#1417 漫画論102|アオアシ
以前にこのnoteの方向性が定まっていない時期に軽く紹介していますが、本日はあらためてこの漫画・アオアシについて紹介したいと思います。
これまで描いた事が無いと思われるクラブチームの少年サッカーを描いた作品であり、非常に読者として楽しく読んでいましたが、つい先日惜しまれつつ連載終了してしまいました。
ここ最近のサッカー漫画は、GIANT KILLINGとアオアシの2タイトルしか読んでなかったので、このアオアシが終わったのは非常に悲しかったですね。
GIANT KILLINGもそろそろ終わりそうですし・・・
アオアシとは?

アオアシは小林有吾によるサッカー漫画で、2015年に週刊ビッグコミックスピリッツで連載がスタートしました。
主人公の青井葦人(あおい あしと)は愛媛県の田舎町で育ち、強烈な自己中心的プレーと抜群のサッカーセンスを持ちながらも、戦術理解や協調性に欠けた少年で、試合中にジネディーヌ・ジダンばりの頭突きをして退場になったりしてしまう激情型の少年でした(母親を侮辱した相手DFが悪いのですが)
そんな葦人のその試合を偶然、Jリーグクラブ「東京シティ・エスペリオンFC」のユース監督・福田達也が見ており、才能を見出されてセレクションを受けないか?と誘われます。
で、そこでセレクションに合格し、ユースチームの一員となるんです、が!
強烈な同期、強烈な先輩、強烈なライバル、まさかのポジションコンバートなど、次々に壁に阻まれるんです。ですが、持ち前のセンスと努力でそんな壁をひとつずつ成長して乗り越えていき、1年でかなりパワーアップしてここからが楽しみ、というところで物語は終了してしまうのですが・・・
なかなか読み応えのある作品でした。
アオアシの魅力

1. クラブチームという舞台を描いた最初の作品であった点
今の日本代表は比率でいうと半分以上がクラブチームの下部組織出身だったと記憶していますが、そんなクラブチームユーズにを舞台にした漫画は僕の知る限りは無かったと記憶しています。
それが故に、「国立に行くぞ!」というこれまでの高校サッカー漫画とはそもそものゴールが違くて、目的はプロサッカー選手になることなんですね。
それが故に、ユースは育成が最大の目的というのをこの漫画で学ぶことができましたし、環境としては高体連よりやはり恵まれているのも分かりましたね。
2. 主人公がサイドバックという世界線
これも新しかったですね。
元々FWだった葦人はサイドバックにコンバートされるんですが、「なぜ
サイドバックなのか」の途中の説明は腑に落ちましたし、近代サッカーにおいてポジションに求めらる役割がどんどん変わる中で、新たなサッカー観を提示してくれました。
そんな感じでありながらも、主人公がサイドバックというのは新しかったですね。
ウッチーと長友の台頭もあり、サイドバックにも注目が集まっていた背景もあったとは思っていますが、それでもこの展開は楽しかったですね。
3. 戦術描写が圧倒的にリアル
アオアシ最大の魅力は、サッカー戦術の描写が極めて本格的なことです。
ファイブレーンとか、リバプールvsワトフォードの話とか、モドリッチがどれだけ偉大なのかとか、カタールW杯のスペイン戦の堂安のゴールの舞台裏など、現実世界のサッカートリビアを知れるのは非常に面白かったですね。
(僕が元々知っていたのはN-BOXくらいでした)
物語には関係ない話もありましたが、サッカー知識として面白い内容が多かったですね。
4. どんどんレベルが上がっていく展開
この辺は漫画的な内容でありますが、同じ内容を繰り返さずにどんどんレベルが上がっていくのも良かったですね。
セレクションでユースBチームに格の違いを見せつけられる
↓
ユースに入って1年生同志の紅白戦でレベルの高さを知る
↓
チームメイトとうまくいかない中でBチームの大会でもがく
↓
サイドバックに転向して守備ができず上手くいかない
↓
サイドバックにようやく慣れるも敵のレベルが上がっていく
↓
Aチームに上がれるもAチームのレベルの高さにもがく
↓
Aチームで試合に出れるもトリポネという規格外の選手にやられる
↓
同世代のライバル・北野に差を見つけられる
↓
TOPチームの練習に参加し、プロの壁を見せつけられる
↓
海外クラブチーム大会でバルサのレベルの高さを見せつけられる
どんどん一試合の描写が長くなってしまいましたが・・・それは致し方ないですね。
アオアシの魅力的なキャラクターBEST10
次点 福田監督

国内で無双して海外で怪我をして引退して監督へ・・・というのはGIANT KILLINGの達海監督と若干設定が被りますが、この福田監督はバルサ相手にカンプノウで2点決めているので、最早レジェンドですね。
とにかく厳しくも優しい指導者でありで、わりとビジネスでも活きるようなマネジメント論を僕も福田監督から教わりましたね。
10位 トリポネ・ルフィン

市船をモデルとした船橋学園(でしたっけ?)の圧倒的エースです。
この手のハーフの選手が苦悩してしまうような背景などにも触れていたのは非常に良かったですし、チームメイトとの絆の描写が素晴らしかった。
同点ゴールもとにかく変態で良かったですね。
9位 北野連

そして葦人の初めての同世代のライバルですね。
青森の名門・聖蘭高校で1年生にして背番号10番で、最終学年を待たずに鹿島に内定するエピソードなど柴崎岳をモデルにしたと思われますが、なかなか悪魔的ないい敵キャラでしたね。
8位 中村平

そんな感じでスーパーな選手が多い中、この平は普通の選手でした。
ですが物語に置いて非常にキーマンとなる存在で、皆から愛された選手でしたね。
途中でプロを諦めて引退し、警察官僚を目指して猛勉強する道を選ぶんですが、この辺もユースのリアルを描いていた感じがして非常に良いエピソードでしたね。
料理が上手い番外編はあんまり必要じゃなかったと思いますが・・・笑
7位 ダミアン・カント

ラスボス的存在ですね。
アルゼンチンの貧困街出身で、サッカーの技術でワンチャン掴んでバルサユースの圧倒的なエースになったという存在です。
メッシが一部モデルにはなってると思いますが、アルゼンチン出身でダミアンと聞くと、俺フィーのダミアンも浮かべてしまいますね笑
6位 司馬さん

プロ編のキーマンです。
クラブ一筋のバンディエラであり、背番号14をつけていることからモデルは間違いなく中村憲剛と思われますが、非常にプロを目指す葦人に示唆を与えてくれる存在でした。
この司馬さんのビジネス観も結構仕事で役立ちそうな哲学がありましたね。
5位 富樫

暴走族あがりのリーゼントのヤンキーですが、サッカーはしっかりやるというタイプでして、スカウトされてユースに入団した葦人の良き理解者ですね。
最初はサイドバックかサイドハーフという設定でしたが、そのガタイからセンターバックに固定となり、最終的にはワントップも務めていた感じで、フィリップ・コクーばりのポリバレントな選手でしたね。
4位 栗林

クラブの100年に1度の天才ですね。
いい感じの怖さも兼ね備えており、天才さをいい感じに演出していました。
徐々に葦人が認められて、シンクロしていく感じが非常に秀逸でしたね。
3位 阿久津

この作品のもう1人の主役と言っても過言ではないでしょう。
葦人の1学年上でセレクションで合格した苦労人で、福田監督に怒られたり、海外遠征で怒られたり色々苦労していますが、それでも作中最強のDFとして描かれており、最後の方はカッコよかったですね。
最初は性格最悪でしたが・・・笑
2位 大友

大友は葦人と共に同じセレクションを合格した同志です。
最初は翼でいう学とか、五郎でいう野内みたいな感じで、主人公に対して側近にいるけど実力差がある関係になると勝手に思ってましたが、結構最後のほうまで優遇されていた選手でしたね。
精神力が強い選手はいいですね。
1位 葦人

そして主人公の葦人です。
作中の1年間で恐ろしいくらい成長し、最後は後輩たちから別格扱いされるくらいのバケモノに成長しました。
葦人がどれくらいの選手になるかは見たかったですね。
おまけ 花

そんなサッカー狂の葦人でしたが、しっかり青春もしているんですね。
しかもこんな可愛い子に愛されるという感じで、高1にしてすべてを得てしまったんですね笑
やはりモテる為にはスキルを磨くのが近道と言えるでしょう。
まとめ
そんな感じでお兄さんのスピンオフはどうなったか謎ですが、まだまだ続編も作れそうなので、2年生になった葦人とかも見たいですがスケールダウンしちゃいそうなので、プロ編とかを見たいですね。
葦人の代は、葦人以外だと大友、富樫、遊馬が昇格しそうですが、そういう後日談も見たいものです。
そんな感じで次回のスピリッツ漫画を紹介していきましょう。
