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#1066 漫画論79|海猿

本日は1999年-2001年と、まさに僕の高校時代の3年間に連載されていた名作「海猿」を紹介しましょう。
前にヤングサンデーを語った際に、並み居る猛者達を差し置いて3位に選出した位、僕の中では思い出に残る面白い漫画でしたね。


海猿とは?

舞台は福岡県、主人公の新米・海上保安官である仙崎大輔はまだまだ半人前なんですが正義感を持ち、かつて母親を海難事故で亡くしている過去もあり「誰も死なせたくない」というポリシーを持って、時に組織に迷惑をかけながらも犠牲者を出さないために海で奮闘する、熱き漢です。

とにかく海上保安官の仕事はメチャクチャハードであり、メチャクチャカッコいいことが伝わる、そんな漫画です。
この漫画の影響で海上保安官を志した人も多いでしょうし、この漫画を切っ掛けに海上保安官の潜水士を指して「海猿」というようになったり、実際に海上保安庁自身も広報などで自らをそう呼んだりもしているそうです。

漫画と現実世界がクロスオーヴァーする、こういう展開は良いですね。


海猿の魅力

1. 海上保安官という仕事が分かる

主人公の大輔はそこまで強くなく、色々迷ったり抱え込んだりしてしまうのですが、それでも仕事や現実に向き合って成長し、1人でも多くの命を救うために奮闘する姿勢は本当にカッコいいです。
裏側の辛い面や大変な面に向き合い、しっかりとそうした仕事の辛さ、恐ろしさを書いた上でも、それでも「海上保安官はカッコいいし、俺もそうなりたい」と思わせるパワーがありますね。


2. 海はマジで怖いという事が伝わる

この物語は「海難事故」が起きて、そこから海上保安官が動くというのが全体のプロットなんで巣が、海難事故はメチャクチャ起きるんですよね。
この作品でも大型フェリーからの救出、民間のクルーザーからの救出、更には不審船や海賊、飛行機事故など・・・年間でも多くの海難事故が発生しているんです。
とにかく海は楽しいものですが、その反面怖いものでもあるということをこの作品から僕ら学びましたね。

この映画も海の怖さを教えてくれます。


3. 命を賭けた仕事である事が伝わる

そんな恐ろしい海で仕事をする分、海上保安官の仕事は常に「死」が付きまといます。仕事で「死」を直面する仕事ってそう無いですよね?
なので、海上保安官の仕事の鉄則は「生きて帰る」ことだったりします。

故に、この作中でも何度もプライオリティが問われるんです。
それは「自分が生きて帰れば他者を犠牲にしてもいいのか」という究極の二者択一であり、実際にその決断を下す人もいるんですが、のちにそれを後悔したり・・・と、正解は無いんでしょうが、とにかく深くて辛い仕事です。

なので、この漫画を描いた佐藤秀峰先生も凄いですが、この漫画を読んで海上保安官を志望した人は本当にリスペクトですね。


海猿の好きな登場人物

10位 ナム・ワンチャイ

こいつはベトナム出身の拳銃の運び屋で悪い奴でした。
密輸だけでも悪いんですが、それがバレそうになって日本の海上保安官を殺したりという奴で、正直なんの思い入れも無いんですけど、ネットで海猿の画像が思いのほか落ちていないので、無理やり10人集めた10人目がこのナム・ワンチャイだったのでセレクトせざるを得なかったという笑
僕の知ってるベトナム人は良い奴が多いんですけど、こいつはダメですね笑


9位 美花

海猿は1巻の1話目、最初のストーリーが完璧だったんです。
中国から日本に来た民間の船を救出すると、そこには大量の密航者隠されており、その密航者を助けるか、見て見ぬフリをするかというかなりきつい分岐に主人公の大輔はいきなり局面するんです。
で、この密航者の美花と話して心を動かされる感じになります。

別でも紹介しましたが、この1話目の1コマ目でいきなりブランキーの名盤・METAL MOONに収録されている「おまえが欲しい」という名曲のフレーズである「神様、あなたは純粋な心を持っていますか?」を使ったのは僕的に完璧でした。


8位 コージ

大輔に初めてできた後輩ですね。
色黒、ロン毛、金髪と、正にこの1999~2001年位に街で石を投げたら当たるくらいにプロトタイプが量産されていた時代の象徴みたいな出で立ちでしたが、真っ直ぐすぎる男で、真っ直ぐすぎるが故に海上保安官の仕事が辛くなってしまうという、ある意味リアリティのある存在でした。
大輔が乗り超えた壁を、乗り越えられなかったという感じですね。


7位 美晴ちゃん

本作のヒロインで、大手新聞紙の新聞記者ですね。
福岡の通信局での勤務となり、大輔が乗る巡視船の取材に来た縁で知り合い、そこから命を賭ける大輔に惹かれていくんですが・・・
元々婚約者がいたのに大輔とできちゃうんですが、その婚約者との別れ方もだらしなかったり、それで苦しくなって訳がわからない行動を取ったりと、あまり共感できるところが無いヒロインです笑
作中で結構よく顔が変わるのですが、それはメイクの仕業ということにしておきましょう笑


6位 フェリーの売店のお姉さん

このお姉さんは事故が起きたタンカーでも冷静で、冷静であるが故に最後まで取り残されてしまうのですが、妊婦とは思えないタフさで、無事生還&出産。
そして大輔に救出されている最中に「息子の名前を大輔にする」と、いう辺りが凄くロマンチックでしたね。


5位 源教官

源教官は、大輔が潜水士の訓練を受ける時の教官なんですが、とにかく鬼なんです。まさに鬼教官と呼ぶのが相応しい、AV男優を彷彿とさせる色黒のサディストで、戸塚ヨットスクール張りにスパルタの嵐なのですが、実はメチャクチャいい教官なんです。

このシーンとは本当に胸が熱くなります。

三島を慰めるシーンとか、卒業テストとか、ラストシーンとかも本当に素晴らしかった。
自分もこんな上司でありたいと思いましたね。


4位 J-WING機長

漫画・海猿のラストエピソードはとんでもない大事故でした。
年末大みそかに羽田空港を離陸した飛行機が、機体の損傷により操縦不可能となり、福岡湾に着水することになり、大輔もここで大活躍するんですが、それでも乗客の多くの命を犠牲にしてしまったんです。
そんな中でこの機長は最後まで諦めず、逆に言うと多くの命を救ったんですね。
リスペクトできる人でした。


3位 池澤さん

池澤さんは、大輔の先輩であり、上司であり、兄のような存在でした。
とにかく厳しくも暖かく、理想の上司だったんですが、海賊との戦いで殉職してしまうんです。
とにかくこの辺の死がリアルであり、海の恐怖を物語る内容でしたが、ここから大輔が成長したりするのもドラマでしたね。
とにかくリスペクトできる人でした。


2位 工藤さん

そして工藤さんですね。
この潜水士訓練編は、海猿の中でもかなり上位に入る人気エピソードだと思っておりますが、この工藤さんが本当にいいんですよ。
元々不器用で訓練でも落ちこぼれだったんですけど、同じ訓練をする大輔などの仲間に恵まれて調子が上がっていく中、訓練で友の命を救う代わりに絶命してしまうのですが・・・とにかくカッコいい男でした。

とにかく繰り返しますが海の怖さが伝わり、そして仲間の素晴らしさを感じます。この漫画でバディという意味を知った人も多いでしょう。

訓練の卒業認定で、一人ずつ壇上の偉い方に名前を読み上げられて、最後に「以上13名」と言った際に大輔が、亡くなったけど工藤さんの分もカウントして欲しいと「14名です!」と訂正し、その偉い方が「以上14名」と訂正したのも素晴らしかったですね。


1位 大輔

そんな感じで泣きながら人を救って成長していく、そんな大輔です。
人間はみんな弱いから、弱くていいけど頑張ろうと背中を押してくれる主人公ですね。


まとめ

映画は見たことが無いです。
佐藤秀峰先生と揉めているというのが理由ではなく、単純に見る機会が無かっただけなのですが、結構オリジナルストーリーが多いみたいであまり惹かれないですが、それでも映画やドラマで海上保安官を輩出したという意味では意義がありますね。

ただ、漫画の方が絶対面白いので、漫画を読みましょう!以上!


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