国家公務員の給与って民間とどう関係してるの?
毎年思う…そしていつも変わらない事実
国家公務員の給与は「民間の給与水準に合わせる」という原則のもと、人事院が毎年勧告を行います。
2026年も例年通り、4月22日から6月16日にかけて民間給与実態調査が実施され、8月に給与改定勧告が出される予定です。
民間企業では賃上げが続いており、今年も 5年連続のプラス勧告 が見込まれています。
しかし、この「民間給与実態調査」は、制度の意図とは別に、構造的な偏りを内包した仕組み になっています。
その結果、公務員給与は「民間の平均」を反映しているようで、実際には “民間のごく一部の層” の動向に強く連動する構造になっています。
ここでは、これまでのプロンプトと回答内容をすべて踏まえ、制度の問題点を整理します。
調査対象が「従業員50人以上」に限定されている構造的バイアスです
人事院調査は、従業員50人以上の事業所を対象としています。
しかし、日本の企業の実態は次の通りです。
総企業数(母集団)
• 約367万社
出典:総務省「経済センサス(2021年)」
※個人事業主を含む“日本の全企業”の数。
• 帝国データバンク(TDB)収録企業:149万社
→ 法人格を持つ企業(株式会社・合同会社など)を中心にしたデータベース。
正確な数値が存在しない(統計上の理由)
理由:
政府統計は「企業数」ではなく「事業所数」で規模を区分するため。
超大企業(従業員5,000人超)
• 549社(全体の0.03%)
出典:経済センサス(従業者規模別)
→ 日本の企業の中で「数千〜数万人規模」の企業は 0.03% しか存在しない。
大手・準大手(従業員500〜1,999人)
Gemini の回答を統合すると以下の通り:
• 従業員1,000〜1,999人:2,204社
• 従業員300〜999人:11,478社
年商100億円企業:1万5159社その内訳(大企業886社、中堅5082社 など)
※このうち 500〜999人が“大手寄り”に該当
→ 従業員500〜1,999人規模の企業は 約3,493社 と推計される。
※注意:
経済センサスは「事業所単位」なので、企業数とは完全一致しない。
ただし、規模感の把握には最も信頼できるデータ。
資本金1億円以上(税法上の“大企業扱い”)
• 約1.2万社(全体の0.3%)
※ここは誤解が多いポイント
• 会社法の「大会社」=資本金5億円以上 or 負債200億円以上
• 「資本金1億円超」は 税法上の中小企業判定 に使われる区分
中堅企業(中小企業を卒業した層)
• 7,749社(TDB 2024年)
定義:
• 中小企業基本法の中小企業基準を超える
• かつ従業員2,000人以下
→ 日本の企業ピラミッドの“中腹”に位置する層。
中小企業(日本の大多数)
• 約367万社のうち 99.7% が中小企業
中小企業の定義(中小企業基本法)
• 製造業:従業員21〜300人
• 小売業:6〜50人
• サービス業:6〜100人
小企業・零細(従業員50人以下)
• 約325万社以上
• うち 従業員4人以下の零細企業:99万社
→ 日本の企業の“圧倒的多数”はこの層。
そのうち 従業員50人未満の企業:99%以上
つまり、日本の企業のほぼ全てが最初から調査対象外 です。
小規模企業は一般に賃金水準が低いため、これらを除外すると「民間給与」は当然ながら上振れします。
国税庁の民間給与統計(全規模対象)と比較すると、人事院調査の平均給与が高く出るのはこの構造が理由です。
「従業員50人以上」という基準は、民間の“上位0.3%”だけを見ている構造です
従業員50人以上の企業は、全企業の 0.3%程度 しかありません。
つまり、制度上は「民間給与」と言いながら、
実際には 民間の上位層だけを抽出する仕組み になっています。
この時点で、統計学的には 抽出バイアス(selection bias) が発生しています。
小規模企業の賃金は低い → 除外すると“民間平均”が必ず上振れします
小規模企業は、次の理由で賃金が低くなりがちです。
• 生産性が低い
• 労務管理体制が弱い
• 賃上げ余力が小さい
• 非正規雇用比率が高い
これらを丸ごと除外すると、当然ながら
民間給与の平均値は高く算出されます。
つまり、公務員給与の基準となる「民間給与」は、
民間の実態ではなく、民間の上位層の給与 になってしまいます。
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