした。

今回のnoteを読むと、
✅ なぜ「増やす」より「減らす」方が、組織に大きな変化をもたらすのか
✅ 僕が「一人で頑張る」ことをやめた結果、社員さんたちがどう変わったか
✅ あなたの会社でも今日から「やめられる」かもしれない、ムダの見つけ方
が、きっと分かると思います。


1. 僕が「答えを出す」のをやめた

僕が社長に就任した当初、社内で問題が起きると、社員さんたちは皆、僕の顔を見ました。「社長、どうしましょうか?」。その期待に応え、鮮やかに解決策を示すことこそが社長の仕事だと信じていました。しかし、ある時気づいたのです。僕が答えを出し続ける限り、社員さんたちは「答えを待つ」だけの人になってしまう、と。

そこで僕は、答えを出すことをきっぱりとやめました。代わりに、「あなたはどう思う?」「根本的な原因は何だろう?」と、問いを投げかけることに徹したのです。

最初は戸惑っていた社員さんたちも、次第に自分たちで考え、議論するようになりました。その変化を加速させたのが、会社の課題をプロジェクト(PJ)として切り出し、一人ひとりにリーダーを任せる「PJ制度」の導入です 。PJリーダーには手当を支給し、責任と権限をセットで渡しました 。僕はもう解決者ではありません。彼らの挑戦をサポートするメンターに変わったのです 。

社長が「答えを出す」のをやめた日。それは、社員さんたちが会社の主役になった、記念すべき始まりの日でした。


2. 「口頭での報告・相談」をやめさせる

「あの件、〇〇さんには電話で伝えました」「確か、会議で言ったはずですが…」。かつての社内には、そんな曖昧なコミュニケーションが溢れていました。結果として起きるのは、悪夢のような「言った・言わない」論争です 。これは社員さんたちの精神をすり減らし、会社のエネルギーを奪う深刻な病でした。

原因は明らかでした。重要なやり取りが、記録に残らない「口頭」で行われていたからです 。

そこで僕は、僕個人へのLINEや電話を含め 、仕事に関する口頭での報告・相談を原則禁止にしました。すべてのやり取りは、全員が見えるGoogleチャットか、クラウド上の議事録に残すことを徹底させたのです 。これは単なるルール変更ではありません。「見える化されたものが、この会社の唯一の事実である」という、新しい文化を作るための宣言でした。

最初は「面倒だ」という声もありましたが、続けていくうちに、コミュニケーションの齟齬は劇的に減りました。何より、全員が同じ情報を共有することで、「私は聞いていません」という孤独な不満が生まれなくなったのです 。安易な「口頭報告」をルールとしてやめさせたことで、組織に透明性と一体感が生まれました。


3. 僕が「感情で評価する」のをやめた先に見えたもの

「頑張っているから」「彼とはウマが合うから」。リーダーも人間です。どうしても感情や相性でメンバーを評価してしまいがちです。しかし、その曖昧な評価基準こそが、チームの不信感の温床になります。

僕が目指したのは、僕自身の感情すら介在しない、フェアな評価制度です 。そのために、まず経営計画書の中で「会社が何を大切にし、どんな行動を評価するのか」を徹底的に言語化しました。そして、その基準に基づいて評価が行われる仕組みを構築したのです。

例えば、当社では日報データをもとにAIを活用し、個人の定性的な頑張り(例えば「〇〇さんのために、自主的に業務改善を行った」など)を客観的に評価する試みも行っています 。これは、評価者の主観的なバイアスを可能な限り排除するためです 。

社長が「感情」で評価することをやめ、公平な「仕組み」に評価を委ねる。そうすることで、社員さんたちは上司の顔色を伺うのではなく、会社の示す明確なゴールに向かって、安心して全力で走れるようになりました。


まとめ

僕が社長としてやめた3つのこと。

  1. 答えを出すこと

  2. 口頭での報告を受けること

  3. 感情で評価すること

これらは一見、社長の権限を手放すように見えるかもしれません。しかし、実際は逆でした。社長がこれらを手放したスペースに、社員さんたちの主体性や創造性が芽生え、組織は自ら成長する力を手に入れたのです。

もし今、あなたの会社やチームが停滞していると感じるなら、「何を増やそうか」と考える前に、一度立ち止まって、「何をやめられるだろうか」と考えてみませんか。その「引き算」こそが、最大の変化を生む、最もパワフルな一歩になるかもしれません。

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